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【参加型企画】13GIRLS (A-M)

131
noteの皆さんに名前をつけていただいた、アルファベットのA〜Mにちなんだ13人のオリジナルキャラクターを使った企画です。イラスト・小説・漫画などご自由にお使いください(同人誌等…
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#連載小説

【連載小説】ふたり。(13) - side J / K【終】

【連載小説】ふたり。(13) - side J / K【終】

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

10月11日 16:35 恵比寿第一高校・写真部 部室無機質なチャイムが鳴り響く。この時間帯には珍しい、校内放送だ。

「2年3組の、大空純さん。
 2年3組の、大空純さん。
 忍足先生がお呼びです。
 至急職員室までお越しください。」

聞き覚えのある可愛らしい声が、事務連絡を告げる。

「大空氏。…出番だよ」

野木氏が促す。

「え?大空さん、どうしたの?」

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オリジナル連載小説、最終話まであと4日です。

昨日の絵
https://note.mu/chickii/n/nfe2baf2c8fa1

連載小説「ふたり」目次
https://note.mu/chickii/n/n2546aad06c49
↑1・2話の挿絵を加筆修正しました。

こちらのイラストは3・4話の衣装です。

小説 「ふたり。」 全13話 - 目次

小説 「ふたり。」 全13話 - 目次

第1話 - side J 

第2話 - side K 

第3話 - side J 

第4話 - side K

第5話 - side N 

第6話 - side A

第7話 - side K / J

第8話 - side K / A

第9話 - side J

第10話 - side L /M

第11話 - side K / M

第12話 - side K

第13話 - sid

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最終回へのカウントダウン(一度やってみたかった)
3/10(日)公開です。

連載小説「ふたり。」
第1話
https://note.mu/chickii/n/n917c08f7f14a
最新・第12話
https://note.mu/chickii/n/n9033eb2cb93a

【連載小説】ふたり。(12) - side K

【連載小説】ふたり。(12) - side K

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

◇どこだろう、ここ。

私の部屋…?

だけど、レイアウトが微妙におかしい。

そして、母と、もはや招き入れることのなくなった、父が目の前にいる。

さらに、私の体は、なぜか男性のそれになっている。
よく見ると、それは私が想像した天国の兄の姿だった。

ああ、そうか。これは夢。

しかも、とびきりの悪夢。

「薫。好きな子ができたんだって?」

「クラスメイトか。

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【連載小説】ふたり。(11) - side K / M

【連載小説】ふたり。(11) - side K / M

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

8月2日 10:28 - 某メンタルクリニック・診察室

「だいぶ、顔色が良くなってきましたね。」

先生から言われると、お墨付きを貰った気になる。
私は、旧友であるあかりんや、写真部の野木さんと連絡を取るようになったおかげだと告げた。

「なるほどね。今の様子であれば、お薬の量を減らしてもいいです。今までのと、1段階弱いのを交互に飲んでみられて、様子を見ていきま

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【連載小説】ふたり。(10) - side L / M

【連載小説】ふたり。(10) - side L / M

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

7月20日 - 18:00 某・貸スタジオ
「そういやルナさんは、明日から夏休み?」

ツトムさんが、軽くスラップを弾きながら訊く。今日もあごひげが立派だ。

「そうっスね…」

「元気ないね〜、ルナっち」

チープさんが軽々と超絶技巧を弾いてみせる。また今日もその帽子っスか。高級品らしいけど、わたしにはユニクロの帽子との違いがわからないっす。

「例のボーカル候

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【連載小説】ふたり。(9) - side J

【連載小説】ふたり。(9) - side J

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

6月28日 13:09 - 恵比寿第一高校 2年3組 教室「あ゛〜、終わったぁ…」

「それはどっちの意味だい、大空氏?」

野木氏こと、野木睦美ちゃんが余裕の表情でわたしに訊く。

「両方…」

前期中間試験は無事に終了した。わたし自身はあまり無事じゃないけど。

赤点、ありませんように…。

そういえば、かおちゃんも試験は受けに来てるんだった。まだ保健室にいる

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【連載小説】ふたり。(8) - side K / A

【連載小説】ふたり。(8) - side K / A

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

…この話は、ほとんど誰にもしたことはないんだけど。

私には、兄がいたらしい。
名前は、「薫」だったらしい。

会ったことも、写真を見たこともない。

私が生まれる前、兄は流れてしまったから。

誰のせいでもないと思う。
当時の両親は、若く健康だった。確率としては15%という高さで、誰にでも可能性があることらしい。
でも、母も父もそれぞれ自分自身を責めた。まさか自

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【連載小説】ふたり。(7) - side K / J

【連載小説】ふたり。(7) - side K / J

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

6月8日 17:13 - 澤井邸・リビング
「もうすっかり梅雨ね」

キッチンに立つ母が独りごちる。

外は雨。

今日は、愛しのじゅんちゃんを夕食会に呼んでいる。

「愛しの」というのは、私の胸のうちだけにしまってある。
両親にも、本人にも伝えてはいない。

ああ、じゅんちゃん。久しぶりに会えるんだね。2週間ぶりだよ。先週は私の具合が悪くて寝ちゃってたから会えな

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【連載小説】ふたり。(6) - side A

【連載小説】ふたり。(6) - side A

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

5月31日 16:53 - 恵比寿第一高校 生徒会室放課後。
生徒会室に二人の影があった。

「それじゃ、これが6月の行事表。お昼の放送、よろしくね」

明瞭な口調の主は、2年1組、生徒会執行部書記・馬場時子。通称ばばしー。

「はーい。梅雨の時期に清掃活動かぁ。相変わらず校外行事多いんだねえ」

よく通る特徴的な高い声が返ってくる。同じく2年1組、放送部所属、早

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【連載小説】ふたり。(5) - side N

【連載小説】ふたり。(5) - side N

前話◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

5月30日 20:13 - 某宅・某室

アングルよし、ピントよし…と。

あー、あー。

聞こえるかーい?

やあどうも。はじめまして。

じゃあまず、アタシの自己紹介からしようか。

恵比寿一高2年3組・芸術コース、野木睦美。写真部やってるよ。部にはアタシ入れて6人しかいなかったんだけど、この度新入部員が2人入ってくれて8人になったんだ。嬉しいね。

その新入

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