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■八王子・小仏を歩く:③蛇滝口から小仏バス停まで

八王子市内の高尾から小仏までのウォーキング。旧街道と中央本線、中央自動車道、南浅川(小仏川)が平行する、土木街歩きという視点ではとてもディープで楽しすぎる街歩きスポットです。前回は、八王子ジャンクション周辺を歩きました。今回は、さらに奥へ、小仏バス停を目指します。
(前回の記事はこちら)

今回の探索範囲を改めて1970年代の地図で確認。
裏高尾町の「摺差」「小仏」という集落の名前が付くエリアです。
静かな集落の背景に、驚くくらいの高い橋脚。
このアンバランス感がここの風景です。
摺差バス停。何だかこの狭さがいいです。
裏高尾増圧ポンプ所。さらに上流に送水するためのインフラ施設。
こういう施設がくまなく設置されていることに感服です。
のどかな郷の風景の背景に、法面工、中央本線、中央道の橋があります。
何だか池を発見、と思ったら、こんな場所に釣り堀が。
少し歩くと、ちょっと山がちなスポットに。
バスが離合しようとしています。
日影バス停。ハイキング客をたくさん乗せ下山するバスとすれ違い。
20分毎の運転ですが、2台ずつ連行しての運行です。
日影バス停を越えると、細くなります、と自己主張する看板(笑)。
2台のバスが連なって小仏バス停に向かいます。
橋の名前は、小下沢橋です。
「こげさわばし」と読むようです。
南浅川、旧甲州街道、中央本線、中央道、そして山。
うーんいいショットです。
小下沢を貫く鉄道橋は、古くからのレンガアーチ橋でした。
昔から変わらないのでしょうか。
中央道の下には、仮設構造物の姿が。
渋滞の名所、小仏トンネルとその前後の改良工事が進んでいます。
ここから、日影沢林道が分岐します。
ハイカーにとっては、少し知られた高尾登山ルートのようです。
左:日影沢、高尾山 明るい社会を築こう という石碑。
もう少し奥に行くと、クランクしていることを示す標識が。
そして、現れたのは、旧甲州街道と交差するレンガアーチ橋。
今回の探索のクライマックスといってもいいでしょう。
クランクしているので、肩の部分に車が接触した痕でしょうか。
いやー、なかなか素晴らしい風景ですね。
水路と道路を跨ぐレンガアーチ橋です。
大下バス停。次は、終点小仏、という場所です。
道路が急勾配で峠に挑み始めようとしているのに対し、
一定勾配の鉄道が、ようやく高さを並べました。

この近くに、昔は単線時代に列車のすれ違う場所として、「小仏信号場」が設置されていました。一時期は旅客列車も停車し、「小仏駅」と読んだこともあったようです。複線化されて利用客もわずかだったので廃止されたようです。今でも駅を「復活」させて、電車を停めたら、ハイキング客には人気が出る(平日の夜は「秘境駅」ムードたっぷりでしょうが・・)かもしれないですね。

小仏の集落に入りました。工事関係者がいるようですね。
小仏トンネル用の工事用道路の建設する工事のようです。
小仏トンネルの坑口が見えてきました。
上部に付いているのは、蒸気機関車時代の排煙施設等のようです。

坑口の上部には、古びた鉄塔が。そして、近くにあるのが、JR東日本の「高尾変電所」です。この区間(浅川(高尾)駅から甲府駅まで)の電化は昭和6年で、そのころから電気機関車を使った運転がされていたそうです。おそらく蒸気機関車で運転するにはよほど過酷だったのでしょう。排煙設備や古い変電所が物語っています。

高尾変電所。古くから電化されたので、昔からあるのでしょうか。
戦前と平成の地形図比較。高尾変電所に延びる送電線の姿が。
戦前は小仏峠を越える送電線、今は南から北に延びる送電線が来ています。

中央本線の当時の旅の様子を描いた新聞記事を発見。小仏トンネルは勾配が40分の1(25パーミル)と他のトンネルより急勾配で、機関車のばい煙や車輪の空転などに悩まされていたそうです。電気機関車の採用は悲願だったのでしょうね。

この区間は、非電化の断面で作られたトンネルを無理やり電化したため、車両限界が他より厳しくなっています。昔はこの区間を通過するために低い屋根の電車が作られていました。今も、この区間が通過できる車両の形式番号に「◆」が付くなど、工夫がされているようです。


中央本線がトンネルに入り、いよいよ街道は急坂に。
中央道の小仏トンネル増設に向けた工事用道路の仮設構台が見えます。
小仏バス停に到着。高尾変電所に隣接した広い平場です。
大型バスが転回する場所です。
小仏峠2.5㎞という案内標識。高尾駅から5km歩きました。
大きなトイレ等もあり、ハイカーの基地となる場所です。
小仏バス停。休日は20分毎に発車しています。2台続けて運行されることも。
バス待ち行列の案内が、ピーク時の凄さを想像させます。
小仏峠・景信山への道標。
ハイカーはここが起点の方が多いでしょうが、私はここが終点(笑)。
高尾行きのバスに乗車。夕方のバス停、人が少ないと思いましたが、
発車直前に多くのハイカーが乗車していました。

■終わりに
 高尾駅から小仏バス停までの街歩き、とても興味深い場所がたくさんあり、楽しいコースでした。いつも軽装で地図も持たず、ブラブラ歩くスタイルで楽しみたいので、あまり山道には入らないのですが、この場所まで来たら、旧街道を巡って相模湖に抜けたり、日影沢林道や蛇滝のような、高尾山登山で楽しまれるコースを歩いてみたいとも思います。いつかはそんなコースを楽しむこともしてみたいと思います。
 明治の中央本線や、昭和の中央道、平成の圏央道なども見て楽しめ、歴史溢れる甲州街道に、自然豊かな浅川の流れなど、本当に魅力いっぱいです。またゆっくり再訪したいと思います。

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