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【南大沢土木構造物めぐり】No.110 オリンピックのレガシーロード

「南大沢土木構造物めぐり」のマガジンを気が付いたら10か月近く更新できていませんでした・・。地元の街歩きを全くしていないわけではなかったのですが、最近は都心部を歩く機会が増え、街歩き等のガイドを務めたり、いろんな土地に出かけた際に街歩きしたレポートを書いたりと、なかなかこの地域での活動を記事にする機会が少なくなってしまって・・。という状況でしたが、今回は久しぶりに書きます!

12月3日(日)に開かれた、「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2023」という自転車ロードレースが、南大沢にやって来ました。それを見学したことを書きたいと思います。

■「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2023」について

この自転車ロードレースは、2020東京オリンピックの際にコースとなった、東京都多摩地域の公道と、さらに昔の1964東京オリンピックの際にコースとなった、八王子市内の公道をコースに組み入れた、公道を走るロードレースです。ある意味、オリンピックのレースの再来、という感じのレースでした。

道路という「土木構造物」を利用して繰り広げられるレース。アップダウンや線形を利用して、レースが展開されることを考えると、土木の世界と密接に絡んでいるということと、2年前に開催された、東京オリンピックの際に、コース案内の街歩きをし、さらにはそのレースの行方をネット中継で楽しんだ時、沿道の様子をライブ中継したのが、ある意味バーチャルツアーのような感じで楽しかったので、自転車ロードレースって面白いな、土木の世界と実は近い存在だな、と思っていたところなのでした。

2021年に、サイクリングコースを辿った街歩きの記事は、こちらです。

そして、オリンピックの自転車競技を観戦し、その魅力を書いたのが、こちら。

当時は無観客での開催で、間近で見ることを控えたので、今度は是非近くで見たい!と思い、沿道に立ちました。

今回のコースルート。オリンピックでスタート地点だった、
武蔵野の森公園が、逆にゴールとなるルートです。

■多摩ニュータウン通りで観戦

多摩ニュータウン通り。既に東行き車線は通行止め。
側道に誤進入を防止するカラーコーンも設置完了。
先導するパトカーなどが時折通ります。
自転車レースは速度が速いので、マラソンとは違い、スピード感が違います。

そして、まずは女子のレースが通過。一瞬のうちに走り去りました。

続いて、男子のレースが通過。こちらは通過した選手の数も多く、通過した時には大きな風が吹き抜けた感じがしました。この風圧に耐えながら皆さんレースをされているのですね。なので、空気抵抗を皆で防ぐための、チーム戦が繰り広げられるのですね。

男子のこのレース、まさにこの南大沢付近で先頭集団から飛び出すようにレースを仕掛けた3人の中にいた、兒島直樹選手が逃げ切って優勝しました。

■オリンピックのレガシーとなった道路

記事の中でも、「尾根幹はホームコース」などと書かれています。稲城市の土木学会田中賞を受賞した「くじら橋」付近には、「オネカン戦士 ペダリオン」というキャラクターがいて、このあたりはある意味、自転車ロードレーサーには聖地のような場所になろうとしています。

くじら橋と、尾根幹線と、ペダリオン。(2021年11月撮影)

そんな感じで、地元の道路が、自転車愛好家にとって「聖地」のようになるのは、とても嬉しいことです。オリンピックの時には、神奈川県の相模川に架かる選奨土木遺産の小倉橋が自転車ルートになり、コンクリートの斜面に大きな五輪のフラッグが掲示され、ある意味聖地のようになっていました。

新旧小倉橋と、五輪のフラッグ(2021年7月撮影)

そして、今、少しずつオリンピックの記憶を残す取り組みも進んでいるようです。

多摩境駅に向かう橋の下に、ひっそりと掲示されているのは・・、
多摩境駅前の橋の下に掲示された、オリンピックの記録。
そして、付近の多摩ニュータウン通りに掲示されているのは・・、
TOKYO2020の記念に1kmごとに設置された標示です。
こういう交通規制の看板も、今となっては懐かしい存在!?

■終わりに

地元で開催された、オリンピックで使用されたコースを辿るロードレース大会。多摩ニュータウンエリアって、自転車競技者にとっては「いつもの練習場所」であったり、親しみを持てる場所になっているようで、とても嬉しい感じがします。公道を使ったロードレースは、痛ましい事故なども起きているので、安全面では気を遣う必要があると思いますが、こういう貴重な経験を伝える上でも、是非続けていくのが良いのではないかと思いました。

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