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【イベントレポート】Factfullness‐ベンチャー人事が語る就活と仕事の真実‐ #3

はじめに

当イベントはwithコロナ時代到来による採用市場の変化や、今後求められる「人材」や「スキル」について、不安の渦中にいる就活生からの質問にNG無しで答えていくというルールを定め、二人の人事が忖度無しに語っていく為に開催されたもの。

私は今回レポーターとして清聴を貫いていたが、まさに「真実」という表題にふさわしい内容だと率直に感じており、その一部始終を今回お見せしたいと考えている。

また、参加する学生において
は以下の留意点を「約束」として説明している。

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~主催者紹介~

Guest 1
西尾 輝 (ニシオ ヒカル)

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◇株式会社Cheer 
何でも屋(人事・企画・CA・マーケなど)

◇経歴
高卒で群馬県の草津温泉(木の葉)→
龍谷大学進学→起業→株式会社ネオキャリア→
株式会社クラッチ→株式会社フーモア→
株式会社アイ・パッション→株式会社Cheer

Guest 2
宮地 尚貴(ミヤチ ナオタカ)

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◇株式会社セールスの学校
何でも屋(新卒採用・営業・営業マネジメント・セミナー企画など)

◇経歴
広島県出身 →桃山学院大学→株式会社セールスの学校(5年目)

◇特徴
自社のことがそこそこ好き、サッカー、アニメ好き、とにかく飛び込んでみる

Term1「今、世界は大きな変革を迎えている」

西尾:
本日はよろしくお願いします。
早速ではありますが、売り手市場は完全に終わり、前代未聞の不況の到来。
さらに労働環境のオンライン化、リモートが進んでいます。
新卒採用に限らず採用市場はかなり閉じたものになっており、学生・社会人問わずかなり厳しい社会が到来することが予測されています。

就活生にとっては、大卒正社員の雇用率の低下が特に関係してくるところで、バブル崩壊直後が50%くらいになっているので、それくらいになるかもとも言われていますね。もちろん、救済措置を受けられる可能性は十分にありますが…。

宮地:
学生だけじゃなくて、社会人もかなりハードですよね。

西尾:
めちゃめちゃハードですよ。
ただ、それでも各企業どうしても説明会では喋れないものも出てきます。
なので今日はそういった普段聞けない企業の本音について触れていきたいと思います。質問はチャットで積極的にしてくださいね!

宮地:
質問お待ちしております!本日はよろしくお願いいたします。

西尾:
不安な事もあるかと思いますが、明日から実践できる内容も伝えますので、よろしくお願いいたします。まずは事前にもらっている質問に答えていきましょう。

Term2「コロナとこれから」

質問:この不況下で生き残る企業とは?

宮地: 
そうですね。
顕著に分かれる部分だと思うんですけど、まずは蓄えがあるかどうかは大きいですよね。今は営業を自発的にかけられる状況ではないので、国からの補助金が追い付かなくて資金繰りが追いつくのか?って思います。

西尾:
正直、今の段階で潰れている企業はそもそもコロナによって、というよりかは元々危うかった部分が今回で表面化したというのがリアルだと思っています。勿論、長期化すればするほどこれまでの経営状態云々では無くなりますが。こうなると色々営業手法も大きく変わるんじゃないですかね。

宮地: 
僕らの仕事は結構オフラインの営業に力入れていたので正直焦ってます。(笑)これからオンラインという空中戦に対してどうアプローチできるかに頭を抱えています。そういったところもあって近頃は営業支援の企業が活発になっているんですよ。

西尾:
またこれは就活生にとってもプラスなのですが、
こういう時に会社の底力や社会貢献性の高さが重要なので、
本当に良いサービスの会社が残っていく
んだと思います。

宮地:
尚のこと必要なサービスと不要なサービスが二極化してきてますよね。

学生:人材業界を志望しているのですが、これからの動向について教えてください!

宮地:
採用でいうと西尾さんいかがでしょうか?

西尾:
直近で言えばめちゃめちゃやばいですが、そもそも人材業界は他の業界の動向に依存するので、人材業界がやばい時点で他の業界もかなり苦しいとは思います。

宮地:
そうですよね。各社採用や研修などの投資はかなり減らしていますしね。

西尾:
でもこういった不況が終わってからは人材業界は割と強いっていう印象もあって、例えばバブル崩壊やリーマンショック後とかは人材の流動性が高まって、今の人材大手というところが伸びた時期でもあります。
楽観視は出来ませんが、絶望的というほど希望がないとも思いません。
それでは、ちょっとこの場で質問をいただきましょうか。


学生:求められるスキルセット、マインドセットとはなんでしょうか?

