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無知もまた特権


長い間その仕事に真摯に向き合って
多くの子どもの誕生に立ち会ってきた
ベテラン看護師ルース。

彼女はある重大な罪に問われ裁判にかけられる。

それは彼女が黒人の看護師でなかったら。
起きなかったかもしれない裁判だった。

突然、窮地に立たされた彼女の弁護人は
こういった重罪裁判の経験がほとんどない
公費選任弁護人の女性ケネディ。


二人はこの裁判に立ち向かう。


だけど彼女たちがこの裁判で
向き合わねばならないのは
このひとつの出来事だけではなく
彼女たちを取り巻く現実だった。

彼女たちが辿り着く先には
嘘に隠された思いもよらぬ真実が……。


いつもわたしたちに問題を投げかけ続ける作家、
ジョディ・ピコーが自作のすべてのなかで
自分にとって特別なものになるだろうとした物語。


『SMALL GREAT THINGS 小さくても偉大なこと』
   著者 :ジョディ・ピコー
   訳者 :川副智子
出版社:ポプラ社
  ISBN :9784591162736/9784591162880


ジョディ・ピコーの書くものはいつも重いし
読んだあとも離してくれなくてぐるぐるするのに
また必ず読みたいと思うし読んで良かったと思う。

『わたしのなかのあなた』でやられてから
新しい翻訳が出る度に手にとり読むのだけど
文庫でしか出なくなり、全く出なくなった。

もっとたくさん作品があるはずなのに
もう読めないのかとかなしく思っていたら
ポプラ文庫から出てたのを発見。

あらすじすら確かめずにすぐ購入した。

あらすじすら読んでないので
はじめはどんな話なのかもわからず読みはじめた。

やっぱり読んで良かったと思った。


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