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[読書]死ねばいいのに 京極夏彦

 ある女性が殺されたらしい。その女性と何らかの関係がある男が、女性の関係者を訪ね歩く。彼は何故か死んだ彼女がどんな女性であったかを知りたがるが、関係者は皆自分のことばかりを語る。

 だが話を聞いていく間に段々と彼女の実像が浮かび上がってくる。それとともに読者には彼女のことを尋ね歩く男の存在が大きな謎になっていく。自分は愚かで何も知らぬと言いながら独特の理屈で次第に相手を追い詰めていく男。

 著者のお話にしては妖怪も怪異現象も出てこないが、この男こそが妖怪かもしれない。好き嫌いが分かれるお話であるが、著者らしい本。

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