見出し画像

地理好きの多摩ニュータウン周辺街歩きのススメ

 「#地理が好き」というNoteのお題に引き寄せられて投稿します(笑)。

 私は小さい頃から鉄道少年で、電車の図鑑や時刻表が愛読書で、漢字を覚えたのは、学校ではなく時刻表で覚えた、と言っても過言ではありません。小学校中学年くらいで、「長万部(おしゃまんべ)」「音威子府(おといねっぷ)」みたいな、普通の人なら絶対に読めない地名(鉄道少年には有名な駅名だったりする)がスラスラ読める、立派な鉄ちゃんに育っていました(笑)。

 そんな私が、同じく愛読したのが、地図でした。道路地図を読み、時刻表に載っている駅名や、地名、国道の名前などを覚えていて、地理はすっかり得意科目になっていました。道路地図なので、新しい地図にはどんどん新しく開通する高速道路などの情報が追記されます。それを楽しみに地図を読んでいた、子供時代でした。(今から考えると、どんな子供やねん、と思いますが(苦笑)。)

 地図というものは、今だけでなく、古い時代を記録してくれているのも、大きな魅力だと思います。大学生の時に出会った本として、大沼一雄さんの「日本列島地図の旅」があります。この本は、地理的に面白い場所を選んで、新旧の地形図をいくつか並べて、その土地の変遷を追いかけて、その土地の成り立ちを知る本です。街歩きをするときに、その土地の成り立ちを知りたいと思うような本です。

今は、インターネットで情報が容易に手に入る時代になりました。Google Earthでいつでもバーチャルツアーに出かけることができるようになりましたし、埼玉大学の谷先生の力作である、「今昔マップ」を使うと、いつでも古い時代の地形図と今を比較することができる、ぜいたくな時代になりました。

さて、前置きがものすごく長くなりましたが(笑)、本題である、地理好きがおすすめする、多摩ニュータウン周辺の散策スポットの紹介に入りたいと思います。まずは、表紙の写真にある、「多摩丘陵」というバス停。この地区全体を指す名前が、なぜかこんなマイナーなバス停についているのかが不思議な場所です。こんな名前のバス停だと、田舎のバス停を連想しますが、ご覧の通り10系統が発着し、頻繁にバスが通る停留所です。

画像1

次に紹介するのが、このバス停からもそう遠くないところに建つ、「都立多摩丘陵自然公園」の石碑です。自然公園と言いつつ、後ろは建設会社の用地のようになって仮囲いで囲まれていて、国道16号から少し離れた場所にポツンと建っています。ここは、昔は国道16号の八王子と橋本の間にある「御殿峠」の頂上への入口だったところ。このあたりがかつて景勝地だった名残なのです。

画像3

次にご紹介するのは、八王子市民ならご存じの方も多い「絹の道」ですが、メジャーな絹の道を案内するのは別の方にお譲りするとして、ここでは、そこに建つ「道路改修記念碑」を紹介します。昭和59年につくられた、「巌耕地道路改修委員会」が設置した記念碑。このような記念碑が、多摩丘陵のあちこちで見かけることができます。昔は車がまともに通れる道が無く、往来にも苦労した丘陵地が、道路ができることにより発展したことを感じることができる記念碑です。

画像3

これは、大栗川の旧河道の跡です。ニュータウンなどの宅地化により、大栗川や大田川のようなこの地区を流れる河川は、浸水リスクを減らすために断面が広げられ、拡幅されました。その際に従来流れていた旧河道をそのまま残しているエリアと、河川改修とともに区画整理事業で整地されたエリアが混在しています。旧河道は、昔はこんな形に川が流れていたことを思わせてくれる場所です。

画像4

最後に紹介するのが、ニュータウンの上柚木地区の中にある、湯沢歩道橋と、犬吠池歩道橋。昔は谷戸の最上流の丘の上で、人も住んでいない土地だったようで、昔の地図にも何も残っていない場所ですが、(下の地図の学校の左側と右側に架かる橋)地図にも残っていない地名を、ニュータウンの橋に残してくれた設計者は、よほど地理が好きというか、昔の地名にリスペクトを込めてくれていたのではないかと思います。そういう思いを知りながら、街歩きをすると、とても楽しいのではないかと思います。(※この思いが共感できたら、間違いなく地理マニアだと思います(笑))

画像5

画像6

画像7

【終わりに】
 地理をテーマに、多摩ニュータウン周辺の街歩きのことを書いてみました。まだまだ紹介しきれないところがいっぱいありますが、詳細は下記のマガジンにも書いていますので、もしよければそちらもご覧ください。
 地図は生き物なので、描かれている街も常に変化していきます。その断片を捉えた地図。過去の地図との比較で成り立ちを知るなど、街歩きの楽しみは尽きないと思います。

#地理がすき

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?