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「言葉は変わっていくものだから」 柔らかに穏やかに 金田一先生は言うのだ


「引きがいい」というのか、モチーフとさせて頂く方がメジャーなTV番組に登場したり、紐付く事が続いています。

金田一先生もつい先日の昼時に出演されてて、公開順と偶然合っただけなのに なんだか嬉しいものだなと。




「こだわり 」と いう言葉は、自分に対する"良い意味合い”で使われる事が多いと思いますし、私も以前は同様に捉えていました。

上司から指摘されたその誤釈を 未だ覚えているくらいなので、私は「言葉」へのこだわりを手放せないのかと考えたけれど、やっぱり違う。

言葉こそ大切にすべきと思うから 手放すつもりがないんですよ。



でも敬愛する金田一先生が ” 言葉は変わっていくもの ” と
対極にあるような柔らかさで繰り返すたび、なんだか揺らぐ自分もいます。

「こだわり」を良い意味とする向きも 今はありますしね。



国語学の名門に生まれ、言葉と共に歩んでいらした金田一秀穂先生。


( 私は基本的にクイズ番組を見ませんし、知らないだけかもしれませんが )  お話を伺える機会があまりなく、テレ東の ”辞書で吞む” が始まる際に「もしや」と胸を躍らせたものの 今のところ出演はないので、繰り返し放送されてきた、特異な感性で知られる滝沢カレン嬢との共演は貴重です。


言葉がとても好きだけど 文法などへの関心は薄いらしいカレンさんが、ちょいちょい失礼だったり 全てを無にする事を言ってしまっても、先生は微笑んで言うのです。
「いいんだよ」

あるいはおどけ、あるいは突飛な言葉に感心する。でも否定する事はない。「そうかー」


そして理解しやすくかみ砕いた話をしてくれるのです。


そんな 全てを穏やかに受容する先生をカレンさんも慕い、最後に思いがけず涙した二人に 私ももらい泣きしました。


それ以前に私の涙腺は
先生の声だけで緩みっぱなしなんですがね。


金田一秀穂先生監修で出版してほしい国語辞典のイラスト

人としての愛に満ちた言葉の数々を
そこに集積して欲しいのです



ともあれ、web上に残っているその番組への記述は、視聴した事がある人なら激しくうなずきながら大笑いするものが多いはずです。

そしてそのあと 優しくあたたかな何かに包まれるんですよ。きっと。






冒頭で綴ったお昼の番組では、三省堂国語辞典(第八版)に未掲載の言葉として「タイパ」「ビジュ」が挙げられており、単純な短縮形だから ちょっと考えれば ”あたりが付く” と判断しているように受け取れました。


この ”あたりが付く” というのは
生きていく上で大切にすべき事のひとつだと 私は常々思っています。



語学を学んでいくと ある時点で諸々繋がってくるとはよく聞く話ですが、何にしても知見を広げるにつれ様々な繋がりが見えてきて、自分なりの判断ができるようになるのも同様で、"あたりが付いてくる"って事だと。



日頃 世界情勢をざっと見聞きしていれば、英語が堪能じゃなくても 例えばBBCの字面を見て何が起こってるかは何となくわかるでしょうし、捉え方はさておき投資も、日々の買い物や投票にしても、繋がりがないものはないんですから。


ノーコードでのサイト運営も広まり、AIと付き合う中で プログラマーも不要になると言われても、基本的なあれこれを頭に留めて置けば非常時の力になる事は間違いないはずですしね。





そして またしても ”正解の無いクイズ” の話になってしまうんですが、イベントを控え 数回だけ再放送されてきた最初に選ばれていたのが、金田一先生出演の  ” 「エモい」という気持ちを表す新しい漢字を作ってください" という Q65 の回。


既に死語云々は、とりあえず脇に置いて
以下がその内容。

(と下書きしていた翌日、通常放送のオープニングトークで
「最近使うのがちょっと恥ずかしくなってきた流行り言葉は」
と問われて間髪を容れず加納ちゃんが「あ、エモいかな!」
呂布さん「あ、エモいあかんわ 俺も」
山添さん「あ、俺もエモいあかんわ 」
と畳みかけてて
書いてるタイミングとのあまりのシンクロ具合に
苦笑いするばかりでした。