西尾:
これは大きく変わることが予測できます。
まずスキルセットで大きく変わるのが、今までのように対人でコミュニケーション能力が評価されてきた人よりも、オンライン上でも自分の考えを文章で伝えられたり、理解している人の方が評価が高いというようになっていくと思います。

宮地:
それでいくと僕は同じコミュニケーション能力でも定義が今後分かれると思います!またマインドセットスキルで一番変わるのは「これから頑張ります」っていう人より「今何かを頑張っている人」が評価されていくんじゃないかな。だから何かに取り掛かる瞬発力は今だからこそ大事ですね。

Term3「人事と就活」

西尾:
それではここから僕たち人事について色々疑問を解消したいと思いますね。
んー、どうしようかな。イメージから説明出来た方が分かりやすいと個人的には思っていて、じゃあチャットを使って人事がよく使うワードを送ってもらえますか?

宮地:
それ面白そうですね!人事のフォーマットを知る上では分かりやすいかもです。

※非公開秘話多数のため中略


学生:人事が使うワードは嘘だらけって事ですか?

西尾:
嘘が多い、というよりは本当の事を言うと人が採用できないためにキレイに見せるのはあります。嘘をつこうとしてつく人も中には多少はいるとは思うけど、みんな嘘だと思っていない、という認識があるのが見破れない理由ですね。

宮地:
語弊があるかもしれないですけど、会社って良くも悪くも宗教チックな部分がやっぱりありますよね。そこに染まる、っていうか。自分の色を知らない学生ほど良くも悪くも染まりやすいので注意して欲しいところなんですけどね。

西尾:
仮にその不完全さも含めて呑み込める会社が選択肢にあるとしたらまた別ですね。でも入ってからそれに気づくと会社に対してストレスは溜まるし、
そもそも仕事が楽しく無くなっちゃいますね。

宮地:
分かります。自分の譲れる部分と譲れない部分は必ずコンセンサスを得た方が良いですよね。それをしないのは企業にとっても失礼ってくらいに考えてます。何の為に就活をしているかを忘れずにコミュニケーションを取って欲しいですね。


学生:人事が面接で評価するポイントとは?

宮地:
これは割と僕だけかもしれないんですけど、
ポイントの前にそもそも合否は大体5分~10分で決めてしまってますね。

西尾:
5割の人事は第一印象の最初の発言で決めてしまっているのが親密で、
1時間あって決定まで持ち込むっていうのはめっちゃ少なくて約5%くらいしかいないらしいですよ。

宮地:
ファーストインプレッションは本当に大事ですよね。それはオンライン上でも重要度は変わらないと思いますね。

西尾:
ファーストインプレッションもそうですが、結局「人として一緒にいたいかどうか」っていうのが大きいかもしれませんね。

宮地:
僕らもそこは重視しますね。どうしたって面接はお互い取り繕う結果にはなると思いますのでその人の話を聞いて一緒に働きたいかどうかは大切ですよね。


学生:カメラ目線だとコミュニケーションが取りにくいんですが、
やはりweb面接でカメラ目線は意識した方がよいですか?

宮地:
僕個人としてはあまり重要ではないかなって思っています。
というのも人事もカメラ目線あんまり意識していないんじゃないかな…。
人事側もみてないし、相手の顔みてるし。オンラインセミナーとかみても一切カメラみてない人もいるくらいですからね。

西尾:
そうなんですね。僕は自分の顔をそもそも見たくなかった系なので、
カメラはあんまり見ていないですね。面接での重要度もそんなでもない気がしています。

学生:お二人が就活生だったとしたら今この状況でどう工夫していきますか?

宮地:
オンライン選考でそもそも人事側がまだ慣れていないのもあり学生の方が場数としては踏める気がしているんですよね。だからやっぱり行動数はめっちゃ意識するかな。

西尾:
さすがですね。僕のはちょっと我流すぎて参考にならないかもしれないけど、例えば不況後に伸びた企業の特徴とかビジネスをめちゃくちゃ調べるかな。そこ分析して自分の勝ち筋を見つける作業に時間は割きたいかな。

宮地:
それすごいセンス良いですね!しかも人事に伝えたらそれ凄いウケそうだし。(笑)間違いなくやらない学生が多いから差別化が凄く測れそうですね。

西尾:
うん、キャッチアップをちゃんとして大人と議論しようとする姿勢を見せることが大事だし、何より自分が生き残る術を自分で理解しておきたいので。


学生:オンラインが主流になるにあたって学生からも直接的に情報をキャッチする為にした方が良い工夫は?

