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★京都で街歩き★③:祇園祭を楽しむ

7月16日、祇園祭の宵山が開催された日に、京都の街歩きをしました。夕方からは、提灯がともり、祇園囃子が流れ、歩行者天国が始まりますが、人出が多くなりそうでもあるので、夕方ではなく、昼間の祇園祭を楽しむこととしました。これまでに、梅小路から島原を通り、西本願寺を巡り、堀川五条を通り過ぎて、いよいよ祇園祭の山鉾が建ち並ぶエリアに向かいます。
(前回の記事はこちら)

■油小路通を北に向かう

油小路通を少し北に歩くと、とても古そうな建物が。
何だか石碑が建っています。
山本亡羊読書室旧跡 だそうです。

山本亡羊は、18世紀末頃に活躍した本草学者(薬学)で、この地に読書室と呼ばれる私塾を作っていた旧蹟のようです。町に歴史あり、ですね。

家の壁に、愛宕山の火の用心のお札が貼られています。
昔私の実家の中にも貼ってありました。京都に来た、という感じがします。
ここは、下京雅小学校。もともとは、「醒泉小学校」が建っていた場所です。
前回紹介した、淳風小学校と合併して作られました。

京都市内中心部においては、江戸時代まで京都にあった、昔の「町組(番組)」という地域コミュニティ単位で小学校が作られています。町組は、自治組織として機能していて、京都の中心市街地には、「淳風学区」のような地域コミュニティが根付いています。小学校は、まさに行政組織の中心的存在として機能していました。学校の名前も、「淳風」「醒泉」「格致」など、格式高い名前が付いています。

■いよいよ、山鉾が建つ町へ

山と鉾が建つエリアに来ました。一番西南にある、太子山から探索開始です。このあたりは、静かに祭の雰囲気を楽しめる場所です。

油小路高辻交差点。いよいよ「車両通行止め」の標識が出てきました。
太子山の町内に入ります。祭り専用の道路標識が出たり、
道路に提灯の差込口があったりと、祭りのための工夫がされた町です。
ここは、旧・格致小学校を利用した交流スペース。
閉校してから30年が経ちますが、いまだに健在です。
これが太子山です。昼間の山鉾めぐり、ゆったりと眺められるのが好きです。
こちらは、油天神山。別に「霰天神山」もあるので、
油小路にある天神山という名前でしょうか。
こちらは、木賊山(とくさやま)です。
地名が、「京都市下京区仏光寺通西洞院西入木賊山町」です。
山鉾の名前が地名になっているのですね。
今のGoogleマップから。これを見ているだけでも
「蟷螂山町」「月鉾町」「菊水鉾町」「函谷鉾町」
「芦刈山町」「船鉾町」「鶏鉾町」「木賊山町」
「太子山町」「岩戸山町」がありますね。
古そうな呉服商がありました。さすがに古い建物も見られますね。
仏光寺通を東へ歩くと、「菅公邸」「天満宮降誕之地」の文字が。
ここは先ほどの地図の「菅大臣町」です。
なかなか味わい深い路地を歩きます。
菅大臣神社。もともと菅原道真公の生誕の地で、邸宅があった場所とされます。
岩戸山にやって来ました。岩戸山は、上に人が乗る山です。
新町通は、出店も出ていて、少し賑やかな場所になりました。
見送りの装飾が展示されていました。美しい刺繍が施されています。
郵便番号600 新町通仏光寺下ル岩戸山町の町名表示を発見。
地元百貨店・フジイダイマルのロゴが懐かしいです。
こちらは、船鉾。船の形をした鉾です。
学生時代に山鉾巡行で鉾引きをした経験があります。
その当時以来、実に久しぶりに鉾を見ました。
四条通に出てきました。宵山の歩行者天国の時間帯には
すごい人出になりそうな場所です。
四条通の北側の、菊水鉾にやって来ました。

菊水鉾に来ました。ちまきを買えば、この鉾には登ることができるようなので、実家の玄関飾りとして買って帰ることにしました。

菊水鉾のちまき。これは食べられるものではなく、
京都の民家の玄関飾りになるものです。実家に買って帰りましょう。
そして、菊水鉾に登るための拝観券をゲット。
宵山の時間帯は、囃子方が鉾に登るため、一般人は昼間だけしか登れません。
鉾には、隣接するマンションの2階から橋が架けられます。
マンションの2階が、鉾のためにラウンジになっていて、バルコニーが特別な
構造になっています。やはり鉾町ですね。
向かいのマンションも、山鉾のためのスペースがあるようです。
この地区は、お祭りがコミュニティの中心なのですね。
四条烏丸交差点へ。信号・標識などは、山鉾巡行の際にくるりと回転して支障しないように
工夫されています。市電が走っていた頃は、電線を撤去・復旧していたとか。

■祇園祭と市電の記事■
https://kyotolove.kyoto/I0000079

祇園祭のシンボルともいえる、長刀鉾。山鉾巡行で必ず先頭を巡行する鉾。
昼までも多くの人が見に来ています。
こちらは、函谷鉾と市バスの共演です。
綾小路通に来ました。ここは、本居宣長が学んだ塾があったようです。
綾傘鉾。傘の形をした鉾です。
それぞれの鉾町に、山鉾に載せるご神体を祀る場所があります。

山鉾を巡る街歩き、人の多い四条通近くもいいですが、個人的には少し離れた山などの、ちょっと落ち着いた雰囲気の場所で楽しむのも、祇園祭の味わい方とすればおすすめなのではないでしょうか。他の山鉾から離れたところにある、保昌山に行ってみましょう。

保昌山。一番南側の少し離れた場所にある山です。
子どもたちの「ちまきどーですかーー」という掛け声とか、結構好きです。

■帰り道に、東本願寺へ

祇園祭の山鉾のある町を巡った帰り道に、東本願寺に寄り道しました。前回紹介した西本願寺と対をなすお寺です。こちらは真宗大谷派のお寺です。

烏丸通の周りは、市民広場をつくるために車道が閉鎖されました。
どんな広場ができるのか、楽しみなところです。
こちらも立派な御影堂門があります。
東本願寺も、とても大きな御影堂が美しいです。
京都タワーや京都駅から徒歩圏内にある、大きなお寺です。
慶讃法要まで252日を示す看板。親鸞聖人ご生誕850年、立教開宗800年記念祭だとか。
烏丸通も、東本願寺を迂回するようにクランクしています。
烏丸通は、京都から奈良・和歌山を結ぶ国道24号線です。
そして、京都駅まで歩いて戻ってきました。
3連休初日、宵山を迎える京都駅は、賑わっていました。

■終わりに

久しぶりに実家のある京都に帰省し、そこで学生時代に見て以来の祇園祭を味わうことができました。

この日の夕方以降に宵山、また翌日に、山鉾巡行が行われました。山鉾巡行の模様は、こんな感じだったようです。一度船鉾を曳くことに参加したことがありますが、登り坂の鉾は想像以上に重たく、動かすためには、エンヤラヤーという掛け声に合わせて一斉に鉾を引っ張る必要があり、ずっと曳くのは持久戦と言う感じでした。懐かしい思い出です。

以上、祭りムードの高い京都からでした。

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