ちなみにQ65の本放送は 2023/9/4 でしたが
” 今年の新語2016 ” に選出された言葉だから
その時点で相当「あかん」かったんかもしれないけど
そういった感情を表す言葉はなかったとして
定着を希望する声もあるし、未だ使われてもいるようです。


すみません。閑話休題。


まず加納ちゃんが書いた字も含め とてもいい返しをする
他にもなかなかの答えが出る
” 天才言語学者 金田一秀穂 ”と AI タミ子が読み上げる


呂布さん
「あ、本命じゃないですか」


先生が” 情い ” と書いた紙をカメラに向ける
MC3人ともなるほどといった感じで「あ~」


金田一先生 
「漢字っていうのは、意味があってれば どう読んでもいい事になってんですよ。基本はね。」
「だから新しい漢字をつくるというよりも、いままである僕らのよく知ってる漢字に『こういう読み方をするんだぞ』って、ふりがなを振っちゃえばいいわけですよ。」


頷く呂布さん 
「たしかに」

頷く山添さん 
「こういう授業やったら楽しい」


以上。


そんな山添さんや上述したカレンさんの表情を見ていると、"導き" というものを考えちゃうんですよ。他の出演者のリアクションも仕事だけではなさそうだし。


手っ取り早く、またどの年齢層にもという事で
先日の番組内に先生の話をコーナー化しちゃえば?
月曜なら伊集院さんがサブになってもらって もう鉄壁じゃん。

( 料理に関して私も全幅の信頼を寄せている ) 浜内千波先生だって
一度のゲスト出演でコーナーになってるんでしょ?




元宇宙飛行士である山崎直子さんの " 北風と太陽 "で言うところの太陽的な言葉には 私もしばしば胸打たれるし、山崎さんのピュアさにはまるでかけ離れてるけど、私も考え方としては同じ向きなんですが

負の力が複利的になってるこの世界でどれだけ通じるかを考えるに、前回綴ったような「こんな風に何を言ったところで」と流れ、その無力さは問題の切迫感を限りなく弱めてしまいそうです。



発信側が「超少子高齢時代」と言い切ってても 未だどこでも「化」を付け足していて、そんな風に緩い解釈に変換するなら、緩い対策につながるのも当然な気がする。そしてそこには いろんな心理が働いてるんだろうと。

でも、他の事にしても
逃げ切れない状況まで進んだらどうするんだろう。



火災報知器が鳴っていて 煙の臭いがする建物に、イヤホンを付けてスマホから目を離さない人達が、速度を落とさず吸い込まれるように進む場面に出くわしたことがあります。
その状況に唖然として、行こうとする一人に思わず声をかけると「あ、ほんとだ」と実際に気付かなかった様子でした。

便利な社会を造ってきたはずになのに、個々が 深く籠っていく社会には対応しきれない現状と、それ以上に不気味なこの先を見た気がします。

限った事以外に気付かないふりを続けると、リアルに気付かなくなる。


それも
文字にさえしたくないけれど、ゆでガエルな状況なんだと思います。




ある程度平穏な中で生きていられるのは
偶さかでしかない。

そう綴っている途中で
重なりが感じられる金田一先生の言葉を見付けました。


生れ出る地は選べないから運次第

ニュースなどで見る とんでもない地域から比べれば
この地にいられるのはかなり幸運なのではないか

そんなに悪くないこの場所をより良くすることができるとは思いませんが
悪くないところであり続けることぐらいはできそうに思います

( すぎなみ地域大学のお知らせより簡約 )




― 自分が ○ ○ だったら ―


繰り返すようではありますが
あらゆるものに自身を置き換えてみる事が
この先も世界が続く第一歩に 私は思えてなりません。






金田一先生は こうも言うのです。


愛から始まり、腕力で終わる日本語。

でも愛から始まるってとこが格好よくて 素敵でしょ?



言語学者の金田一秀穂先生と著書を模して黒板に並べたイラスト

― 金田一 秀穂 ―  by chiffon 2024



思い出すだけで胸が詰まるようなそのシーンが
丸ごと頭に焼き付いていたから

このまとめイラストのベースを黒板にしたのかもしれないと
今になって気付きました。



そう言えば お昼の番組ではお習字が苦手と話していたけれど、板書での先生の字はお人柄がよく出ている感じで、とてもかわいいんですよね。



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