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おうちで中華 - 老厨白菜(白菜と豚肉と春雨の炒めもの)

かつて月イチ以上の頻度で山東省へ出張していた時期がある。山東料理は日本ではマイナーだが、中国四大料理のひとつに数えられ、四大料理の中でも最も古い歴史を持つ。

ここで「あれ?中国四大料理って、北京料理・上海料理・広東料理・四川料理じゃないの?」と思った方はいるだろうか。実はあれは日本人に分かりやすくした言い方で、北京料理の位置には本来山東料理が入る。北京料理の源流が山東料理なのだ。

その特徴は、地味…って、そんなこと言ったら怒られるけど、醤油や黒酢を多用し、甘さを抑えたキリっとした味付けが基本なので、見た目は茶色っぽい料理が多い。

でも、これが旨い。奇をてらわない味付けなので、食べやすくもある。レパートリーに加えて損はない、堅実な美味しさが備わっている。

今日の料理も、正にそう。山東省の片田舎で知った老厨白菜(白菜と豚肉と春雨の炒めもの)である。


老厨白菜
lǎochú báicài

老厨白菜(白菜と豚肉と春雨の炒めもの)

地味な食材、地味な色合いだが、キリッとした醤油味で最後に黒酢で香りを付ける山東料理らしい味付けが、見た目以上の美味しさを生む。

白菜・豚肉・春雨・木耳。いざ食べると食感も味わいも多彩で、思わず笑顔になる。しっかりめの醤油味が、ご飯を呼ぶ。ビールも呼ぶ。北方中華は山盛りで作るのが正義だが、その山はすぐになくなった。

この料理には、普通の春雨ではなく、粉条(太い春雨)を使いたい。このむっちり感があってこそ、白菜・豚肉・木耳と互角に渡り合えるのだ。こういうのが通販で買えるようになったのだから、いい時代だ。

汁を吸った粉条がうまい。

たっぷり作って、ガツガツ食べよう!

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