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ブックサンタのはじまりのストーリー。出会いはネパール。エベレストの麓の村の帰り道(前編)

ブックサンタのはじまりについては、公式ページの最下部にサラッとだけ触れています。

ブックサンタのはじまりは2017年。ネパール山奥の村で、NPOチャリティーサンタ代表と日本出版販売(出版取次)担当者が偶然出会い、会話を重ねる中でブックサンタのアイデアが誕生しました。

このはじまりのストーリーについて、取材などでもよく聞かれます。
しかし、記事にはなりません。
それは「奇跡のような偶然が重なった結果生まれた」から。偶然は記事にするのが難しいようです。(いや、ただ文章量が多くなってしまうからだという説も)

しかし、最近もまた支援者の方に聞かれたので、今回noteにまとめてみます。
時は少しさかのぼります。

・・・・・

2016年春。ネパールの首都カトマンズから車で数時間ゆられてついた地方の街。そこからさらに徒歩で2時間ほど登った山奥の村。

チャリティーサンタは元々、途上国の子どもへ教育支援をするためにスタートした団体。その一環でネパールを訪問していました。
(その後、ネパールの母子支援プロジェクトがスタート)

そこで通訳として出会ったのが、青年海外協力隊でネパールに赴任していたYさん。裏表のない笑顔がキュートな女性(当時20代半ば?)。

彼女には、丸2日+αを通訳でお世話になり、その帰り道。また2時間かけて山を下っている時。広島の方言がちょこちょこ出てくるYさんは、NPOというものに興味津々な様子。案の定、質問攻めにあいます。

「そもそもNPOって何なん?」
 →利益よりも「目的」を優先したりするのがNPOかなー。直訳すると非営利組織っていうんよね。利益が目的じゃなくて法人化しようとすると、その中にNPOっていう選択肢がある感じ。

「へー。でも非営利って、お金なかったらやってけるん?」
 →活動するのにお金はかかるから、お金はもちろん必要よね。ただお金のために活動してるわけじゃないっていう。ややこしいけど(笑)
ようは「全く儲からなくてもそれが団体の目的に合ってたらやる」みたいな。会社だったら絶対に儲からないってわかってることってやらないでしょ?NPOだと、利益関係なく目的が優先だから「金銭的メリットに関係なくやる」っていう。でも赤字だとそもそも続けられないから、お金はやっぱり必要、、、そこらへんが難しいバランス。

「意味わかるけど、、、なんやそれー、難易度高すぎやろー。で、ぶっちゃけ給料どんくらいなん?笑」
 →それ聞く?笑 うーん、Yちゃんが教えてくれた教えよっかなー(にやり)。つーか今って会社休職中なんよね?どんな会社?

「うーん、ウチの会社って説明するのむずいんよなあー。ちなみに給料は●マン!(にやり)・・・で、いくらなん?笑」
 → ・・・(笑)

そんな突っ込んだな話を山を下りながら、ずーっとしていました。海外にいる開放感からか、たっぷりお世話になった後だったからか、どんな質問にも答えて、お互いに沢山のぶっちゃけトークに花を咲かせてお別れしました。

・・・・・

それから1年後。2017年春。
YちゃんからSNSで久しぶりのメッセージが唐突に届きます。

「会社ふっきしたよ!いっかい話しよ!」
「おっ、いいよー!そういやなんの会社やったっけ?」
「ちょっと説明むずいから会って話すね。いちおHPはここ!」

と、紹介された会社が日本出版販売株式会社
通称「日販(にっぱん)」。

出版や書店業界の人は絶対に知っている会社だけど、私は全く存じ上げず。

会社概要を要約すると、出版社(3,200社)と取引があり、書店(5,000店舗)やコンビニ(32,000店舗)に本を卸している会社。出版取次。

つまり「日本の半分の本屋に、本を流通させる会社」とのこと。

「へー、そんな会社があるんやなー」と思いながら、家からも近いしせっかくだからと御茶ノ水駅前の本社へ伺ってみることにしました。

そして久しぶりのYさんとの打ち合わせ。

まさかそこでブックサンタがうまれるとは思いもしていませんでした。

(後編へつづく)

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