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✶トロイメライの欠片〜Traum Fragment トラオム・フラグメント〜
♢♢テーマイメージ♢♢
空に昇るように響く音楽は
眠りにつく直前の深い呼吸のようで
ゆったりとした音色が優しく耳をくすぐる
楽しげにはしゃぐ声も高らかに
夢のような一時を過ごす皆と共に
日暮れを迎える遊園地
隣の子供が大きく息を吸って
一息に吹き出したシャボン玉は
大人の背丈も悠々超えてふわりと漂い
雲に色を付ける茜空の光に輝いた
子供達は見上げた虹色のシャボン玉の中に
大人達は月が見守る宵闇の内に瞼を閉じて其々の夢を見る
そうして夜空に星屑もまたたく頃
想い出のエピローグを飾る美しい花火が
辺りを明るく照らしながら消えていった
●簪(かんざし)
●ポニーフック(ヘアカフ、ヘアカフス)
ロベルト・シューマンのピアノ独奏曲「トロイメライ」をイメージに入れた作品です。
トロイメライは、ピアノ曲集「子供の情景」の第7曲にあたります。
恋人であるピアニストのクララからの手紙に書かれた『貴方は時々、子供みたい』の一言から着想して作られた「子供の情景」曲集は、子供の心を描いた大人のための作品だと言われています。
穏やかで優しく、どこか儚い美しさを秘めた曲想のトロイメライは、ドイツ語の綴りでは “Träumerei” と書きます。
夢、空想、夢想、夢見心地などの意味を持ちます。ここで言う「夢」はわりと広義で、眠っている間に見る夢も、将来の夢も含まれるそうです。
作品は“夢”のワードから、子供達の夢を詰め込んだ遊園地をモチーフにしています。
穏やかな曲調と、眠っている間に見る夢の意味もあることから、夜の気配を感じる黄昏時のイメージと結びついています。
作品の時間帯を黄昏時にしたことから、どこか仄かにノスタルジックな雰囲気や、見る人によっては、時には少しだけメランコリックな印象もあるかもしれませんね。
ちなみに個人的な感覚ですが、「遊園地」という言葉なら、ノスタルジックやメランコリックな情景も似合うように思えますが、「テーマパーク」と書くとより明るい青空の下が似合う気がします(*˘︶˘*).。.:*♡
またトロイメライの意味に含まれる“将来の夢”というのは、「希望」とも言えるのではないかと思います。
ゆっくりと空へ昇っていく虹色のシャボン玉には「希望」のイメージも持たせています。
未来も過去も、現も幻も、夢に見るもの。
今宵はどんな夢を見ましょうか?