見出し画像

✿夜桜小道✿ Rangée de Cerisiers ランジェ ドゥ スリズィエ

♢♢テーマイメージ♢♢
ゆらり、ゆらり、
銀色の月明かりが梢の隙間を通り
慈雨のごとく小道を照らす。

はらり、はらり、
透けるような薄く淡い桜色の花びらが
雨雫のごとく小道に積もる。

町の中にひっそりと佇む桜並木の小道。
夜には人通りもなく、僕の貸し切り。
静けさの中で足音だけが散歩のお供。

ふらり、ふらり、
舞い降りる桜と星空を見上げながら
緩い足取りで小道をあゆむ。

今、この時、この場所。
ここだけ切り取られた、
僕のための世界のような──。

愛しさ募る、夜桜小道。

今年も3月を迎え、花粉と共に桜シーズンの到来です。
今回は夜桜をモチーフとした作品です。

タイトルの “Rangée de Cerisiers” は、「桜並木」という意味です。
学校の周囲、河川の道沿い、何気ない住宅街の通り道……。
皆様のご近所にも、大なり小なり、何処かしら桜並木があるのではないでしょうか?

私の近所にも、住宅街の中に小さな桜並木があります。観光地のように、大規模であるとか近くに様々な店舗があるという訳ではありません。ですがだからこそなのか、春になり桜が咲けば、昼間にはご近所の方々が散歩に訪れ中々の賑わいを見せたりもします。

青空を背景に咲く淡紅色の桜は、とても美しいですよね。
一方で、私は夜の桜もとても好きです。昼間には賑わう近所の桜並木も、夜には人通りも少なくなり、時間によっては通行人は自分しか居ないということもあります。
そんな時は少しだけ足を止めて、街灯に照らされる桜並木を眺めます。

足元は白にも近い桜色の花弁が所々を彩っています。見上げる頭上には昼間と同じ桜が咲いていますが、暗闇を背景とするので花もいっそう白く見えます。ですがやはり夜ですので、明かりに照らされていない場所は暗く沈み、桜の儚さを感じます。
今回のテーマイメージそのものです。

貸し切りの特等席で観覧する夜の桜並木。
そこには昼間の桜並木には無い、夜だからこその魅力があります。
皆様も機会があれば、ぜひ試してみてください(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠.⁠。⁠*⁠♡

なお夜桜見物をされる際には、上述のテーマイメージのように余所見をしながらふらふら歩くのは危ないので、きちんと立ち止まることをお勧めいたします。(笑)(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)

※minne の掲載はこちら

※Creema の掲載はこちら