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気分転換に(湯河原温泉の旅)

「どっか行こうよ」
と言いながら、ずーっと決めかねていたのだけど、夏休みもおしまいだし
「よし、湯河原に行こう」
と前日の晩に宿をとり、温泉へ。

下北沢から小田急線に揺られ、ごとごと小田原へ。1時間23分の長旅。読んでいた本がちょうど読み終わった所だったので、何を読もうかと本棚を物色。昔読んだ『プロフェッショナル仕事の流儀 決定版』が目に留まり、お供に連れてきた。
まえがきで「一流と言われる人でも、仕事がうまくいかないことは日常茶飯事であること。そして悩んだり迷ったりするということです。」の所にまず元気をもらう。

読んでいたら酔ったので、外を眺める。水田の緑が鮮やか。遠くの方に、段々と薄っすらしていく山々の連なりが見え、空の広がりに心がほっとするのを感じる。このところ考えることがたくさんあって気分転換したかったんだ。来れて良かったな。

11時過ぎに着いたのでお昼ごはん。『だるま食堂』という建物が国登録有形文化財のお店へ。名前を書いて待つ。2番目。すぐに呼ばれた。中に入るとお客さんがいっぱいいたので驚いた。ここは天丼が売りっぽい。旦那は天丼、私はおさしみ・天ぷら定食にする。温かい緑茶がじわっと体にしみ込む。暑い時も温かいお茶はおいしい。

料理を待つ間、お店をきょろきょろ眺める。レトロな建物。天井や梁(という部分なのかしら)がおしゃれ。お座敷に上がる板も細工がされていてかわいらしい。素足に当たる感じが気持ち良さそう。

お刺身は新鮮な感じで歯ごたえがあった。天ぷらはエビ・なす・ししとうなど。大好きなお芋がなかったのが残念・・・。最近揚げ物に弱く、ちょっと胃もたれ。最後に残しておいたエビの衣をちょろーっとはがす。でも天ぷらが食べたかったのだ。ごま油で揚げてるそう。ごちそうさまでした。

ごはんのあとは城好きな旦那のために小田原城へ。以前も一緒に来たことがあるので、私は二宮金次郎を祀っている二宮神社にあるカフェへ。レモネードを注文し、緑を眺めながらぼーっと過ごす。蚊に刺されやすいので、蚊取り線香が置いてあるのがありがたい。この匂いも好き。時折、背中側から気持ちの良い風が吹いてくる。地図アプリで調べたら海からの風だった。セミがみーんと鳴いている。日向は暑いけど、日陰は少し秋を感じる季節になってきた。
なんてなんて良い時間。改めて、カフェで過ごす時間が好きだと再確認する。

1時間近く経って、お城見学を終えた旦那が戻ってきたので、一息してから駅に向かう。これから湯河原へ移動。2時過ぎになり、日が傾いてきた。電車の扉が開くたびにホームに差す日が夏と違い、なんだか物悲しさを感じさせ、ちょっとセンチメンタルな気分になる。線路わきの枯れ草がおうど色に光っている。

駅から宿までの送迎車があり、それに乗って宿へ。

部屋はお風呂のある階。近くて良かった。あんまり遠いと行くのがイヤになっちゃうんだよね。貸し切り風呂が廊下の突き当りにあり、おじさんとおばさんがワイワイしながら入って行くのが見えた。部屋で買ってきたお饅頭を食べ、一息してからお風呂へ。誰もいなくて貸し切り。嬉しくなる。お湯は熱めで「あちち」って言いながら入る。肌がぴりっとする感じ。これもなかなか良いもんだわ。全体が茶系のお風呂場。窓の外には日に照らされた目隠しの笹が鮮やかな緑に光り、目からもリラックスさせてもらった。

夕ご飯は大広場で。私たち入れて12組だった。2歳くらいの子どもが、時折「ぎゃっ!」っと悲鳴を上げ、保護者が「しーっ」と言っている。さっき貸し切り風呂に入って行った方たち、テーブルをパーテーションで区切ってた。お風呂は一緒に入っていたのに?なんて思う。お食事はまぁまぁ。ご飯が冷めてたのがちょっと、と旦那が言う。

寝る前にもう一度お風呂へ入りに行く。おやすみなさい。

変な夢を見た。温泉で温まりすぎて寝苦しかったかなぁ。

朝ごはんを食べて、送迎車で送ってもらう。湯河原駅前の手湯で手を温める。時間があったので、今年の大河ドラマに出てきた土肥実平の『土肥実平の館』を見学。館といっても、商店街にあるお店だった所を借りたんだろう館。手作り感があり、質素だけど土肥さんを知って!っていうのが伝わってくる感じ。ボランティアのおじいさんがちょこちょこ説明してくれた。大河は、人がたくさん亡くなり、人を騙したり騙されたりと毎回どきどきし、心地悪く感じながら観ている。

小田原駅へ戻り、箱根登山電車に乗って風祭駅へ。駅の前にはかまぼこで有名な『鈴廣』のお店がある。今日のメインは体験教室。少し時間があったので、『かまぼこ博物館』でかまぼこが出来る工程を知る。そして、かまぼこは1本100キロカロリーで、ダイエット向きという情報も得る。置いてあったベンチがかわいい。

かまぼこの勉強後は『すずなり市場』という所でお茶。おはぎを注文する。小豆、ごま、きなこの定番も気になったけど、せっかくならいつも食べない味にしよう、と栗あんと丹沢大山茶あんにする。お茶あん気に入った。抹茶とはまた違ったお茶の味が良きでした。お茶のおかわりが欲しかったなぁ。

さあ、時間になったので体験教室へ。正式には『あげかま手作り体験教室』。かまぼこ・ちくわの体験は取りたい時間に取れなかったので、あげかまに。ビニール袋に入ったお魚のすり身をもらう。「においをかいでみてくださーい」と教室の先生から声が掛かる。生臭い。そこに枝豆・コーン・にんじんの3種類から好きな具材をスプーン6杯入れる。枝豆3,コーン2,にんじん1にする。斜め前のお兄ちゃんはにんじんだけだった。私は絶対選ばない選択。人それぞれ。

こねこねしたら、すり身をビニールの端に手で押し集め、角っこをハサミで切って竹の皮に絞り出す。くっついちゃうから、手を水で濡らしてから成形する。花丸のような周りが丸々した花を作りたかったのだけど、すぐに手にくっついちゃうので断念する。丸でいっか、とふたつ丸にしたけど、おもしろくないなぁ~とひとつはチューリップにすることに。お水をばちゃばちゃかけて整える。串を差して出来上がり。

これを先生が3分揚げてくれる。揚げたてを食べられるのだ。手作り体験ってなかなかやったことがなかったので、おもしろかった。また違うものをやってみたい。あげかまは枝豆のぶつぶつ感が良かった。結構油っぽいので、一個はお持ち帰りにする。

お土産のかまぼこを買って小田原駅へ。小田急線でまたまた長旅。ごとごとおうちへ。本を読みながら、時々窓の外を眺める。夏休みもおしまい。もうすぐ運動会がやってくる・・・。良い気分転換になった。時々はこうやって、非日常を味わうことも大切。

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