社会人が大学院に進みたいと思うきっかけとタイミング
社会人で東大の大学院に進学を決めたのは、最終的には40歳手前でしたが、
思い返せば私の人生の岐路のタイミングで何度か大学院に進学することが頭に浮かんでいました。おそらく仕事や私生活にモヤモヤしているときに転職や大学院進学を含めて新たに教育機関で学びなおすことを考える人もいるのではと思います。
私は大学院進学への選択肢が40歳までに3つの波がありましたので、つらつらと紹介したいと思います。
なお、アラフォー社会人だった私が東大の大学院に進学した体験談、
というか対策は別のnoteで限定公開しています。
①【第一波】大学卒業~入社3年以内(22~25歳ごろ):モヤモヤ期 転職? 大学院進学?
大学を卒業して働き始めて3年くらいが第一波でした。就職したては新しい環境に飛び込む緊張やらでいっぱいでしたが、仕事にも少しずつ慣れてきたころです。しかし、日々の業務に追われる中で、業務量に対してのお給料や、身につけたスキルが役立つものなのか、仕事以外に大したこともできておらず、このままこの道を歩み続けるべきなのかという疑問が頭をもたげてきます。
毎日決まったルーティンをこなすことで安定した生活は手に入りましたが、その一方で自分の成長や将来に対する漠然とした不安も感じるようになりました。
そんな時、なんとなく“大学院で勉強しなおすのも面白そうだな”とかるーい興味が生まれました。
“社会人 大学院”で少し検索したり、どんな大学院があるのか、など。学び直すことで、今の仕事に新しい視点を持ち込めるかもしれませんし、全く違うキャリアを開拓する可能性もあるのでは、、、と、今の生活にはない生活を想像してちょっとワクワクしていました。
結局、それは現実逃避に近いものだったのです。仮に院試に挑戦したとしても不合格や挫折したことを考えると受験対策したことが無駄になる、大学院に進学するには多大な労力と費用がかかるように思えました。
やりたい理由より、やらない理由・やらなくていい理由のほうが勝ってしまったのです。
社会人になると自分は常にこの“やらなくていい理由”に打ち勝てるか、に苦しんでいます。
結局、私はこの時は転職を選択しました。転職したことで新たなスキル、生活の質が向上したので間違ってはいなかったと思っています。
②【第二波】30代手前 キャリアアップ転職? 専門性を高める大学院?
30歳を目前にして、社会人としてのスキルもしっかり身についてきたと感じていたころです。毎日の業務に追われる中で、徐々に昇進のチャンスも見えてきました。しかし、その一方で自分のスキルに対する評価、特に給料について不満を抱くことが増えてきました。大学時代の友人たちや知人が次々と転職し、自分よりも高い年収を得ていたり、結婚して楽しそうな様子が目に入りました。それを見るたびに、自分の現状と比較してしまい、不満が募るばかりでした。
そして、キャリアアップするために転職という選択肢が頭をよぎるようになりました。新しい環境で自分の能力を試し、さらに高い報酬を得られるのではないかと期待する一方で、現在の職場で築いてきた信頼や経験を捨てるリスクも考えずにはいられません。また、転職市場がどの程度自分にとって有利なのか、実際に転職した後に本当に満足できるのかという不安もありました。
全く別の選択肢として、ここでも再び大学院への進学が頭に浮かびました。大学院で専門知識を深めることで、今の仕事に新たな視点をもたらし、そのうえで今の仕事を続けるにしても転職するにしてもキャリアアップに繋がる可能性もありました。
結局は、ここでも私は転職を選択しました。大学院は確かに魅力的ですが、院試対策という、今の自分にはないスキルをゼロから身につける必要があり、勉強なんかしなくても転職すればいいのではないか、と思いました。進学によって貯金を大きく崩すこと、学業と仕事の両立など考えていたらめんどくさくなったのです。転職という選択はしましたが、ある意味思考を停止させた部分もありました。
③【第三波】アラフォー 仕事?家庭?サードプレイス?「30代は大人の10代、青春を繰り返す」
40歳を目前にして、職場では部下を持ち、マネジメントの責任を担う立場となりました。家族ができて、あっという間に時が過ぎます。仕事や家事育児もそこそここなせるようになってきたと感じる一方で、このまま年を重ねていくことに対する漠然とした不安も胸の中に広がっていました。仕事と家庭の両立に追われる中で、自分の時間や将来について考える機会が少なくなり、その結果としてこのままでは自分の人生を生きたといえるのか?というモヤモヤが生まれました。
仕事でも、家庭でもない、三つ目の居場所:サードプレイスが必要だと思いました。
仕事や家庭では関わることのできない価値観、人間関係、知識など得て、これまでの自分を活かしながらも新しい自分でいられる場:探求し続けることのできること、が欲しかったのです。
そこで三度、頭に浮かんだのが大学院進学でした。そして今回は大学院進学を選択しました。正直、私個人の意志だけではどうにもできなかった部分が多いです。職場での仕事のタイミング、家庭育児のタイミング、時間とお金のタイミング、それらが一瞬重なった時に足を踏み出してみた、という感覚です。
大学院に進学し、新たな空間に身を置くことになりましたが、モヤモヤが完全に晴れたわけではないです。この感覚は思春期の頃のそれと似ていると思います。私にとって青春は、某飲料メーカーのCMのような部活できらきら汗をかいたような思い出ではなく、一人悶々と悩む日々のことで、正に30代は大人の10代で青春を繰り返しているのだと思います。
転職や進学のタイミングは人それぞれで、誰もが納得した選択をできるわけではなく、そもそも選択肢すら思い浮かばないこともあります。
色々な人生の選択肢の中で、“こういう選択肢もあるんだな”と思っていただけると幸いです。
私の東大大学院進学の体験談はこちらのnoteに限定公開しています。そちらもよろしければ是非ご購読ください。
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