宮地:
webだと確かに分かりにくいもんね~。質問ベースだと取り繕っている感も出てしまうので座談会を開いてもらうとかが話が早いんじゃないかな。

西尾:
それも確かにいいですね!
でも印象がそもそも良くないと座談会すらセッティングして貰えないですよね?だから質問ベースでいくと「御社の中でもっと良くしたいと思う部分ありますか?」って聞くのがいいかも。
親切な人事だったら課題を話してくれると思うから、課題からその企業の雰囲気って割と感じられるし、自分の基準とすり合わせが出来るよね。

宮地:
聞き方によってはその質問自体「生意気」ってとられる可能性もありますよね。(笑) 質問する際にはタイミングとか言い方をちゃんと吟味した方がいいですね。

Term4「キャリアと未来」

宮地:
まず今後として、営業はインサイドセールスが強くなってくるかなって思っています。その背景としては新規開拓でゴリゴリというより、需要への対応力というところに比重がかかるのは目に見えてますからね。

西尾:
そうですね、そこでいうとCSとかも強化されますよね。
CSっていうのは例えばウチだったら採用系のサービスだから企業の採用成功を支えるために、様々なサポートを担当する仕事なんですよね。正直、色んなサービスの開発ハードルが下がる中で、開発者と同じくらいサポートの質でクライアントの満足度は変わってくるので、このポジションはかなりアツいですね。ここでちょっと質問ももらいましょうか。


学生:コロナによってスキルが今後より重要視されるとありましたが、
やはり人当たりも重要ですか?

西尾:
営業会社だったら優先度は高いままだと思いますが、他の会社だったら最優先でなくなるかも。特にリアルでの人当たりよりもチャットコミュニケーションの人当たりの方が重視されたりね。
ただ、仕事は人間関係で構築されているので、社内コミュニケーションとして一緒に仕事していくのは厳しいとなったら採用は難しいかもしれない。
だから結論としては優先度としては下がるけど、重要なままである事もまた変わりないですね。

宮地:
営業が少なくなってもいなくなることはしばらくないので、人当たりを完全無視するということはまだまだなさそうですね。

学生:質問です。改めて、これからの企業選びにおいて大事な事とは?

西尾:
素直に答えると「自分の直観」を信じて良いと思う。
どれだけ考えても間違うこともあるし、大学3年生、4年生時点での直観なんて後からいくらでも「間違ってたな」って認めることが出来る。
大事なのは、自分の選択が間違う可能性があるという前提を持てるかどうか。そのうえで合ってたらラッキーだと思えばいいし。

宮地:
西尾さんは早い段階の離職でしたが、直観が外れていたと?(笑)

西尾:
半々でしたね(笑)
人という側面では間違ってなかったけど、社風というものをあまりにも甘く見すぎていました。
「ここは合わないけど大丈夫かな?」という不安はあったので結局当たりっちゃ当たりだったんですが、なんとかなると思いすぎてましたね。


Term5「これからを見据えて」

西尾:
改めて、世界は今大きな転換期を迎えています。
これは誰も経験した事のない時代が来る事だと思って下さい。
こんな時だからこそ、出来るだけ本当の情報を自分で見極められるように
「誰から話を聞けばよいのか」、「どういう場所から情報を引っ張ってこれるか」を意識してください。

そして何よりこの状況を耐え忍んで生きる、ではなくしなやかに生きていってください。

宮地:
せっかくなので、いつでも僕たちにも相談に来てください。
僕らも分からない事だらけですが、一緒にこのカオスを乗り越えましょう!


さいごに

本当はもっと多くの質問があったのですが、全て載せきれない事が非常に残念です。ですがそれは宮地さん、西尾さんの包み隠さない姿勢が学生に熱として伝わった何よりの証拠ではないでしょうか。

改めて学生のみなさん、本当にありがとうございました。
今回分かったように、真実と世の中の一般論は大きくかけ離れていたりします。だからこそ「しなやか」にこれからも頑張れるように、前を向いて下さいね。



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