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早期退職者募集に手を挙げるか悩んだ時に押さえる大事なこと

6/3にアステラス製薬は早期退職者を募集する旨を公表しました。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC033S80T00C21A6000000/

全社員対象の今回の制度ですが、社員は手挙げをするか否かを考え、いずれかを選ばなければなりません。

おそらく労使協定で、退職強要が無いことや細やかなフォローをすることを条件に判断されたことだと思うので、全社員が何かしらの形で所属上長と面談し、自らの意思表示をすることになると思います。

さてこのような早期退職者募集は、このご時世、頻繁に耳にするようになっています。

そこで、今回は早期退職者募集が開始され応募するか悩んでいる方向けに考えて欲しいことを記載します。

早期退職と通常退職の違い

早期退職者が通常退職と違って得られるものは3つあります。

・退職のきっかけ
・会社都合の退職
・割増金

SNSでは割増金が注目されがちですが、実は3つもあるのです。

退職のきっかけ

これまで退職や転職意向を内に秘めて働いていた方にとっては、大きなきっかけになります。何故ならば、会社側が退職することに歩み寄ってくれるからです。

多くの方は例え退職意向があったとしても、上長に言う勇気が出なかったり、周りの同僚を裏切るようで決断できなかったり、家族に相談しにくかったりと、心理的な壁があります。

それを、上長自ら自分のために退職の意向を聞いてくれるのですから、

「実は応募しようと思ってまして...」と打ち明けやすくなります。

また同僚からも「早期退職は会社のせい」と認識されるので、辞めることに対するネガティブな意見の矛先は、自分ではなく会社に向きます。

家族にも「早期退職者の募集が始まるんだよね」と、事実ベースで話題を振ることができます。

実際に早期退職者募集のタイミングで辞めた同僚から聞くと、辞めること自体の心理的なストレスは、思っていたほど高く無かったそうです。

会社都合の退職

転職を視野に入れている方にとって、自分の辞め方が「自己都合退職」か「会社都合退職」は気になるところです。

実際のところ採用担当者やエージェントからの見え方や自身の職務経歴書に、少なくとも影響は出ます。

どちらもメリットとデメリットはありますが、転職の際は「なぜ早期退職者募集の時に手を挙げたのか?」と問われる可能性はあるので、回答の準備をすることが大事です。

またハローワークに申請して取得できる「失業給付金」の貰い方にも差が出てきます。(詳しくまとめられている方がいるので、リンクを参照下さい。https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/11173/#i-6 )

割増金

最も気になるのが、「手挙げしたらいくら貰えるか?」です。

これは今回の割増退職金用のテーブルから算出されて、詳細は社内の方しか分かりません。

ただ、一度自由に過ごしたい方や、老後の資金にしたい方、事業を始める資金にしたい方、高額な買い物をしたい方には非常に魅力的に映ると思います。

応募する目的を明確にすること

最後に最も大事なことを記載します。

今回の応募をきっかけに、得たいものは何でしょうか?

割増金を得てパーッと使いたい方もおられると思いますが、割増金をもらうことを目的にするのは危険です。

本来であれば転職や起業は自分のやりたいことを叶えるための選択肢であり、キャリアを積み重ねることで豊かな人生を送ることが目的のはずです。

そうすると自分が決めたタイミングで転職や起業するのがベターなのに、早期退職の場合は会社が決めた退職日を守らなければなりません。

今回のアステラスの場合は2021年末退職と書かれていますが、2022年1月に良い求人が出ている保証はありません。

もっと言えば、割増金がもらえなくてもやりたいことがある、就きたい仕事があると思える方が健全です。

「割増金があるから、退職する」と考える方は結構多いのですが、後のキャリアも考えて

「やりたいことがあるから退職し、たまたま早期退職募集のタイミングと重なった」

と思えることがベストです。

さあ準備をしよう!

早期退職者募集をきっかけとして、次のチャレンジを始めたくなった方は多いと思います。とは言え、本当に手を挙げて大丈夫だろうか?自分は会社を出て通用するか?そもそも転職市場はシュリンクしてないか?など悩みは尽きません。

ぜひ今からキャリアコンサルタントに相談し、自分のキャリアの棚卸しを始めることをお勧めします。

今いる会社を退職することは多少のリスクを伴いますが、コンサルタントに相談することはノーリスクハイリターンです。

手を挙げるか挙げないかは別として、まずは自分自身を知ることと転職市場を知ることから始めるのが良いと思います。

次回は転職に関する書評をまとめたいと思います。

ご精読ありがとうございました!





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