よしのちほ

つくりてラボ・よしのちほ ホロスコープ曼陀羅®の考案者。 お話を書いたり、いろんな…

よしのちほ

つくりてラボ・よしのちほ ホロスコープ曼陀羅®の考案者。 お話を書いたり、いろんなものを作ったりする人。エゾリス好き。 http://chihoyoshino.com/

最近の記事

七色の雪

雲が北から流れて来る。 あなたの町に雪を届けた雲だろうか。 2人で見る雪は白く、蒼いほど白かったのに、この街では積もりもせず踏みにじられるだけ。 白くあることを許されないかのように。 空を仰げばネオンに照らされ舞い降りる初雪。 七色に染まり、私の手の中で、静かに消えた。 (2012.10.30にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 )     ★    ★    ★ 降る雪を撮るのって難しい・・・。 フラッシュたいたら綺麗に写るって聞

    • かいそうでんしゃ

      「回送電車がまいります」 無人の特急は、向かいのホームに停まった。 懐かしい車両。 週末ごとに、通った人の面影がよみがえる。 あの頃の切なさ。甘さ、苦さ。 あなたも思い出すことはあるのだろうか。 ぷぁん、と警笛が鳴る。 さよならの合図みたいに。 遠ざかって行く、回想電車が。 ( 2013.5.24にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 )     ★    ★    ★ 行けないとなると、どこかに行ってみたくなりますよね。 思い

      • ぴかり

        一番星を見つけたい。 あの子は夕暮れ空を見上げる。 けれど、はしゃいだ声をあげるのは、いつだって他の誰か。 そのうちに、あの子は空を見上げなくなった。 どうせ見つけられないんだ。 いじけて下を向いて歩く雨あがり。 わざと踏んだ水たまりの波紋がおさまれば、一番星が、ぴかり。 (2010.3.11にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 )     ★    ★    ★ 写真は星じゃないけど。 雪がとけた水たまりの中にお日さま。

        • 魔女の言葉

          突然思い立って模様替え。 部屋の中を舞うホコリが窓から差し込む陽にチラチラキラキラ。 汚いのかきれいなのかわからない。 不意にマクベスの魔女の言葉を思い出す。 きれいはきたない、きたないはきれい。 ああそうか。 あなたを憎む私の心は、本当は、とてもきれいなのかもしれない。 (2009.12.23にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録)      ★     ★     ★ 年末ですね。 大掃除しなくちゃと思いつつ、今朝はキッチンの排

          すけじゅうる

          このままじゃいけない。 日記に「来週から本気出す」と書いた。 でもすぐに12月。 来週を来月に書き換えた。 でもすぐに年末。 来月を来年に書き換えた。 でもすぐに新年度。 来年を来期に書き換えた。 うーん、なんか違うな。 少し考え「来世から本気出す」に書き換えた。 これでよし。 (2010.11.26にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 ・画像は手のひらサイズのメモ帳と、このお話を収録した豆本)    ★    ★    ★

          すけじゅうる

          はじめてのおつかい

          俺のも頼む!  購買に行こうとしたら、声をかけられた。 ただのクラスメイト。 それだけなのに。 カレーパンとカツサンドとメロンパン。 渡された硬貨を握れば、はじめてのおつかいの時みたい。 カレーパンとカツサンドとメロンパン。 呪文みたいに唱えて歩く。 ドキドキが止まらないよ。 (2011.1.12にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 )    ★    ★    ★ がま口の中に豆本を綴じ込むという斬新(?)な豆本を作ったことがあ

          はじめてのおつかい

          おとしたものは

          金の斧や銀の斧より、実用的で長持ちするのは普通の斧。 だから正直に答えただけなのに、女神さまも早とちりよね。 飲み会で何気なく言った童話の感想に、あなたは大笑いした。 それがきっかけで、付き合い始めた私たち。 実用的で長持ちな、ええ、私がおとしたのは、普通の男です。 ( 2015.5.26にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 )    ★    ★    ★ ブッシュドノエルを見て、そういえば金の斧のお話書いたなあ、と。 メリークリス

          おとしたものは

          彼女は丑年

          そう言えば丑年生まれだったな。 草を食む牛を見て思い出した。 気ままな小旅行のはずが、思うのは彼女のことばかり。 大きくため息をついたら、一頭が顔を上げた。 黒い濡れた瞳と、しばし見つめあう。 やがて牛は「もう」と低い声を残し、くるりと背を向けた。 あの日の彼女のように。 (2011.5.2にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 )    ★   ★   ★ そういえぱ今年は丑年でした。 なんだか突然このついのべを思い出したので再録

          恋愛運向上!?

