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バンクシー展 -天才か反逆者か-

バンクシー疲れにご用心!

みなさまご機嫌よう。
Charites Accessories-カリテス-です。
スパンコールとビーズをオーガンジーやチュールに刺繍して、透け感の美しいアクセサリーを作っています。

暑い暑いと言いながら行ってきましたバンクシー展。
完全予約制となっていますので、2、3日前にネットで予約して行きました。
人数制限していると思われますが、結構混雑していました。
もし予約制でなければもっともっと混雑して大変なことになっていたでしょう。

今回の展示会は、すべての作品が撮影オッケーでした。
最近そういう展示会が多いなぁという印象です。
太っ腹でとても良い傾向だと思います。

バンクシーは社会のさまざまなことについて、シニカルな作品をうみだすアーティストです。
その表現がどぎつかったり、ユーモアに溢れていたり、絶妙なさじ加減でぶつけられてきます。

ショッピングバッグを持ったキリスト

商業的なイベントになってしまったクリスマス。
それにしてもどぎついですね〜。
でも「なるほどそうだよね」と共感してしまう魅力があります。

沢山のバンクシー作品を見ているうちに、いつのまにかバンクシーの表現が自分の中にすーっと入ってきて、そのメッセージがダイレクトに響いてくるようになりました。

これはファンゴッホを見ていたときにも感じたのですが、すべての美術品について感じるわけでは無いのです。

私が思うに、こういった【自分の中にダイレクトにメッセージが響く】状態になれる作品、アーティストは私と相性が良い気がします。

火炎瓶ではなく花束

戦争や資本主義についてシニカルな作品が続く中、この作品には愛を感じました。
街頭での抗議に参加する若者が投げつけようとしているのは、火炎瓶ではなく花束。
暴力は暴力しか生み出さない。
どんな変革も平和的な手段で達成されなくてはならないということ。

おそらくバンクシーの作品の中で一番有名なこの作品の存在感は格別でした。

ブレグジット

イギリスのEU離脱のプロセスがテーマのこの作品。
星の一つを削り取っている表現が秀逸だなぁと感動した作品です。

取り壊しの決まったビルの壁面に描かれていたこの大きな壁画は、いまは建物ごとなくなっているとのこと。
バンクシー作品はお行儀よく額装されたものばかりではないのも面白いと思うのです。

風船を持つ少女

これも有名アレです。
サザビーズのオークションで落札された瞬間に、額縁に仕込んであったシュレッダーで裁断された作品です。

バンクシーの多くの作品はとにかくいろんな意味でエグくてシニカルなので、一つ一つの作品にしっかり向き合っていくとちょっと精神的に疲れます。

今回の展示会でも想像以上に作品の数が多くて、実は少しバンクシー疲れしてきたところにこの風船を持つ少女が登場しました。

なんとなく、この作品からは『懐かしさ』や『希望』や『自由』といったエネルギーを感じました。
私はこの作品ですごくホッとしたのです。

エネルギー強すぎ

とにかく、エネルギーがすごすぎる展示会でした。
作品の好き嫌いは人それぞれあると思いますが、表現にこめた熱量の高さを感じる展示会でした。

私は今まできちんとバンクシー作品を鑑賞したことがなかったのですが、今回は初めてかなりがっつり向き合って、当然のようにバンクシーにあたっている状態になりました。
でも、作品からダイレクトに響いてくるメッセージがすーっと私の感情に入ってきたということは、私は結構バンクシーが好きなのかもしれないと思っています。

今回の展示会はアソビルという商業施設で開催されています。
こういう展示は美術館で開催されることが多いため、普段は特に気にしたことがなかったのですが、改めて美術館は作品を快適に鑑賞する環境が整っているのだなと感じました。

今回、作品数が多いということもあるのでしょうけれども、ちょっと窮屈でした。
作品の展示が人の動線に合ってなくて、こちらの作品を鑑賞しようとすると横にいる人の邪魔になったりして、鑑賞するときにストレスを感じました。
順路ももう少しわかりやすくして欲しいなぁと。

ではバンクシー展を美術館でやれば良いかといえばなんだかそれも違う気がしてしまうので、こんなふうにザワザワな感じにまとめるのがパンクしらしいといえばらしいのかもしれません。

お行儀よく展示することだけが展示会ではない、ということもまた反逆者精神なのかもしれません。

混雑していますが、子供から大人まで楽しめる展示会だったと思います。
この規模でバンクシーが見られるのはなかなかないことですから、貴重な展示会であることは間違いありません。

よろしければサポートをお願いいたします。 新しい技術習得のための刺繍学校の学費にいたします。