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【東京オリンピックの記憶】地元に世界の自転車ロードレースがやってきた

東京オリンピックは、新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかかっていない状況で開幕し、異例の無観客開催となりましたが、連日熱戦が繰り広げられており、どの種目もテレビ観戦していても見入ってしまうものばかりです。選手の皆さんは、引き続きベストを尽くして美しいプレーを魅せ、思う存分自分の力を発揮してほしいと思います。

そんな中でも、自転車ロードレースが、私の住む多摩ニュータウン・南大沢にやってきました。私の自宅は、自転車ロードレースが遠巻きながら眺められる場所にあります。本来なら、沿道に出向いて近いところで選手たちを応援したかったのですが、観戦自粛の案内が出ているので、自宅からレースを応援することにしました。自宅から観戦した際の写真や動画はご紹介することはできませんが、自宅から、世界のトップ選手たちが競う自転車ロードレースを生で観戦することができたのは、本当に素晴らしいことだと思いました。

今回、地元にやってくる自転車ロードレースを楽しむために、事前に八王子市内のルートを紹介する記事を書きつつ、コースとなる多摩ニュータウン通りを歩きました。選手はあっという間に通過してしまうので、なかなか景色等が印象に残らないだろうと予想し、なるべく地元の風景を入れて紹介したつもりでしたが、少しうれしい誤算があったと思いました。

今回の自転車ロードレース、テレビでの生中継等は無かったのですが、インターネットでライブ動画による中継がありました。その中継も、日本語解説は一切なく、国際映像で、英語による実況解説があるだけでしたが、この中継が本当に秀逸で、レースの映像はもちろんのこと、地元・多摩ニュータウンだけでなく、沿道全体の映像をヘリによる空撮と中継車(バイク)による映像と、定点カメラの映像を組み合わせて、それは素晴らしい中継をしていました。結局、男女のロードレースの中継をほぼ全部見てしまいました。
その画像、期間限定と思われますが、今はまだ下記のサイトで見ることができます。見逃した方、是非ご覧になってみてください。

【男子ロードレースの模様】

【女子ロードレースの模様】

このレース、出場選手も、男子はオリンピックの1週間前には、世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスを走ったメンバーがオリンピックの地で死闘を繰り広げました。コースも、最初の10kmのパレードコース上に、府中市の大國魂神社の境内を駆け抜けたり、美しい多摩ニュータウンの橋や、相模川の小倉橋、道志みち、山中湖、富士山麓など、変化に富んだ美しいコースを本当に素晴らしい国際映像で紹介しながら、興味深いレースを眺めるという、至福のひと時を過ごしました。レースの模様は、何人かの方が良い記事をまとめてくださっているので、その記事に譲るとしましょう。

ネット中継を見ながら、SNSに投稿してライブ感を味わいながら、バーチャルツアーを楽しみました。自転車レースの撮影クルーも、本場欧州から来ていたようです。バイクに乗りながらぶれない映像を撮り続けたり、美しい空撮が撮れるスポットや、日本らしい映像を逃していませんでした。ネットキャプチャですが、いくつか紹介します。土木屋的にも、唸りたくなる映像が撮れています。

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男子、武蔵野の森公園をスタート。

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府中の大國魂神社の境内。神主さん、巫女さんがお出迎え。外国の自転車ファンも驚いたのでは。

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多摩ニュータウンに入り、稲城市向陽台の上り坂。みんな坂を登るのに苦労しているように見えたのですが、実は先頭の選手たちが集団から逃げたい選手を多く出さないように通せんぼしていたそうです。(NHKのBSで放送していた解説付きの放送でそう言っていました。)

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稲城市内の多摩ニュータウン、くじら橋。土木学会田中賞受賞(1997年)作品です。

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ニュータウンの団地内にオリンピックレースが繰り広げられる光景、やはりすごいと思います。

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相模川の土木遺産・小倉橋を渡る際には、新小倉橋とのツインブリッジがしっかりと紹介されていました。河岸段丘の擁壁に「Tokyo2020」の大きなフラッグが掲げられていました。自転車愛好家にはたまらない光景かと思います。

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山間部の美しい橋を通ると、必ずと言っていいほど空撮してくれます。普段見ている光景をヘリ映像で楽しめるような感覚もあったのではないでしょうか。

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山中湖畔に、富士山麓。どこも映像が美しいです。本場の撮影クルーは、美しい風景をとらえるのが本当にうまい。

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フィニッシュになる富士スピードウェイを、男子は3回通過しました。車でなく自転車で通ると、起伏の大きさに気づかされるレースコースなのですね。

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最後の難関、三国峠。最大勾配が18%くらいある峠だとか。疲労が蓄積した選手にとっては本当に過酷な道です。景色は本当に素晴らしいのですが。。

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これは女子のレースの映像。小倉橋のところにかかる巨大フラッグ。

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道志川のを走る女子のレース。

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山中湖では、白鳥の遊覧船が映し出されていました。海外の人も、「おーすごい!」と思ってくれたでしょうか。

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レースのクライマックスに突如として現れる、ランドアバウト。土木屋的には、おお!と驚くような場所です。
女子のレースでは、パレードコースから逃げていったオーストリアのキーゼンホファー選手が逃げ切って優勝。プロチームに所属しない数学者のポスドクだとか。本当に数多くのドラマが展開されました。

【ロードレースの聖地、小倉橋を訪問】

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今回の映像を見て、是非撮影しておきたかったスポットに行ってきました。先ほどの国際映像にも映っていた、相模川に架かる小倉橋の津久井側に飾られた、巨大な自転車のTokyo2020のフラッグ。これだけ大きなものだったので、ロードレースを闘った選手たちにも印象に残ったことでしょう。訪れた場所で記念撮影するアマチュア自転車愛好家も少なからずいました。県境をまたいでロードレースを開催するのは、日本国内では都道府県警察の垣根を越えられず、これまであまり例がなかったそうです。箱根駅伝のように、マラソンや駅伝では例があるので、これを契機にこのコースが自転車のレースの聖地になったら面白いかと思います。

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【終わりに】
東京オリンピックの自転車ロードレース、無事に地元・南大沢を駆け抜けていきました。せっかく地元に来るのだからと思ってネット観戦した動画に魅了され、また、日本人選手の活躍を応援するためにSNSでも交流し、オリンピックの楽しみ方としては、非常に味わい深いものがあったと思います。

男女2人ずつ日本人選手が活躍し、見事に4人とも長距離のレースを完走できたことは賞賛に値すると思います。本当に素晴らしいレースをありがとうございました。その中の1人、與那嶺恵理さんですが、大会前に自転車レーサーがよくかかるといわれているイリア・アーダリー・エンドファイブロセス(腸骨動脈内繊維症)を発症したり、遠征先のオランダで日本に帰国する直前に大洪水に遭ったりとアクシデントを経験しながらも、レース終盤までトップ争いをする最高のレースを繰り広げていました。

2年前のラグビーワールドカップもそうでしたが、今回も地元に世界レベルの選手が来るという空気を身に感じたというだけで、非常に貴重な経験をしたと思えます。これを契機に、多摩ニュータウンが自転車ロードレースの聖地となり、また同じようなレースが開催されることがあっても良いかもしれません。その時は、もう少し近くの沿道でお迎えしたいと思います。


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