          手相って、自分で描いてもいいそうですよ! 昼休みの会議室。後輩は占いの本とにらめっこ。 先輩もどうです恋愛線、って大きなお世話だわ。 よし、俺が描いてやるよ。 あっというまに同期が私の手にペンを走らせた。 消すなよ、と笑うけど、 1830西口 って、 何これどうしよう。  (2015.6.5にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録)    ★   ★   ★ 手相の足りないところというか強化したいところ(?)って、金のペンで描いちゃ

          恋愛運向上!?

          運命の人

          【 彼女はインチキ占い師。 いや、インチキかどうかは知らないけど、ヘボではあると思う。 恋愛相談で若いコに人気だなんて、信じられないな。 だって彼女は僕に言うんだ。 あせらなくても、運命の人にそのうち出逢えるわ。って。 もうとっくに出逢ってるのが、どうしてわからないのかな。 】 (2015.7.4にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録 )    ★   ★   ★   ★   ★ 少し前に、お友達の占い師さんがきれいなペンデュラムの写真をF

          ウェザーフォーカス

          『ウェザーフォーカス』  朝5時すぎ。天気予報に間に合うように、テレビをつけた。ほとんど寝ていないせいで、目がショボショボする。しばらくはコンタクトを入れられそうにない。 『おはようございます!』  テレビの中から元気な挨拶が聞こえた。朝から無駄に爽やかな気象予報士の姿に、軽くイラッとする。この男と3時間前に喧嘩したなんて、眠くてボンヤリしているせいか現実感がない。そう、現実感がないほどバカバカしいやりとりだった。 「朝の予報の最後に合図するから見て」  そう言われ

          ウェザーフォーカス

          スキのお礼のメッセージで

          スキをしてもらうとお礼のメッセージが画像付きで表示できると聞いて! 357数秘カードで1枚びきっぽく設定してみました。 そのうちまた違うこともしてみようっと(でんでんむしの歩みです・・・)

          スキのお礼のメッセージで

          月の光

          【 月の光を浴びたら変身しちゃうよってあなたは言ったけど。   変身前と変身後、どちらが本物なのかなあ。   差し出された手をとろうとしたら、誰かが叫ぶの。   「だまされるな、そいつはニセモノだ!」   うるさいな。そんなのどちらでもいいの。   真実の愛なんて、いらない。 】 (2011.9.11にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録)    ★   ★   ★   ★   ★ 今夜は満月ですね。見えるかなあ。 画像は私のオリジナル

          10年前に書いたもの。

          『トニックシャンプー』  シャンプーが目にしみた。男物のトニックシャンプー。あわてて目を洗ったけれど、なんだかいつまでもヒリヒリする。痛いのに、涙は出ない。今の私の心みたいだと思ったら、情けなくて奥歯を噛みしめた。  彼と別れて一ヶ月。人間なんて現金なもので、少しずつ私は立ち直りつつある。今日、ようやく彼が残していった荷物を整理した。ゴミ袋にどんどん物を投げ入れていくのを整理と言えるかどうかは知らないが。  着替えや歯ブラシは躊躇なくゴミ袋行きにできたのだけど、風呂場に

          10年前に書いたもの。

          残暑お見舞い申し上げます

          追記しました 【 例えば、県境だって日付変更線だって目に見えないし。「ここ」を踏み越えたから何が変わるってものでもないんだ、きっと。 暑中見舞いを出せなかった人を想う。立秋を過ぎたけれど、何も変わりはしない。 残暑お見舞い申し上げます。 あなたへの想いはまだ熱く、秋の気配はまだ遠く。 】 (2011.8.9にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録)    ★   ★   ★   ★   ★ 残暑見舞いっていつまで出していいのかなあと調べていた

          残暑お見舞い申し上げます

          こんなお話を書いています。

          【 「夜中に読んで、ギャーっと叫びたくなるような物語を書いてみたの」 ホラーは苦手だと言いそびれ、原稿を預かってしまった。 読み始めると、意外にも内容はラブストーリー。 しかし痛い内容だ。 中学生の頃を思い出すわ。 あの頃の、あんな発言やこんな発言。 うわ恥ずかしい。ギャー! 】 (2013.2.8にTwitterに #twnovelタグで投稿したものの再録)    ★   ★   ★  

          こんなお話を書いています。