イシューからはじめよ
著者:安宅和人
要約
#「それって本当にイシュー?」生産性の高い仕事とは
生産性の高い仕事は、イシュー度(問題に答えを出す必要度)と解の質(答えの明確度)の両方が高いものです。
一方世の中に蔓延る、とにかく量をこなし時間を費やす方法は生産性が低く、まさに犬の道に入り込んだ仕事といえます。
仕事とはアウトプット。
プロとして価値あるアウトプットをし続ける方法とは何なのか、本書で解説されています。
#イシュー(今本当に答えをだすべき問題)は解く前に見極めろ
仕事をする上で犬の道に入らないためには、まず「この仕事は何に答えを出すためのものなのか」を明確にすることが必要です。
以下の手順でイシューを見極めます。
情報集め(①一次情報を取りに行く②基本情報をキャッチアップ)※集めすぎない、知り過ぎないよう気を付ける
よいイシュー3条件(本質的な選択肢・深い仮説がある・答えを出せる)に当てはまるものを考える
深い仮説を立てる(常識を否定できないか、もくしは新しい構造的な理解ができないかを検討する)
仮説を言葉にする
#無駄厳禁!解の質を上げる方法
イシューの見極めができたら、解の質を高める作業に取り掛かります。以下の手順です。
1.イシューの分解
課題の全体像と取り組む優先順位が見えてきます。
分解の型:WHERE(どの領域で)、WHAT(どんな具体的な勝ちパターンで)、HOW(具体的な取り組みをどう実現するか)
分解したサブイシューにも仮説を立てることが必要です。
2.ストーリーライン作り
典型的なストーリーの流れ:
①必要な問題意識・前提となる知識の共有
②カギとなるイシュー、サブイシューの明確化
③それぞれのサブイシューについての検討結果
④それらを総合した意味合いの整理
ストーリーラインの型:空(課題の確認)・雨(課題の深掘り)・傘(結論)
3.絵コンテ作り
絵コンテ作りは、軸の整理、イメージの具体化、方法の明示の3ステップです。
定量分析の型:比較、構成、変化
分析の軸:原因側の軸、結果側の軸
分析の意味合い(比較による結果の違い)は、差、変化、パターンのいずれかがあります。
#正しい分析とは
いよいよ分析を始めます。
しかし、いきなり分析せず、まずは課題の前提確認と深掘りをし、洞察することが大切です。
分析の結果がでた時に留意しておきたいことは、都合のよいデータの見方はせず、正しく答えを出す見方をすること。
自分の仮説が正しいと言えることばかり集め、本当に正しいかという検証をしないのは生産性が低いからです。
質の高いアウトプットができる人は、仲間の圧力に左右されず、本質を見失わず希望的観測に頼らない、多くのやり方を持つのです。
#本質的でシンプルなプレゼン
必要な課題解決について正しく分析したことが、相手に伝わらなければ元も子もありません。
プレゼンをする際に大切なポイントを以下にまとめました。
・優れたプレゼン3ヶ条
┗①意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
②最終的なメッセージを理解してもらう
③メッセージに納得して、行動に移してもらう
・ストーリーラインの確認3点
┗①論理構造を確認
②流れを磨く
③エレベーターテストに備える
・優れたチャート3ヶ条
┗①イシューに沿ったメッセージ
②タテとヨコの広がりに意味がある
③サポートがメッセージを支えている
受け手は何も知らないと思って、明確なイシューをもとにムダなく伝えることが肝です。
学び
この本を読んで質の高い(バリューのある)仕事の全体像が分かり、仕事の意味を考える時はイシュー度と解の質に着目しようと思いました。
本質が聞けるようになったり、分かるようになったりすると、犬の道を回避し、解の質が上がるなと感じました。
また本書にあった「仕事とはアウトプット」という文章を見て、森岡毅の「会社は君の苦手克服にお金を払っているのではない」という言葉を思い出しました。
感想
これから私が目指す「よい仕事」「生産性の高い」とは何なのか、本質を知ることができ、良い指針になりました。
またこの本には図解が多かったので分かりやすく、今後もちらちらと見ては思い出し、自分に定着させたいです。
今の私には、まずは、この仕事は何に答えを出すためのものなのかを、上司に聞いたりしながら明確にできるようになることが必要だと感じました。
また、一次情報を取りに行く行動はすぐに取り組めると思ったので、現場に足を運んでヒアリングするなどしたいです。
そして本書にあった、時間をかけずに完成度60%を2回転、素早く回すことを意識して取り組みたいです。
これは「プレゼンは10割ではなく8割を覚えるべき」と述べられていた『自分を捨てる仕事術』とも通ずる方法だなと思いました。
また個人的に覚えておきたいのが、仮説を言葉にする際の3つのポイントです。(①主語と動詞を入れる②WHYよりWHERE、WHAT、HOW③比較表現)
上司に「この仕事のゴールってこれですか?」と尋ねる際や、商談でお客様に提案する際に実践していきたいです。
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