小さい子に決断(夢千代日記から)
つい最近、吉永小百合さん主演の「続夢千代日記」を再見した中で気になったセリフがあります。
ドラマの中で吉永小百合さん演ずる夢千代が主を勤める置屋(芸者を抱えている家。料亭等の客のため、芸者を派遣する。)に属する金魚(演:秋吉久美子さん)という芸者は小学校1年の女の子を養っています。
実はこの子は彼女の実子ではなく、事情があって実子を手放した親から引き取って自分の子として育てています。そこへ子の産みの親である女(演:
松本ちえこさん)が子を返して欲しいと訪ねて来ます。女は病気で子が産めない身体となってしまったが、現在の夫と相談して自分達の子として引き取りたいと言います。
金魚は最初拒みますが、芸者である自分が1人で子を育てるより、両親が揃った環境の方がいいと考え、連絡して話し合いの場に子呼びよせ相手夫婦に託すと、一旦その場から立ち去ります。その後、相手夫婦はその場で子に自分達と一緒に来るよう説得を始めるのです。
その場に立ち会った夢千代は、困惑する子と相手夫婦の前で、こうたんかを切ります。
「この子の一生を1分間で決めさせるようなことをせんとってくれませんか!」
これはドラマではあるけど、今でも夫婦別れする親の前でどちらにつくか迫られる小さな子は多いと思います。1分はオーバーにしても短時間で決断を迫られるとしたら子は辛いだろう。親の都合だけでなく子がじっくり考えられるよう子の気持ちも考慮してあげないといけないな。そうは言っても争っている当事者はなかなか子のことを考える余裕はない。夢千代さんみたいな第三者の存在は救いかもしれない。そう考えさせられました。
若い頃このドラマを見たはずなのですが、その時はこのセリフをどう感じたのか覚えていません。自分がその気持ちを知るには若過ぎたのでしょう。子供を持ち、年齢を重ねてた今見ると感ずるものがあります。改めてそう思ったので記録しておきます。