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心療内科に行ってみる

みなさん、こんにちは。ちいかまです。

初夏という言葉を聞くたびに、国語の教科書に載っていたお話を思い出します。ある女性が道に落ちている白い帽子を拾うと、中から蝶々が飛びだす。いなくなった蝶々の代わりに、持っていたグレープフルーツを白い帽子の中に置き去るというものです。ロマンですね。


さて、今回は双極性障害についてというより、心療内科について書いていきます。心の不調を訴えるものの、メンタル系の病院に行くのを渋る人が多いな…と思ったからです。

私が双極性障害と診断されたのは、社会人2年目の夏です。ですが、心療内科を訪れたのは、この時が初めてではありません。幼い頃より不安要素が強かった私を、家族は心配していました。

※幼少期より抱いていた不安要素については、前回の記事で触れています。よろしければ併せてご覧ください。

初めて心療内科に連れられたのは、大学1年生の夏。港町がきれいなとある県に旅行した際、知らない人に誘拐されかけたことがありました。

旅行から帰ってきてどこか様子がおかしい私に、「何があったの」と母はしつこく尋ねます。この時、旅先での一連の恐怖と、今までの人生に対する不安が爆発してしまい、心がメッタメタにやられてしまいました。

起き上がれない日々が続いた私を、母は心配してついには心療内科に連れて行きます。

今思うと、本当のところは早く、然るべき場所へ連れて行って欲しかったんでしょう。心療内科なんて行きたくない。心が病んでるなんて思われたくない。そう思う反面、心療内科の待合室で、なぜか安心している自分がいることに気づきました。

それからというもの、心療内科に通院していましたが、社会人になって忙しくなったタイミングで足が遠のきます。そんな中、件の双極性障害診断が下され、もう一度自分の心と向き合う時間が増えるようになりました。

私が双極性障害であることを知っている人、あるいは「こいつなんか病んでるよな」とメンヘラ認定してくる人は、時々「心の不調」らしき相談をしてくれます。

正直、経験談を元にしたアドバイスはできても、お医者様ではないので診察はできません。率直に「病院行ったらいいよ」と言うのですが、ご自身のメンタルに不具合を感じてる人ほど「いや、自分はそういうの違うから」と断ります。

歯が痛むなら歯医者に行けばいいし、熱があるのなら薬を飲めば治ります。それと同じことなのに、なぜか「心の不調」となると病院がとても遠い存在になってしまうようです。

これは、悪い意味で広がってしまったメンヘラという言葉が足枷となっているのでは?メンヘラと思われたくない、そんな類のプライドが判断にブレーキをかけているのでは?

そこで、心療内科(たまに精神科)通いの長い私が「心療内科ちょっと気になるけど、なんか怖いし…」とブレーキをかけてしまう人へ、少しだけアドバイスを贈ります。僭越ながら。何かの参考になれば幸いです。


心療内科について深く考えない

これ、すごく大切なことです。みんな、何かしら悩んでいます。問題を抱えています。大事なのは、その問題と向き合うかどうか。向き合う際に心や体に現れる不調を、医療で手助けしてもらう場所だと個人的には考えています。

心療内科と聞くと、自分が病人認定される場所だと思ってしまいますが、そうでもないです。

以前通っていた別の精神科で、主治医から聞かされた話です。「患者が自分のところへ来た以上『あなたの病気は○○です』と、症状をカテゴライズする必要がある。どう対処していくか指針が必要だから、診断を下しているだけ。病名はただのラベルに過ぎないから、振り回されないように」と。これを聞いて、うつ病だの双極性障害だの診断されていた私は「ソウデスカ〜」と納得し、変に病名を意識しないようにしました。

また、心療内科でも、その症状によって対処は様々。薬の投与が最もリスクがなく、結果が出やすいと判断されれば処方箋が出されます。逆に、薬で解決できないような場合、例えば、心の底にこびり付いている汚れのような長年の不安や悩み。そういった場合は主に「話すこと」で問題が顕在化されるので、カウンセリングなどが処方されます。


事前に情報収拾しておく

いくらでも情報がある世の中ですから、事前にいくつか病院を調べておくと良いです。

大学病院のような大きな病院から駆け込むのは、あまりオススメしません。といっても、大学病院にかかったことがないので説得力はないですが…。大きな病院で診てもらうには、紹介状があったほうが何かと便利です。たくさんの患者さんが来る大きな病院で、自分の症状を1から説明するのは手間がかかりますし、何より心の不調中にそんな気力はありません。

自宅から通いやすい場所にあること、評判のいい病院であること、保険が適応するか、など調べておくと良いです。

どうしても見つからない場合は、不眠症・頭痛などの症状で検索してみてください。心療内科でなくても、こういった症状を扱っている病院では少なからずストレス・疲労など、心の不調に気づいてもらえます。

内科がメインの病院だと「うちでは詳しく診れない」と通院を断られることもあります。その場合は、他の機関を紹介してもらうようにしてください。


相性のいい主治医を探す

メンタルケアにおいて、主治医との相性は大事です。人間関係に悩んで体調を崩し心療内科に駆け込んでも、主治医との関係性に悩まされては本末転倒です(経験談)

かかりつけの病院をコロコロ変えるのは、かえって負担となりますが、2〜3回通院して「問題なく通えそうかどうか」判断してみてください。

私が以前紹介されて通っていた精神科では、ストレスフルな診察が続きました。双極性障害を前提に治療をしていたのですが、症状や悩みを伝えても「あるある〜、それよくあるよね〜」と言われるのです。双極性あるあるが聞きたい訳ではないのに…。しかも、事あるごとに「入院する?」と勧めてきます。入院したいんじゃないのに…。

また、別の心療内科では、自分の症状をどう伝えようかしばし悩んでいる時に「黙ってちゃ分からないでしょ!」と厳しめに言われたことがあります。うるせえババア待てんのか!と病院を変えました。

相性のいい主治医に出会うには、根気がいります。心が疲れてる時に、そんな気力ないですよね。今通っている病院が全てとは思わず、同時進行で情報収拾はしておきましょう。


診察は淡々と話すように心がける

わかります。つい感情的になってしまうのも、むしろ無感情で何も喋りたくないのも、わかります。客観的に自分の症状を伝えるのがオススメです。

なんだか不安で…寂しい気持ちが強くて…悲しくなって…こういった類の症状を伝えるのは、少し恥ずかしい気持ちがします。自分の気持ちを伝えるのでは無く、自分の現状を伝える。

ワンポイントアドバイスとして「私が話すことで、この人は給料を受け取っているのだ」と割り切ってしまいましょう。メンタルという限りなくプライベートな部分を診察されていますが、関係性までプライベートになる必要はないのです。


以上、色々アドバイスを書いてみました。なんだ、簡単じゃん。と思われるかもしれませんが、心の不調中は、それさえも難しいのです。

初めて心療内科に通った当時は「心療内科 初めて」「心療内科 行き方」「心療内科 不安」などの言葉で、検索履歴がいっぱいになっていました。

簡単じゃん^^が、いざ当事者になると簡単じゃないじゃん^^になります。


悩んでいる人の元へ、少しでも届きますと幸いです。また、身近な人が心の不調で悩んでいる時も、参考になったら幸いです。


では、また。

多くの人が日々、穏やかに過ごせますよう。


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