女性が貰える年金が少ないのは?
テレビニュースで高齢の女性が貰える年金が平均的に男性より少ない。というのが話題になっていた。どうしてなんでしょう?とアナウンサーが不思議そうな顔をして専門家に聞いていたが、少し考えれば当たり前の話なのだが、それを分からなくしたのはマスコミの報道も一因かもしれない。
公的年金は国民年金と厚生年金の2階建。主婦で夫の扶養に入っている方は、夫が厚生年金を納めている期間は国民年金を納めていると見なされている。そしてこの期間により年金受給額が決まってくるので、ずっと一緒だった夫婦で国民年金部分の差は生じにくい。
差が生じるのは厚生年金の方で、こちらは働いている時に報酬に比例して決まってくる厚生年金保険料をどれだけ納めてきたかによって変わってくる。平均的には男性の方が、報酬が高いため納めてきた保険料も高く、納付期間も長い。その見合いの年金が高くなるのはある程度やむを得ない。
日本では長らく女性は結婚すると主婦になり、子育てが一段落すると、パートとして厚生年金保険料を納めない程度に働くというスタイルが続いてきた。年間一定限度を超えると、年金保険料を納めなければならないから大変と、さも保険料を納めるのが損だとか、税金対策でその方がいいという報道もあったような気もする。
要するに女性は出来るだけ厚生年金保険料を納める期間を短くするように誘導されてきたのかもしれない。
厚生年金保険料は本人が納める額と同額を企業側が納めており、これも年金の原資となる。企業によっては厚生年金に加入しなくていいパートは年金保険料も負担しなくていいし、事務処理も発生しない使いやすい労働力と見ていたところもあるので、パートのままがいいと思っていたところもあるはずで、厚生年金保険料を払わないということでパートと企業の利害関係が一致していた。
その結果として女性は平均的に厚生年金保険料を納めた金額と期間の累計が少なくなっている。果たして厚生年金保険料を納めないことで将来年金が少なくなることを説明していた報道があっただろうか?
年金保険料を納める側がその時の収入やその年の税金のことに目が向くのは当然のこと。少しでも将来の年金のことにもめを向けるよう説明しておくべきだったかも。
まだまだ女性の非正規は多いし、年金保険料の対象でない方は多い。遺族年金制度が改訂されるそうだが、女性の将来の年金の額を確保する策はどこまで検討されているのだろうか?
ところで、少しだけ女性の年金に朗報ですが、前に私が意見として書いて見た遺族年金制度へ離婚時分割制度を活用することですが、一応厚労省の検討対象になっているようです。
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