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駆け出しエンジニアを挫折させる方法 2

前回のあらすじ。
独学でHPは作ったことはあるものの、ITサッパリな私は、気付いたら会社で第1号のモルm…ではなく開発エンジニアを目指すことになってしまったのでした。

「なんでもできるエンジニア」

社長との電話から程なくして、私は例の修行先のエンジニアさんの元に社長とともにご挨拶に伺いました。

その方は当時40手前のエンジニアで、長く所属した会社を辞めて個人事業主になったばかりだそうです。前職の会社で長く担当していた案件をそのままいくつか請け負っているとのことでした。Tさんと呼びましょう。
もうひとり、同じオフィスで働いているやはり個人事業主の40代の組み込みエンジニアの方もいらっしゃいました。こちらはOさんと呼びます。

既に社長とTさんの間で色々話は進んでいたみたいなのですが、改めて認識を確認するように社長が話します。

社長「といった感じで弊社にはまだ開発のエンジニアというものがおらず、ぜひともTさんの元で、きあを早くなんでもできるエンジニアにしていただきたいと」

私(今この人「なんでも」ってのたまったぞ…!)

Tさん「なかなか無茶なことを言いますよねー(笑)でも、他ならぬNさん(弊社社長)の頼みなので特別に引き受けますよ。私たちとしても、若い人の育成は色々やってみたいって思ってたんで。」

そして私に向かって言うTさん。

Tさん「俺、かなりスパルタだからさ!覚悟しといてね!!」

あ、これモルモットだわ…。
心に暗雲が立ち込める中、もう引き返せないところまで来ていることを感じ、私は覚悟を決めるのでした。

1ヶ月目: ひたすらフローチャート

ということで研修がスタートしました。
教材はTさんが前職の会社で作成した新人研修のカリキュラムを使うとのことでした。渡される紙の束。全部に問題が印刷されており、その問題をすべてフローチャート(手書き)で書いてみろということでした。

で、これを「1ヶ月で終わらせろ」とのことなのですが…

私「ちなみに…前職の新人さん達はどのくらいかかってましたか?」

Tさん「んー…大体2〜3ヶ月かな?早い人で1.5ヶ月くらい。」

私「」

終わらせたよ?終わらせましたよ??
書いては持っていってダメだったら突き返されて消して書き直して、わからなくても「わからないなんて通じないんだから徹夜してでも考えるんだよ」と言われ徹夜して。なんとかクリアしました。

この時は(と限定するのもアレですが)、結構褒めてくれたように思います。過去に教えた新人達の一番早かった子くらいにはできてる、と。

褒められたことでちょっとやる気を出してしまったのは良かったのか悪かったのか。

【補足】
フローチャートを最初にやらせた理由としては、ちゃんとロジック組めずにめちゃくちゃなプログラム書いたり、「よくわかってないけど動いてるからOK」なんて新人をたくさん見てきたからだそうです。あとなんでもコピペで済ませてしまう人。私にはそうなってほしくなかったらしい。
この点に関しては私も同意だし、しんどかったけれど基礎を叩き込んでくださったことは感謝してます。

2ヶ月目: やっとプログラミング

2ヶ月目に入ってプログラムを書かせてもらえることになりました。
どうやら1ヶ月目に書いたフローチャートをもと(設計)にして、コードを書いてみようということでした。

言語はC言語。
C言語のプロフェッショナル(Oさん)がいらっしゃるということと、C言語はJava等の言語のベースになっているとのことなので、「Cがわかれば他の言語もいけるっしょ!!」ということらしい。

まぁそれは良いとして、さぁいよいよプログラミング。
C言語ってどう書くの?当然知りません。

Tさんは私にまた紙を渡しました。今度は2枚です。

1枚目:C言語のコードらしきものが書いてある
2枚目:エディタ(Vim)のコマンドらしきものが書いてある


Tさん「そこに書いてあるみたいに書いてみて!よろしく!」


「教える」という言葉の多様性を考えながら、慣れないターミナルと向き合うのでした。

続きます。

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