服で拭くな。眼鏡を拭くな。
メガネが折れた。割れた、ではない。折れた。おれた。どんなふうに？気になるかい？ そうだな…いわば、まっぷたつに、だ。割れたならまだわかる。みんなも知っているはずだ。だって見たことがあるだろう。
実際にかけているメガネが割れたことあるやつはいないだろうが、この光景自体はとてもおなじみだろう。もし経験したことがあるやつがいたらおごるから話を聞かせてくれ。飲みに行こう。そんなん失明してなかったら奇跡みたいに思えるな。でも最近のメガネはプラスチック製だからあんまり砕け散ったりしないのかな。それは安心…だなあ…。あー、見てえなぁ…。
で、俺のメガネ。折れた。山に登ってるときに汚れてたから服で拭こうとしたら…折れた。普段は朝、顔を洗う時にいっしょに水で洗ってた。そしてティッシュを2枚、重ねて使う。ヒンジの金属が錆びないように丁寧に拭いていた。ある意味俺のルーティンだった。まあ顔を洗うのすらも不定期で気が向かなければやらないのだけれども。
だけどその日は朝早かった。叩き起こされた。男4人が朝早くから車ですし詰め。くそねむい。俺は車が大嫌いなのだ。うるせえし。ガタガタ揺れるし。寝れない。しかもめっちゃ金かかるらしい。歩いてる時の車の騒音が嫌いすぎてわざわざ道路の内側（伝わる？）通ってんだぞ。耳栓しながら歩いてんだ。車なんか大っ嫌いだ！
んで狂信ジジイ追加して、反ワクスピーチ聞きながら今度は野郎5人でガタガタ山に登る。トランプは5人いて日本人はユダヤの末裔だと教わった。今日はユダヤの秘宝アークを求めて日本の山に登るのだ。プレハブの神社を案内された。伝説のツルカメ岩でアマテラスが5次元世界を守っているのだ。勉強になるなあ！
やっと着いたからうーんと背伸び。顔洗いてえなあ。目ヤニって起きて少ししたころに出てくるじゃないですか。なんで目も覚めたし、メガネ拭こうと思ったんですね。もちろん山の上には水道もないし、俺もティッシュ持ってない。だから、拭いたんです。服で。そしたら…折れました。力入れすぎたんですね。ポキッって。
そっからは弟とメガネ交換してはしゃいだ。半分ずつ使ってみたりした。折れた俺のメガネ渡すと、弟が感動してた。めっちゃ見えるって。お前も大概目え悪いな。でもメガネは半分じゃ使えない。知ってる？ 視力は両目のほうが良くなるんだぞ。
そのあとはメガネを両のポッケにつっこんで、見たり見なかったりしながら歩いた。ノアもイザナギもいないただの森だった。
そのあとは山に登った。お土産屋みたいなところでセロテープを盗んだ。なんとかメガネがくっついた。だいたい3巻きくらい盗んだ。これで夢の刑務所暮らしだ！ 俺のマジの夢はいつか脱獄をすることだ。みんなにはないしょだぞ？
ロープウェイとは名ばかりのむきだしリフトで山を登る。座ってるから折れたメガネでも問題なし。馬鹿は高いところが好きで、高いところが好きでない奴は馬鹿ではない。俺は高いところが好きだと表明するにやぶさかでない。
リフトを降りて、登ろうとする。よし！目指せてっぺん！ キミとユメヲカケ…ようとしたら、じじいがひとこと。「今日はアークを探しに来たので、頂上は行きません」
ＨＡ？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？
ＯＮＥ ＭＯＲＥ ＰＬＥＡＳＥ？？？？？？？？？
りぴーとあふたーみー？！！！！！！！！！！！
「頂上は行きません」
#キレた
#なので弟と頂上に登った 。父親は自己責任論を振りかざした。こいつこれしか言わねーんだ。弟とふたりで悪口言い合いながら登る山は楽しかった。早起き×車×陰謀論じじい＝不快ＭＡＸシリーズ優勝だったので思いっきりキチゲ開放してきた。頂上は雲がかかっててめっちゃ寒かった。景色見えなかった。でもじじいいないだけで楽しかった。
帰りの車、うちのじいとアークのじじいがめちゃくちゃ会話盛り上がってた。金正恩も5人になった。マークザッカーバーグは死んだ。うちのじいがツヤツヤしてた。身内のこんな姿見たくなかったよ…。やーい、おまえのじいちゃん反ワクチン～！
いろいろ書いた。結局旅行の話になってしまった。正直他人の旅行の話とか聞いてつまらん会話ベストセレクションなのにここまで付き合わせてしまった。すまん、もう終わる。
では結論。女子無駄はいいぞ！（ありがちなネタ！）
