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基本情報技術者試験に受かった話~勉強法など~

こんにちは、チェ・ブンブンです。

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先日、基本情報技術者試験というものに合格しました。基本情報技術者試験とは、システム・エンジニアをはじめとしたIT企業勤務者が最初に取る資格のようなものです。経済産業大臣が仕切っている国家資格の一つで、大学生にとっては就活の時の武器になり、社会人にとっては転職の武器になる試験です。

合格率は平均20%くらいと、少し厳しいものがありますが毎年4月・10月に開催されるので、受験チャンスは比較的多い試験となっております。

私はシステム・エンジニアとして働いてきたものの、社会人3年目と遅めながらの取得となりました。今回は、受験の経緯から勉強法まで語っていこうと思います。受験を考えている方の良いアドバイスになればと思います。

受験動機

※長文なので、読み飛ばしてもらって結構です。

実は、2回この試験に落ちており、今回3度目の正直で取りました。余程の理由がなければ、毎回5,700円ものお金を払って3回も受験しないはずです。何故、私がここまでして取得したのかには理由があります。

それはズバリ、社会人3年目となり、キャリアパスについて考えるようになってきたからです。

私は高校時代から、コンピュータには興味を持っていて、高校2年生の時にはアメリカに短期IT留学をし、大学時代には高校情報科の教員免許を取得する為に、プログラミングの勉強をしていたのですが、最初からプログラミングは嫌いでした。正直、訳が分からなかったのです。プログラミングは書いた通りにしか動かないというのは、十分よくわかるのですが、ある事をする為に必要なものを用意して、さらにその必要なものを用意する為に別のものを用意するという煩雑さにフラストレーションが溜まりました。

就活の時は、最初こそプログラミングやSEの道を避けていたのですが、120社近く落ちて、また就活時期が教育実習と重なっていたこともあり、焦りから途中でIT企業を受験するようになりました。実際に就活をして気づいたことなのですが、高校情報科の教員免許を採用している県はほとんどなく、やれ情報科教育だプログラミング教育だと叫ばれながら日本の教育現場は数学や物理の先生、あるいはただのパソコンオタクが教えているというひどい状況に幻滅しました。

それで今の会社に勤めているのですが、働いてみて、この仕事が自分に向いていないのではと思うようになりました。私の勤めている会社は120社以上落ちた末に入った会社としてはびっくりするぐらいホワイト企業です。会社の飲み会で、一芸を披露するようなこともないし、SNSを調べられることもない。土日祝日は完全に休みで、どんなに案件が炎上していても有給は取らせてくれる。基本的には、遅くても20時には社員のほとんどがいなくなる会社で、ボーナスも年2回もらえる。パワハラセクハラはもちろんない。

ただ、それだけに自分の仕事の遅さ、不出来さに幻滅してくるのです。コーディングの業務では、変数から変数を追っていくうちに頭の中がとっ散らかり、全く歯が立たない。文書は、毎回細かいところを指摘され、直行率が悪くてうんざりする。どんなに用意していっても、論理的に詰められて差し戻しを食らってしまう。上司や先輩の話は論理的で反論のしようもできないぐらい完璧で、言葉も常に正確な言葉を使っている故に話が噛み合わない。何故、環境設定書・環境設計書みたいに紛らわしいドキュメントが多いのに彼らは間違えないのか。だんだん自分に自身がなくなり、間違えようがない場所でもミスをし、先輩から怒られる。先輩も、論理的思考が空気を吸うようにできるので、それができない自分を理解してもらえない。自分も、論理的過ぎる先輩や上司のことがよくわからなくなる。そして自分の記憶ではそこは間違っていないはずなのに間違っていることが頻発するようになり鬱になっていきました。

最近、プロジェクトマネージャーに昇進したのですが、何が正しくて何が正しくないのかが分からなくなり、時折パニックになったり、言葉が吃って先輩に何も受け答えすらできなくなることもある。教えることは好きで、後輩指導は得意。後輩との仲は良好なのですが、新人教育はなかなか挑戦させてもらえない。このままだと精神的に自分が潰れるなと思いました。

