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春は体内デトックス。超優秀『めかぶ』のススメ

スーパーの野菜売り場にふきのとうやごごみ、タラの芽などの山菜や、菜の花が並ぶようになりましたね。我が家の春の旬は「めかぶ」なのですが、先日話していたら「パック入りか旅館以外、自分で調理して食べたことがない」と。

そういえば、結婚当初、夫も同じようなことを言っていました。
海育ちの私にはお馴染みのものですが、マイナーなのでしょうか?

住んでいる場所によっては売っていないかもしれませんが、この時期だけの超優良食材で意外とお値段もお手頃。もし見かけたらぜひ食べていただきたい春の旬なので、今日は「めかぶ」を語ります。

「めかぶ」ってナニ?

3人くらいの方に聞かれたこと。「ところで、めかぶってナニ?」

はい。ワカメの根っこに近い部分です。生殖細胞が詰まっているそうです。
市場に出回るのは2月から4月中旬くらい。年中あるものですが、他の季節は美味しくないそう。まさに、春が旬です。

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わかめがひらひらと薄く大きい葉っぱなのに対して、めかぶは厚手で弾力があります。そして、ぬめり(ネバネバ)がすごい。

真ん中に太めの茎があって、その両側にひだひだの葉(みみ?)があるのですが、茎が太くてひだひだが小さいものより、中心の茎が見えないくらい立派なみみの方が肉厚で美味しいです。

実際にスーパーで買ってきたものがこちら。

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「めかぶ」は何が優秀?

海藻の栄養については、昨年「ワクチンを待つより免疫を高めよう①海藻のススメ」に書いていますので、ご興味ある方はこちらをご覧ください。

細かな栄養は置いておいて、とにかくこのぬめりです!
ぬめりの正体は水溶性の食物繊維。

ごぼうやお芋などのお野菜には、大抵水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれていますが、圧倒的に多いのが不溶性食物繊維。水分を含まない食物繊維なので、たくさん食べるとお腹が張り、かえって便秘ぎみになってしまうこともあります。イメージ的には粉っぽいクッキーを飲み物なしで食べると喉につかえる、みたいな感じでしょうか。

一方、水溶性食物繊維は水分も含みながら膨らむので、胃や腸のヒダの隅々まで入りお掃除し、傷ついた細胞の壁を修復し、身体の中のカスを取り込んでつるん!と外に出してくれるのです。

どんなに栄養あるものを食べても、胃や腸が汚れていては、栄養を取り入れることができません。まずはお掃除が大事!!
腸が綺麗になれば血液も綺麗になって、免疫力がアップし、お肌も綺麗に。さらに糖質の吸収を緩やかにするのでダイエット効果もあり、一石二鳥どころか三鳥、四鳥です。

どうしても冬は体力温存のために体内に栄養を取り込む傾向があり、新陳代謝が下がりますが、春は冬仕様から夏仕様に向けて身体が変化する時。冬の間に溜め込んだ老廃物を出そう、という自然な動きが体の中で働きます。

春の旬の食材にはデトックス効果が含まれているように、自然界はとても理にかなったサイクルをしています。自然の流れにはうまく乗るのが一番。

こんな話をすると、じゃあ水溶性食物繊維をいっぱい食べよう!という動きになりがちですが、バランスが大事。効率的に働くには両方必要なんです。水溶性食物繊維が豊富な食材は他に大麦や果物類ですが、果物だと糖分も増えるので、海藻、その中でも春の旬のめかぶはダントツです。


めかぶの調理法

まずは冷水で綺麗に洗います。温水を使うとぬめりが出てしまって切りづらいので、冷たいお水で。表面についている汚れを指でしごき落とします。

次に、中央の茎と左右のひだひだを切り分けます。(↓こうなります)

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いちょう型に切り分けてしゃぶしゃぶで食べる方もいらっしゃるようですが、私は千切りが食べやすく、副菜にちょうど良いので、いつも千切り専門です。

みみのひだひだが繋がっているまま、グッと押さえつけて端からトントン、、と千切りに。
茹でる前ならそれほど滑らず切ることができると思います。先に茹でてしまうと、ぬめりがすごくてとても押さえ込めません。
少しくらい粗い千切りでもOK。噛むことで味わい深くなります。

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茎は細めで弾力があるくらいなら斜めに薄切りにしてみみと一緒にして大丈夫。太くてかたい場合は薄切りをさらに細かく切って、みみの部分とは別にしておきます。

それなりに滑るし、硬さもまあまああるので、キャベツの千切りより根気が入ります。お時間のある時に仕込むのがおすすめです。

切り終わったら湯通しします。「茹でる」というより、湯通し。

ザル+ボールに入れためかぶに熱湯をかけて、お湯につかった状態で菜箸でぐるぐる、、と数秒。お湯をかけた直後から色が鮮やかな緑色に変わる、ちょっとしたエンターテイメントです。

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↑一部お湯をかけたところ。

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全体の色が変わったらOKです。この間5秒くらい。ボールのお湯を捨て、そのまま放置。温かいままでも、冷蔵庫で冷ましても美味しく頂けます。

硬い茎の部分は別のザルで湯通しし、ボールと重ねたまま30秒位置いておくと柔らかくなります。

あまり茹ですぎるとぬめりが全部出てしまいます。ぬめりが大事な栄養素なので茹で過ぎないのがコツです。また、冷水で洗うとこれまた栄養分が全部流れ出てしまうので、ザルのまま放置して粗熱と余計な水分を切れば十分です。

めかぶの頂き方

一気に作って、小鉢に小分けにして冷蔵庫保存。しっかりラップをしておけば3日間くらい持ちます。サラダに乗せたり、お味噌汁に入れたり、どんぶりにしたり、と使い方は様々ですが、おすすめは小鉢でシンプルにそのまま。

ほんのり海の塩味がしますので、味付けはカツオ節とお醤油を2.3滴かけるくらいでOK。その他、ポン酢や三杯酢など、お好みで。
納豆みたいに食べる前にお箸で混ぜるとねばねば沢山になります。こちらもお好みで。

まずは、ご飯や他のおかずを食べる前にめかぶを一口。ゆっくり噛んでお口の中で十分に細かくしごっくん、と味わってから通常のお食事に入るのがおすすめです。

噛むことで脳が刺激され、満腹感が得られます。
そして、胃や腸に先に水溶性食物繊維が入ることで、満腹感も得られますし、その後に食べるものの消化吸収も変わってきます。

次の日のお通じに違いが出てくると思いますので、ぜひお試ししてみてください。

食物繊維は体内に溜め込んで置けないので、一度に大量に食べるより、毎日少しづつ食べることが大事。

機会があったら、ぜひお試ししてみてくださいね!!

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ある日のランチ付き個人セッションのメニュー。めかぶ(右上)初挑戦のクライアントさん。美味しく召し上がっていただきました。

そうそう。このnote、昨年の4月に始めたのですが、普段あまりお料理をしない方から「簡単な料理を教えて欲しい」「毎日の買い物と献立どうやってるの?」という相談がいくつかあったことがきっかけでした。だんだん雑多なnoteになってきましたが、悪しからず。


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