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憧れのクラシコ。カンプノウに思いを馳せる

どうも、charです。

私の夫はメッシ信者です。本人も中学生頃まではサッカー部でしたが、今は観る専門。日本にいた頃は暇さえあれば過去の様々な試合の映像やメッシ伝説のようなドキュメンタリーをDAZN等で観ていました。私自身もスポーツ観戦は好きなので一緒に観るようになり、バルサのことは多少わかるようになりました。

一方ここアメリカでは、スポーツといえば野球かバスケ。サッカーはそこまで市民権を得ていないようで、DAZNですら欧州リーグの試合が観られず。夫は発狂しそうになっています。

* * * * *

2年前のこと。海外旅行に全く関心のない夫をなんとかその気にさせようと、私はあるプランを計画、彼にプレゼンを試みました。

その名も、「メッシの華麗なプレーをその目で!ラ・リーガ観戦スペインの旅」。

そう。夫のヒーロー、メッシをだしに、スペイン旅行を提案したのです。試合観戦はもちろんスタジアムツアーも盛り込み、夫のツボを押さえるべく練りに練ったプラン。それはもうあっさりと採用されました。

基本的に旅行の手配や計画は私任せの夫ですが、試合のチケットだけは、とっても熱心に調べ、かなり前のめりで手配してくれました。日程の都合で、試合はバルセロナではなくマドリードでのアウェー戦(対アトレティコ)に。これが結果的に、完璧な旅程へとつながりました。

移動時間のロスはありますが、夫がノータッチなのをいいことに、バルセロナとマドリードの2都市周遊の観光プランを完璧に組み立てた私。序盤にバルセロナでのスタジアムツアー、終盤にマドリードでの試合観戦を持ってくることで、旅行中の夫のテンションを高い水準でキープする作戦は、大当たりでした。

私はステータスホルダーなので、出発前の空港からラウンジ使用で夫も上機嫌。スパークリングワインで気分よく、ほろ酔い搭乗。

バルセロナに到着したのはすでに午後。ホテルにチェックイン後ちょっと休憩し、予め調べておいた人気のタパス店に夕食へ出かけました。早めに行ったのですんなり座れましたが、帰る頃には行列が。ここで食べたピミエントス・デ・パドロン(ししとうに似たピーマンの素揚げ)に夫婦でどハマりし、滞在中はどこに行っても必ず注文しました。

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とにかくスペインは食事が美味しい。バルセロナは海が近く魚介も新鮮だし、味付も日本人に合っていると思います。タパスやパエリア、生ハム、チュロスなど、片っ端から堪能。ボケリア市場で、朝からカヴァも飲んじゃう。実は仕事も含めるとすでにバルセロナは3回目の私ですが、何度来ても、美味しい発見に出会えます。

2日目は、スペイン旅の最初の(夫的)山場、カンプノウスタジアムツアーへ。少年のようにキラキラした目で、ミュージアムに展示されているメッシの写真やトロフィーの前で写真を撮る夫。いつもテレビで見ていた、選手らの入場口に立ったときのテンションは、まるで小学生でした。なんて純粋な笑顔…。新鮮。連れてきたかいがありました。

そういえばこの顔、以前一度だけ見たことがありました。
新婚旅行のタヒチで、イルカと泳いだとき。
もうちょっと頻繁に、年1くらいでこの笑顔に出会いたいものです。

カンプノウは想像していたよりだいぶ古いスタジアム。上階の席はすごい勾配で、転げ落ちそうでちょっと怖いくらい…。しかし、青々とした芝生やそれを取り囲むすごい数の客席、ここに観客が入り選手が入場してくる場面を想像しただけで、ワクワクが止まりません!

「次来る時は、ここで試合を観ようね。」「どうせ観るなら、やっぱクラシコだよね。」

そう話をしていたのにな…。

スタジアムのショップでしこたまバルサグッズを買い込み、気持ちはすでにアトレティコ戦へ一直線の夫。そのままの勢いで、勝手に手配したガウディ建築ツアーへ連れまわしましたが、壮大・荘厳な建築に圧倒されて、普通の観光もしっかり堪能してくれました。よかったよかった。

そして迎えた、アトレティコ戦当日。

早朝の便でバルセロナからマドリードへ移動したのですが、着いてびっくり、マドリード、めっちゃ寒い!

ホテルに荷物だけ置いて、急いでアディダスショップへ行きベンチコートを購入。ついでに街中にあったレアル・マドリードショップへ行き、なぜかモドリッチのユニフォームを購入した私。今日の試合とは、一切関係ない。クロアチア代表チームが好きなんです。今は、その頃とメンバーもだいぶ代わってしまったけど。

もうこの頃から、夫婦共々、おかしなテンションでした。試合は夜なので、一度ホテルに戻り防寒対策をして、試合開始よりだいぶ早くスタジアムへ向け出発。バルセロナもそうでしたが、マドリードも電車での移動がとてもわかりやすくて便利。ただ、スリには気をつけないとね。

圧力鍋と呼ばれる、アトレティコ・マドリードの本拠地、ワンダ・メトロポリターノへ。カンプノウとは逆で、かなり新しいのでピカピカで近代的。なんでスタジアムってこんなにワクワクするんだろう〜!

