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「雨」の名前に酔うとか

            ( 約1,000字  )

雨が降ると、残念な気持ちになる。

「あ〜あ、思いっきり外で遊べないや」
子どもの頃はガッカリした。

大人になったら、

「自転車では出かけられないなぁ」
と、窓の外を見る。

小雨で空が明るいときには、自転車で出かけてしまう。

『三寒四温』という、四字熟語がある。

元々は、冬の気候を表す言葉で、中国や朝鮮半島由来であったが、日本で使われるのは、春になるかどうかのまだ冬の寒さが感じられる時期に使われるようになった。

日本の気候では、3日寒い日の後に、4日温かい日が続く、という気温の変化は少ないが、早春には低気圧と高気圧が交互にやってくる特徴を持つ気温の変化がある。

 〜 暑さ寒さも彼岸まで 〜

という暦の区切りになぞられて、寒さの時期を
堪(こら)える目安として、示している。

そこで、今日は
『雨の名前』をいくつか紹介します。


騎月雨 (きげつう)

「騎月」とは、月越しの意味をもつ。
月末近く、だいたい24日、25日に降る雨が翌月まで降り続くことがあるため、こんな呼び名がある。
※同じ意味で、交月雨(こうげつう)、過月雨(かげつう)、翔月雨(しょうげつう)も。

こし雨  (こしあめ)

しとしと降る小雨のこと。長雨とも呼ぶ。

佳雨  (かう)

よい雨。降りどきを知っている喜ばしい雨。
目にも美しくうつるもの。

これに似た雨で、他にもある。

嘉雨  (かう)

喜ばしくめでたい雨のこと。
雨乞いをした後に降る雨、に使う。

好雨  (こうう)

待たれていたときに降る雨のこと。
「いいお湿りがあった」と使われる。

懸雨  (けんう)

「懸」は、かかる、ぶらさがる、の意味。
急に降りかかる雨のこと。
夕立のような突然、降ってくるときの雨。

急雨  (きゅうう)

にわか雨のこと。
※似た言葉に、早雨(はやさめ)がある。

淫雨  (いんう)

長雨のこと。
特に穀物に害を与えるような長雨をさす。

淫霖  (いんりん)

「淫」も「霖」も長雨のこと。
うっとうしく降り続く雨をさす。


最後のふたつについては、下ネタっぽく見えますが、れっきとした雨の名前を表す言葉です。

他にも、書くのをはばかられるような音の言葉もありますが、日本語は趣きのある響きの言葉がたくさんあるので、掘り下げるとまだまだ人に話したくなるような文字があります。

雨が降ったら、
読書にいそしむのも
それはそれで
有意義な時間を楽しめると思います。


  少しだけ、雨を知りましょう☂️



里芋の葉っぱに溜まった雨水を集めて、
墨をすって書道に使うと、字が綺麗になる、
と言われていました。
私は子どもの頃、実行していました。



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