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駆け出しエンジニアを挫折させる方法 6

だいぶ長くなってしまいましたが、挫折編。

前回のあらすじ。(1話目はこちら
初めての業務を任された私ですが、「この人達は質問しても教えてくれないから」と質問を避け、盛大に失敗しました。
その失敗から、今後は勇気を出して積極的に質問していこうと決意します。

日本語の上手さとは

その後の仕事は、引き続き機能の開発や改修、取引先に連れて行っていただき、MTGの議事録や月報の作成などをさせてもらっていました。

わからないことは躊躇わずTさん達に質問します。
ただ、相変わらずIT・業務用語などは疎いままなので、Tさん達にうまく伝わらないことが多々ありました。

そしてある時Tさんに言われたのです。

「お前さ、ほんと日本語が下手だよね。何言ってんだかわからない。」

グサリと刺さりました。

「そうですよね〜!もう少し勉強します!!」って笑いながら答えましたが泣きたくなりました。

昔の話ではありますが、国語は割と得意だと思っていました。
模試で全国順位1桁台を取ったことはありますし、中学時代に書いた作文は毎年市内の優秀作品に選出されていました。大学でのレポート科目は全部最高評価でした。今書いてる文章にはその面影はありませんが(笑)

そういったプライドと、何よりも
「いや、むしろTさん達の日本語のほうがワケわからないんだけど…」
という思いが、私の心になんともいえないモヤモヤを生みました。

その後、私がTさんに質問する度に、下記のような返事が来るようになりました。

「?????????」
「(説明した後に)言ってる意味わかる?」
「ごめんなさい日本語でお願いします」
「大変申し訳ございません。私の知識不足で理解できないです。」

実際に私の言ってることが滅茶苦茶だったのかもしれません。(こればかりは自分では客観的に判断はできないので)

また、エンジニアの方にスパッと物を言う人が多いことは今でこそ理解はしています。ですが、この時の私には「煽り・からかい・馬鹿にする」といった悪意が込められてるように感じられたのです。

とはいえ前回、質問しなかったことで失敗をしています。
このような状況でも、質問しないと進められないなら、何と言われようともするしかないのです。

更に試行錯誤をして言い方を変えてみます。もっと詳しく状況を説明しようとします。でもそうしようとするほど、くどくわかりにくい文章へとなっていくのが自分でもわかりました。

上記のような返信はその後も毎日のように送られてきました。

段々チャットを送るのが怖くなり、キーボードを打つ手が震え、送る前に自分の作成した文章を何十回も読み返しました。

自己肯定感・心理的安全性ゼロ

「日本語が下手」くらいならまだ良かったのかもしれません。
この頃から、何かとTさんやOさんに私の行動を否定されることが増えてきたように思いました。

シェルスクリプトを書く仕事をいただいたときのことです。
そこまで難しいものではなかったものの、ちゃんと意図した通りに動いてくれたのはとても嬉しく感じました。喜んでた私にOさんは言いました。

「こんなの普通は仕事の合間に作るレベルだからね。お前が仕事できないからTさんが簡単な仕事渡してるんだからね。」



また私が基本情報を受けようとしてることを知ると

Oさん「仕事できないのにそんなの手出してる余裕あるの?」

Tさん「俺、基本情報持ってないけど仕事できてるし。いらねーよ。持っててもプログラム書けない奴いるし。」


さらに取引先に出すメール(月報)のレビューをしていただいてた時、メンバー全員が見れるメーリングリストで、私が書いた箇所の上にこんなコメントが書かれていました。

↓ 馬鹿なことを書かないで下さい(T)


ほかにもたくさん。



すべて仕事ができない私のせいなのかもしれない。
頑張ってもやり方を変えても上手くいかない。全部否定される。

否定はされるけれど何が良いのか正しいのか誰も教えてくれない。


仕事を進める上で質問しにくいなんて理由にはならないのは理解している。

それでも。

否定される度に自分の無能さ、無価値さを実感して、
何も考えられなくなって、自分のやることのすべてに不安しかなくなって。


何もできなくなりました。


社長が期待してくれて、ここまで挑戦させてくれたのにな。


昼休み、泣きながら社長にメールしました。



「もう限界です。」



あともう少しだけ続く

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