こうして本格的に自分のキャリアを見直すことになったのです。

そう考えた際に、一つ、転職という手が脳裏をチラつきました。ただ、今このまま離職しても、何も武器がありません。既に就活の時の苦労があるので、武器なしで転職活動しても厳しいことは目に見えています。

また私の特技である、物書きスキル、特に映画を観終わった頃には数千字の感想が脳裏にできている能力は転職では役に立たないであろう。私がブログを毎日書いているのもあれはあくまで趣味の範疇であり、普通の職業では全く役に立たないスキルである。

だったら、2回落ちた基本情報技術者試験に受かり武器とした方が良いでしょうと考えました。システムエンジニアで基本情報技術者試験合格者という轍を作っていることは十分武器になるはずだ。

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そして、来年から基本情報技術者試験は、出題見直しが行われ、午後試験における「データ構造及びアリゴリズム」と「ソフトウェア開発」の配点が合計40点から50点に引き上げられ、また点取り問題である「プロジェクトマネジメント」や「システム戦略」、「経営戦略」に関する出題が2問から1問に減らされてしまうとのことです。

私が受かるには今回しかないと思い受験しました。

※来年度からCOBOLが試験科目からなくなる代わりにPythonが受験できるようになります。

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結果はこんな感じです。午前67.50点、午後64.00点とギリギリでしたが合格することができました。午前問題は、出題傾向見直しが既に行われていたようで、やたらと理数系問題が多くて焦りましたが数学よりの問題でなんとかフォローしました(私は数学だけ得意で、物理や情報工学、統計数学になると急に苦手になる傾向があります)。

午後問題は、丁度C言語が、仕事でやっていた部分の出題だっただけに命拾いしました。

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今朝、郵便屋さんから賞状が届きました。正直、めちゃくちゃ嬉しかったです。

さて、そんな私の勉強法を書いていこうと思います。

教材

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教材に関しては、出題傾向見直しがあったとしても本2冊+受験言語に関する本1冊+受験対策サイトの4種類で十分だと思います。

1.基本情報技術者試験合格教本(技術評論社)

基本情報技術者試験はIT企業に務める人全般向けの試験なので、出題範囲が異常に広いです。ネットワークやハードウェアのことはもちろん、法律や経営に関することなど多岐に渡っています。それを網羅している本がこれです。これを最低でも5周は読み込み、問題文に出てくる用語が本のどの辺に書かれているか思い浮かぶようになるまでしておけば午前問題は大丈夫だと思います。

2.出るとこだけ!基本情報技術者 午後(翔泳者)

正直、資格試験の対策本はどの試験もそうですが何を使っても大したことないと資格ハンターである私は思います。大抵、本がダメだと言っている人は、しっかりその本を愛し読み込んでいない傾向があります。ここで、私が言いたいのは、午前と午後の対策本は別々に買った方がいいと言うことです。午前のテストに合格するのは簡単です。私は3回受験して全て合格しています。問題は午後で、午前問題の知識を応用させるだけでしょ?となめてかかると痛い目にあいます。というのも、どうやら基本情報技術者試験は偶然による正解を不正解とみなす傾向があり、大問の前半で間違えると、その後全ての問題がバツになる場合があるんだとか。だから自身があっても、何故か落ちていたりするのです。

私の場合、1回目は3日ぐらいしか対策しなかったら、全く歯が立たず撃沈。2回目は対策して受験したものの、どこかで大幅原点食らったようで落ちています。

3回目の受験もギリギリであることから、芋づる式に不正解を食らっていた可能性が高いです。さて、そんな午後問題対策本に選んだ『出るとこだけ!基本情報技術者 午後』は点取り問題であるSQLや、分かれば楽勝な計算、論理演算問題を例題つきで分かりやすく解説している本です。3回目の受験の時は、専らこの本を熟読して挑みました。

