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窓を開けてくれたその人は
次の駅で降りていった
半年ぶりの得意料理
一人の部屋で一人で食べる

サービスチケットの期限が切れて
空中ブランコに並ぶ人の列
容器代込みで思い出を持ち帰る
まだ開いてるお店を探して
仕事帰りの人の群れ
すれ違う急ぎ足
どうぞお先に
紛れて並ぶ道化師に
誰も気付かない
いえそちらこそお先に
どういたしまして
ありがとう

開演時間までに新メニューを考える
たったひとつでいいんだ
今日を迎えられた証しに
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
どれだけ時代に逆らえど
変わりはしないスパイスの
効き目とその香り
次の電車を見送る
乗ると決めた車両は当駅止まり
押し出されるマスクの波が
感動の拍手に包まれて


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お読みいただきありがとうございます。わりと反射的に思い付いて書いてしまったものです。サーカスを題材に書こうと思ってたら、こうなってしまって。。東京オリンピック、連日選手たちの活躍が報道されて盛り上がってるように見えますが、コロナがもしなかったらこんなもんじゃなかったんだろうなと思うと、残念ですね。組織委員も必要以上に慎重になり過ぎて、まるで仕事の出来ない子供のように振り回されて、数々起きたトラブルも判断ミスというよりは、そもそもの能力が圧倒的に足りなかった人選ミスのような気がしてます、私には。最初からメンバーが違ってたら、全く違う展開になってたでしょうね。それこそ中止意見がこんなに出るのではない、コロナ禍の最中であっても国民全体が一丸となって応援するような形に持って行けたように思います。無事に終えることが出来たとしても、本来思い描いてたものにはならなかったという意味で非常に残念です。

サーカス2021東京


読んでいただき、ありがとうございます。 ほとんどの詩の舞台は私が住んでる町、安曇野です。 普段作ってるお菓子と同じく、小さな気持ちを大切にしながら、ちょっとだけ美味しい気持ちになれる、そんな詩が書けたらなと思っています。