26 コーヒーを1つ
「ちゃぴおは時には看護師さん、時にはカフェ店員だ。
一緒にいると飽きないよ笑
ちゃぴおと一緒にいる人は楽しくって幸せだね。死ぬの嫌だな。ちゃぴおと離れたくないもん。」
コーヒーを飲みながら、母は私に言った。
不意に言われた言葉だったが、
誰かの生きたい理由になれたことは私史上最大の喜びなんじゃないか?
母は突然泣かせに来るからおさえるのに必死なんだよ。
母が言ったように、私は家で看護師になったり(ハキハキした?話し方や敬語を使って看護師さんに似せて介護をしていたため)
カフェ店員になったりした。
私が子供の頃、ごっこ遊びの一つとして
『あらたぬカフェ』をオープンした。(私の好きな動物、あらいぐまとたぬきを合わせた名前笑)
手書きのメニューを作り、家族から注文を受けていた。
当時のことを不意に思い出し、私はメニューをしたためた。
このメニューを母に見せ、注文を取ったり運んだり。
ちなみにコーヒーは本格的に豆から挽くタイプ。
母は飲み物や食べ物を注文しても
結局一口、二口で終わってしまう。
それでも、ベッドでずっと動けないのだから、雰囲気を作って少しでも気分転換に、楽しんでくれたらなぁという気持ちだった。
母は、
「あらたぬカフェの、店長さーん!」
と、今日も大きな声で呼んでくれる。
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