理系の問題が苦手な人も、最低限SQLと論理回路、決定表関係の問題は完璧にしておきましょう。それだけで合格率はグッとあがります。

3.受験言語に関する本1冊

上記の本には、ソフトウェア開発に関する対策は掲載されていません。もし、あなたがプログラミングを業務で行なっているのであれば、業務を通じて覚えていく方が効率良いでしょう。強いて言えば、受験言語に関する本を1冊読み込んで望んだ方が良いです。

私の場合は、仕事が忙しく、勉強時間があまり取れなかったので、業務しながらC言語対策しました。今回は奇跡的に、ロボット制御ソフト修正で学んだビット演算の知識が大活躍して勝利に導くことができました。

4.基本情報技術者過去問道場

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正直、一番効率のよい勉強法は、基本情報技術者試験の過去問をエンドレスに解くことができる基本情報技術者過去問道場を延々と解いていくことでしょう。午後問題の解説が弱いところが難点ですが、サクサク問題に挑戦できるので、昼休みや仕事の合間、休日にこれをずっとやっていました。私の職場は、勉強を仕事時間中にやることについて比較的寛容で、寧ろ自分には仕事に差し支えない程度に勉強しなさいと上司が言ってくださったので、積極的に勉強しました。

勉強方法

基本的に私の勉強スタイルは、とにかく教科書を読み込む。問題を読み込むところから始まります。ただ、まとめて時間をとって勉強するのが苦手な私は、昼休みや電車に乗っている時、隙間時間を活用して勉強していました。

基本情報技術者試験の場合、午前と午後問題は別々に対策する必要があります。午前中の計算問題もそうですが、比較的計算する問題が多いので、こういった問題の対策をする場合には落ち着いた場所でじっくり腰を据えて勉強した方が良いです。特に計算問題は、しっかりペンを使って書いて勉強しないと、ついつい勉強した気になって、本番パニックになります。

また、試験直前には実際に時間を測って模擬テストをした方が良いです。午前・午後2時間半ずつという長丁場ですが、午後は本当に時間がなくなります。

本番当日

本番は気を安らかに受験しましょう。前日は早めに寝て体調を整えることが大事です。午前は解けない問題があったら、チェックつけて飛ばす覚悟でとりあえず一通り解きましょう。その後に厄介な計算問題や紛らわしい問題をじっくり解くようにすれば遅くても30分前には終わらせることができるでしょう。

午後は、解き始める前に、一通り問題をチェックし、簡単そうな問題をチェック入れておきましょう。ソフトウェア開発問題は、受験言語と一応表計算ソフト問題を比較し、受験言語が難しすぎる場合は表計算ソフト問題に逃げることを念頭に入れて臨みましょう。

基本的に、午後問題は中学受験・高校受験の国語問題に近いと言えます。いかに自分の先入観や常識に囚われず、膨大な文章の中に隠されたヒントを組み合わせて論理的に解いていくのかがコツです。私は論理的思考が非常に弱かったのですが、じっくりと文章1行ずつ読み込み、答えを探していきました。

受験をおえて...

試験に合格したので、直属の上司に報告したら喜んでもらえました。ただ、私の会社は、資格手当がないんですよね...。丁度、社内規則の改定時期だったので、物申してみました。ただ、苦手な先輩からは「資格手当てなんて給料泥棒だよ。仕事ができるかどうかでしょ?」と飲みの席で言われ、やはり溝は深いままだなと思いました。また、最近のビジネス戦略をみていても、このままぬるま湯のような環境にいたところで、ジリジリ凋落していくだろう。頭の片隅に自分のキャリアパスを思い浮かべないと、いずれ痛い目を見ると思いました。

転職するかはさておき、一つ武器を手に入れました。2020年代はインドネシアが躍進し、グローバルビジネスの中心になってくるというので、キャリアの幅を広げる為にインドネシア語検定でも受けてみようかな?

というわけで、来年以降受ける方の健闘を祈ります。


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