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皐月あやめ
2023年12月30日 22:00
お久しぶりの公任さんです!早いもので、もう年の瀬ですが、いよいよ来年から大河『光る君へ』がスタートしますね。その予習的な意味でも、「公任さん」を今後ともぜひよろしくお願いいたします。さて、今回はX(旧Twitter)で、ゆーっくり連載していた公任さんと道長のエピソードを紹介します。 と、いうことで、藤原道長と公任さんの弓比べのお話でした。 道長と公任というと、まだ権力を持つ前の道
2022年6月29日 12:41
面白い逸話を見つけたので、今月二度目の更新です。 今回は公任さんと同じ四納言の一人、源俊賢のお話。 『古事談』「俊賢、蔵人頭に自薦の事」というタイトルです。 一応最初にちょこっと公任さん要素もあります。 というわけで、ババンと自己推薦したのがドドンと採用されたお話です。 後半の斉信はドンマイですね。 本文の方を解説していきましょう。 まず、藤原道長の兄、道隆が俊賢に「誰が
2022年6月23日 22:47
お久しぶりの公任さんです。前回はなんと2月でした。 その頃から小説の更新を頑張っていたので、なかなか古典を読む余裕がございませんでした。今回久しぶりにお勉強しました。 前回の記事はこちら↓ 前回は公任さんの「もったいぶる癖」が失敗したパターンを ご紹介しましたが、今回は一応成功したパターンのお話になります。 原典テキストは『今昔物語集』巻24「公任大納言読屏風和歌語」です。たまーにテス
2022年2月1日 23:56
こんばんは。ギリ二月になってしまいましたが、公任さんの更新です。 さて、今日は公任さんの失敗話です。 コマ外に補足を書きましたが、当時「拍子」というのは、雅楽でリズムを叩く係で、指揮者のように演奏を引っ張る重要な担当だったそう。 絵面はとても地味なのに、花形。もうちょっと時代が下ると、拍子担当の人は割と拍子ばっかりやってるので、演奏できない人がやるもんだと思ってました。 笏を二個打
2021年12月30日 22:51
ちょっと季節外れですが、今回は公任さんがやってた論争第二弾。※前は推し論争についての記事を書きました。 古今著聞集の逸話です。そして、いらすとやさん祭りです。 というわけで、春と秋の花って言ったら〜? という議論のハズが、梅vs桜という論争になってしまったお話。シンプルながら公任さんらしさが出ています。 公任さんは春の花といえば「梅」だそうです。 公任さんは頼通よりは30歳くらい年
2021年11月30日 10:38
今回は公任さんの逸話の中でも大変メジャーなものを。 メジャーすぎて扱うかどうか迷ったくらいですが、11月の重要イベントですので、ちゃんと扱うことにしました。(11月を主張するにはぎりぎりである) そう、11月1日は古典の日。なぜ11月1日なのかというと、公任さんが原因だったのだ。 改めて解説を。 寛弘五年霜月のついたち、つまり西暦1008年の11月1日に皇子(のちの後一条天皇)の生
2021年8月18日 14:59
本日の公任さんは、ライバルの斉信に位階を抜かれて拗ね、引きこもってる時期の話です。 公任さん、拗ねると引きこもっちゃうタイプなんですよね…。 今日は本編に入る前にちょっと簡単に解説から。 官位に不満のある公任さんは朝廷に辞表を出します。「やりません」という意思表示ですね。 ちなみに「辞表」の意味は現代の「辞表」とほぼ同じで、「職を辞する際に提出するもの」という意味が基本。しかし平安時代
2021年7月11日 21:17
今日は公任さんの失言の巻。失言だけでシリーズ化できるくらい失言している貴族、それが公任さん。 というわけで、冠を叩き落とされても冷静な男行成(※諸説あり)が悔しがったエピソードでした。 本当に四納言で蹴鞠してたんなら、仲良いねあなた方って気持ち……。でも当時の貴族的には社交のうちの一つだったのかも。現代で言うとゴルフみたいな。 蹴鞠の一般的なプレイ人数は6人から8人だそうですが、最低人数
2021年6月16日 15:59
今日は平安時代の推し論争について。論争というよりは論議に近いですが。 余談ですが、今回の漫画はクリスタとアイビスを両方使ってみてます。 クリスタは練習中……。 というわけで、周りの人が「涼が優れてる!」と言ってるなか、和歌で仲忠を推す公任さんのお話でした。 今回は和歌の解釈が専門的なので、正確に紹介するため、ガッツリ参考文献を引かせていただきました。漫画にも注を書いたけど改めて記述す
2021年5月7日 18:50
今日は休憩回って感じですが、今までの『新撰髄脳』の本文まとめと、現代語訳まとめを載せます! 昨日のは要約でしたが、今日のは頭から訳したやつって感じですね。一部意訳ありますが基本的には辞書にある意味も採用しつつ訳しました。 今回本文に使用した古典文庫は私がAmazonで清水の舞台から飛び降りるくらいの勢いで1万円で買った文庫本です。内容が素晴らしすぎたから買った価値があった。『新撰髄脳』
2021年5月6日 17:01
前回はこちら。 というわけで、『新撰髄脳』の内容紹介はここで一旦切りをつけます。 また二時間目と称して続きもやるかもしれません。 ちなみに、公任さんの名誉のために補足しておくと、恋歌についてもマジで聞いたら教えてくれるんじゃないかと思います。現代にそういう記述が残っていないか、実はあるけど私がまだ発見できていないだけで……。 ただ、公任さんの恋歌があんまり残ってないのは本当です。あんま
2021年5月5日 20:52
前回はこちら。さるをなん、中頃よりはさしもあらねど、はじめに思ふことをいひあらはしたる、なほつらき事になんする。イアリ貫之、躬恒は中比の上手なり。今の人のこのむ、これがさまなるべし。(古典文庫『公任歌論集』より引用)と、いうわけで、前回に続き心も姿も上手くいかないときのアドバイス。初心者向けの解説は、ここで一段落です。 中頃は「今よりちょっと前の時代」というニュアンスで、具体的には古
2021年5月4日 17:48
前回はこちら。ともにえずなりなば、いにしへの人おほく本に歌まくらを置て、末に思ふ心をあらはす。(古典文庫『公任歌論集』より引用)と、いうわけで、今回は、「心も姿も両方出来ない時の具体的対処法」です。 正直公任さんがここまで解説してくれてるのは予想外でした。 「AとB両方兼ね備えているのが良いよ。まあ、両方が無理ならAを優先してね。Aが難しかったらBだけでもいいよ」というところまでで
2021年5月3日 17:18
前回はこちら。心すがたあひぐする事かたくば、まづ心をとるべし。つひに心深からずば、姿をいたはるべし。そのかたちといふは、うちきゝきよげに故ありて、歌ときこえ、文字はめづらしく添へなどしたる也。(古典文庫 『公任歌論集』より引用)と、いうわけで。今回は、「心も姿もどっちもは難易度高いよー」という人に向けてのアドバイスです。 両方が無理なら、「心」を優先するように!と、公任さんは言ってい