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あと3時間で「学生」を失うらしいので、世界史を学び始めた

2007年4月1日から17年間ずっと肩書きにあった「学生」。これから各種アンケート欄の右上、職業の欄の「学生」に丸をつけられなくなってしまいます。

1.「学生」に縋り付きたくて

学生でなくなることよりも「会社員」に丸をつける生活が始まる方に対する驚きと不安の方が大きいですが、正直そんなことは今考えたって仕方ありません。

働き始めたら万に万の確率で打ちのめされるんです。落とし穴は突然落ちるからびっくりするのであって、なんとなくわかってれば「まあ落ちるよな」くらいの感情で抑えられるんじゃないか、と思います。

今は、もう人工芝とかでカモフラージュすらしていない明白な落とし穴が3歩先に見えている状況と言っていいでしょう。

それはさておき、学生でいなくなることのなにが怖いんでしょう。映画館やSpotify、カラオケなどなど学割の恩恵が受けられなくなるのは残念ではありますが、別に怖いわけじゃありません。なんというか、ただただ、嫌。

週5早起きだって、中高はそうだったのだから特段「学生」からかけ離れた生活ではないんです。じゃあ、なんなのか。

ここからは本当に格好つけるので、皆さんの身の回りにいる格好つけてんなあこいつ、という奴の声で再生してほしいのですが、「役に立たないものを学ぶ機会」を失うのがいちばん「怖い」という感情に近い気がします。

いいですか?まだまだ格好つけますよ。

2.古典とか案外楽しかった気が。気のせいか?

定期的にX (旧Twitter)で争ってますよね、「学校教育はもっと役に立つことを学ばせろよ」論争。地元の夏祭りみたいなもので、「あー今年もやってんだあ」程度の感想しか抱いていませんが、振り返ってみると役に立たないものを学ぶ時間、結構好きだったな、と。

数学なり英語なりは置いといて、それこそ古典や日本史は少なくとも実生活には役に立っていません。

たまーに城に行った時とか、ノンフィクション映画を見た時に事前知識として持ってるとより楽しめる、くらいの恩恵です。ただ、このオプション知識を強制的に学ばせてくれる場がなくなるのがかなり怖い。

会社に入って、自分の業務に関係することは学ぶ機会がたくさんあると思います。けど、もうそれ以外のことは自分から取りに行かないともうこれ以上の知識は増えていかないなと気づいた時、にしては知らないことが多すぎる、という漠然とした焦りに駆られました。

そこで、世界史なんです。忘れてませんよね?格好つけてるやつの声で再生してますか?そうでもないとこんな文章読んでられないことくらい書いてるこっちが一番わかっています。

3.カタカナ恐怖症で逃げてきた

受験では日本史を使ったので、高3の選択科目は日本史。大学でも「朝鮮の歴史と文化」のような授業はとりましたが、いわゆる西洋史はとことん避けてきました。いかんせんカタカナ記憶力がほぼ0に近いので、テストを乗り越えられないんです。

ただ、もう学生じゃなくなった以上テストに追われる必要はありません。デンマーク留学を経てやーっとフランスやオランダの位置が正確に言えるようになった今、今こそ世界史チャンスなんじゃないか。そう思い、「教養としての世界史」をKindleで読み始めました。

ちょうど昨日ビザンツ帝国が滅亡しました。

「うわ滅亡した!」と、連載漫画を読んでいるような楽しみ方をしています。

学生身分を失うのが怖くて、結果的に世界史が学べそうです。学生をあと3時間で捨てる皆さん、どうですか、「日常に役に立たない学問」。世界史でも、倫理でも、古典でも、地学でも。

学生最後のnoteが、一番鼻につく内容になりました。まあ明日からは完全な下っ端として生きていくので今日くらい許してください。新社会人、いざ。

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