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最高の採用は、あなただけでは無理であるということ

# これはなに?

## 採用アドベントカレンダーの10日目

こんにちは。手塚といいます。

数々の名だたる猛者of採用の皆様にまざり、10日目を担当させて頂きます。

私が働く会社はリテンションマネジメントという、働き続けられる環境を作る事業を営んでいます。
そのような環境を作る上でのスタート地点がまさにエントリーマネジメント=採用になる訳ですが、リテンションを見据えた時に「もっとこうした方が良いな」と、強く思うことがいくつかあり、せっかくの機会なのでそれを認めたいという気持ちです。

## 伝えたいこと

・最高の採用をするには、人事だけが変わっても無駄。
・かといって、採用する企業だけ変われば良いという話でもない。
・最高の採用は、人事、企業、候補者の方、全てが変わらないと成り立たない。

## こんな人は読むといいかもしれない

・入社後のアンマッチや短期離職が課題になっている人事の方
・今後の採用方針の「あるべき」に悩んでいる経営者の方
・良い転職をしたいという方

# 最高の採用とは

## 最高の採用ってなに?

私が思う最高の採用というのは、採用する企業の事業上の課題が解決され、且つ候補者様の課題が解決されるというものです。

リテンションを見据えると、企業と候補者様、どちらかの課題解決では駄目です。

手垢の付いた話で恐縮ですが、労働人口が減り始め、お一人の候補者様に対して複数の企業がオファーを出すことになります。
採用さえ決まれば安泰かと思われていた頃から、企業と雇用者の関係は互いに選び、選ばれるというフラットなものに成る時代がきます。
企業が自分の課題だけを解決するための採用をする時代は、もう終わろうとしているのです。

では、最高の採用をするためには何が必要なのか。

実は、一つ一つはそんなに難しい事ではありません。しかし関係者が物凄く多いので、そういった意味では非常に実現が困難な事かもしれません。

# 何が必要か 企業編

## 採用で解決したい課題設定が適切か確認する

まず、その採用を行うことで解きたい課題は何でしょうか。それが曖昧だと、具体的な業務内容(JD)になりません。
JDがないと、求人要件が適切に作られません。紫色のリスのような異常に高い要件になったり、逆に『どんな方でも歓迎!』のような要件になってしまう等です。

そして、適切な要件でスクリーニングができずに入社されると、企業と入社してくれた方との間に、以下のような期待値のギャップが生まれやすくなります。
「本当はもっとこういう事をして欲しかったのに!」
「本当はこういう事ができると思っていたのに!」
お互いの課題が解決できておらず、残念な採用です。

求人条件を適切にするには、社内の同部署の方のスキルセットと比較してみるというのが割りと具体に落ちやすく効果的だと思います。
比較していくと、実は社内にそういう人いたよね…となる可能性もあるかもしれません。
課題解決のために、今社内に足りないものは何かをできるだけ具体的にしていくのが「こんな筈じゃなかった」を極小化すると考えます。

こちらのnoteも、JDをどう作るべきかを記載されており、勉強になります!

## 自分勝手な面接をやめる

具体的なJDができて、適切な求人条件ができると、面接の場ではそれができるかできないか、聞きたいですし聞きますよね。

でも、企業が話したいことだけを話し、聞きたいことだけを聞く面接はいますぐやめてほしいと思います。

なぜか。候補者様の課題を解決しようとしていないからです。

転職は、ネガポジ色々ありますが、今の状態では何かしらの課題があり、それを変えて解決したいから行うことだと思います。
給与、職務内容、同僚、環境、ライフスタイル…いろいろな観点があると思いますが、その人が今抱えている課題は何かを知ることが必要です。
そしてその上で、その課題は自分の会社で解決できるかを考えます。
転職理由を聞く企業は多いと思いますが、ストレス耐性や人間性の部分のチェックのために聞くのではなく、候補者様の課題解決のために聞いてください。

極端な例ですが、仮にその候補者の方の悩みが

『毎月残業60時間を超えていること』

だとします。これはまだ表面上の悩みであることも多く、更に深ぼると

・『実は残業はポジティブだが、その内容が詰まらない』
・『子どもの育児に参加できず、土日出社だけ控えたい』
・『朝は早く働いていいが、夜は学校のため定時退社したい』

などの課題がでてきます。
職務内容としては希望の物でも、その根本の課題が解決できない場合「こんな筈じゃなかった」に繋がって、結局離職される可能性が高くなります。

そこを解決できるか見極めるためにも、企業は聞きたいことだけ聞いて、話したいことだけ話す面接を今すぐやめるべきです。
企業全体の働き方や人事制度を見直す企業体力があるのであれば検討し、それもできない状態ならどんなに魅力がある方でもお見送りをさせて頂くことが、リテンションを見据えた最高の採用には必要です。

# 何が必要か 候補者編

## 自分の人生に責任を持つ

さて、ここまでの話はもうお気づきの企業も多いと思っています。カジュアル面談や、採用広報による期待値調整の重要性について広く認識されていることがその証明でしょう。

しかし、我々だけが頑張っても限界があります。正直、いつまでも最高の採用は無理です。候補者の方々にも、考えを変えてもらう必要があります。

“ 入社してよかったな。 って思ってもらうためには、自分で選んだ!って思わないと人間は他責にしてしまう。”
【営業から人事にジョブチェンジしたい人必見!】 人事にジョブチェンジして気づいた、営業と採用の共通点とは?より引用

今、働くことに対する価値観は、本当に多様化しています。
こちらのnoteのような副業の普及もそれを裏付けると思います。

どのように働きたいか。誰と働きたいか。働いて何を得たいか。
「他人に言われて、何となく良さそう」ではなく、まず自分の考えを明らかにしてgo/no-goの判断をして貰いたいと強く思います。

キャリアの積み方だとか、何を成し遂げたいとか、そんな小難しい話は一切必要ない。定時に帰りたいとか、年収1,000万稼ぎたいとか、そういう自分が絶対に大事にしたいことを明らかにするだけで変わるはずです。
そもそも自分の意志がないと、解決手段だと思い入社した企業が「何か」足りなくて不満に繋がり、次を探すことになるかもしれません。もしかすると、永遠に満たされない自分の「何か」を他人のせいにして生きることになります。それはきっと、非常に辛いことです。

採用担当としては、その候補者様がご自身の意思決定に責任を持てるよう、問題を聞いて解き解し、根っこの課題を見つけて、解決できるか否かを誠実にお伝えできるパートナーとして在れると良いと思うのです。

# 最後に

##  採用はその企業だけの問題ではない

採用は採用担当と企業だけで完結する問題ではありません。言ってしまえば、日本社会全体の労働力を最大化する一つのシステムとして、一企業の採用は存在しています。
その場限りのご縁とするならそれでも良いかもしれませんが、互いの「こんな筈ではなかった」を無くして最高の採用を行うためには、社会全体が変わる必要があります。

素晴らしいことに企業は少しずつですが、変わり始めています。採用アドベントカレンダーのnoteを読んでもそう感じます。

では、次はどうするか。私はその次のステップとして「自分はどうしたいか」に責任を持てる人を増やしていくべきだと。それが社会全体の採用や、働くことを最高の物にしていくはずだと。強くそう思います。

## 書いたのはこんな人です

株式会社OKAN という会社にいます。HR・EX領域を担当しています。

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## 引用・参考note


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