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早く着きすぎて中に入れるまで相当待ちましたが、選手が乗っているであろうバスをサポーターに混じって取り囲んでみたり、日付の入ったタオルマフラーを買ったり、気分は上がる一方。会場に入ってからはVIPチケットだったのでラウンジが使えたのですが、軽く食事をした以外は結局、ほとんどの時間寒〜い客席からフィールドを眺めていました。だって、なんかサラッと出てきたけど、そこでメッシが!スアレスが!グリーズマン(当時はアトレティコ)が!アップしてるんですよ!!?

夫、再び小学生化。「ふおぉぉぉ。すぅげぇぇぇ。」とよくわからない言葉を発しながら、スマホでひたすら動画を撮っていました。同じくすごいテンションの地元のおじちゃんがスペイン語で話しかけてきたりもして、謎のコミュニケーションが成立するのも、こんな雰囲気ならでは。

試合自体は引き分け、メッシのゴールは拝めませんでしたが、テレビでは味わえない会場の熱気の中で目の当たりにした世界最高峰のプレー。また戻ってきたい!次こそはホームでメッシのプレーを!むしろクラシコを!と思うには十分すぎる経験でした。

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そしてその一年後。
我々夫婦はついに、クラシコのチケットを手にしたのです。

バルサ対レアル、伝統の一戦。直前まで待てば年間パスで席を押さえている人たちが解放し出すので、比較的安くチケットも買えるそうなのですが、私たちは金にものを言わせて、早々にかなりいい席を押さえました。

飛行機も取った。ホテルも取った。ついでにカタルーニャ音楽堂のコンサートチケットまで取った。準備は万端。

いざ、憧れのクラシコ@カンプノウへ!!

そんな我々の最高潮を迎えたテンションは、一瞬でどん底へ突き落とされたのです…。

カタルーニャ独立派の活動激化による、クラシコ開催延期。治安の悪化など不穏なニュースは目にしていましたが、ついにクラシコ自体が開催を見送り、日程未定という決定打。
高いチケット代は全額返金されましたが、我々夫婦の高まりに高まったサッカー熱は、行き場を無くしました。

延期された日程で、計画を組み直す?
いや、正直仕事の都合もあって今の日程を変更するのはだいぶ難しい。

じゃあそのまま、クラシコは見れないけどスペイン旅行に行く?
え、それ行く意味ある?

んーじゃあ、バルセロナ以外の欧州サッカー観に行く?
…それだ!!

急いで同じ日程で見られる試合を検索し、パリ・サンジェルマン対マルセイユの試合を発見。ネイマール、ムバッペに加え、酒井も見られる好カードということで、急遽行先をパリに変更したのでした。

各種キャンセル料や直前での手配による割高料金などが発生しつつも、無事に手配完了。スペイン旅行同様、サッカーを軸にしつつ観光も盛り込んだ新しい旅程でパリ旅行を決行しました。

ネイマールは怪我で欠場だったものの、かなり前のほうの席で観戦でき、ムバッペのとんでもないスピード感や、リーグ・アンで世界を相手に引けを取らない酒井のプレーを堪能。これはこれで、サッカー欲を満たすには十分な観戦となりました。

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そういえばモン・サン・ミッシェルで出会った日本人カップルは、なんと新婚旅行でクラシコ観戦をしにきたものの、メインイベントがスキップになりシンプルなバルセロナ・パリ2都市旅行になってしまったそう…。私たちの変更プランを聞き、「そんな手があったか…」と感心されました。あのお二人、元気かな。

そして、今年。

言わずもがな、パンデミックでクラシコ観戦どころではありません。

果たして来年、クラシコ観戦@カンプノウのリベンジは果たせるのでしょうか。夫を乗せるために発案した欧州サッカー観戦旅行は、今や、我々夫婦の毎年の楽しみとなりつつありました。渡航も、観戦も、コロナの終息状況次第なのかな。

むしろ、スアレスも去り、ラキティッチも去り、クラブとメッシの軋轢もささやかれる中、バルサ対レアルのカードが、来年も私たちにとって「憧れのクラシコ」であり続けるかどうかが、最大のポイントな気もします。

もしかしたらいつの日か、久保君がレアルのスタメンになったりしたら、観に行きたいと思うかもしれない。

その頃にはメッシはいないかもしれないけれど…。

その場合は、カンプノウではなくサンティアゴ・ベルナベウに目的地変更かな。

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