2022年のトレンドとデザイン

LINE Creative Center の抱負の中で2022年のトレンドについて語られていたので掘り下げてみようと思う。

近年は旅行に関連したサービスが打撃を受けた

確かに観光業界はかなりの打撃を受けていると思う。
個人的に感じるのは旅行より手前の出かけるという体験において、除菌シートは必ず持ち歩くようになったし、持っていくものに関しても変化や、行先に人が多い場所を選ばなくなったり、時間帯も考えるようになった。
世の中のベースが変わってきていることを考えると、過去のサービス内容で良いのかは改めて見直す必要があるように思う。
ユーザーの欲している情報や、既存の情報の感じ方にも必ず変化が出ているからだ。

デザインシステムのその先

デザインシステムが整ってきたからこそ、その先のマイクロインタラクションにも時間をかけることができるというのは同意なんだけれども、個人的にはデザインシステムが整っているのがこれからのデザイナーにとって悪い面も結構あるように感じる。
確かに工数をかけずに、叡智の結晶のようなデザインシステムを利用することによってある程度のクオリティのものを誰でも生み出せるようになったことは、デザインの入り口が広くなり関わりやすくなったという面ではメリットだと思う反面、あまり理解せずともそのシステムさえ使いこなせれば、あとは細かなマイクロインタラクションに集中すればよいという環境が怖いと感じている。
なぜそのデザインシステムがそうなっているのか、フォントサイズはなぜこのサイズが採用されているのか、なぜこのフォントなのか、マージンなのかなど考えなくても用意されているものを使うだけでよくなっている。
考えなくなってしまうのではないだろうか。
今後もマイクロインタラクションなど引き続きトレンドとなると思っているが、新しくデザイン業界にくる方には、なぜ?という疑問を常に持つようにいてもらいたいと思う。

カンヌライオンズ2021

広告業界のクリエイティブって、世間に対して発信して、ユーザーに共感してもらわないといけないので、世間の変化に敏感に対応していて興味深い。
紹介されているハイネケンの「Shutter Ads」もとても面白かった。
ロックダウンや人が来なくなってしまったため、お店のシャッターを締める機会や時間が増えた。そこでハイネケンが広告予算を活用してそのシャッターに広告を載せて、お店に掲載料を払うという仕組みだそう。
今までだと、早朝や深夜や定休日にしか見なかったシャッターも締める機会や時間が増えると立派な面として役割を果たす。ここに気づいて広告を打って商品認知を広げるだけでなく、その売り上げの下がったお店に対しても広告料を支払うことによって経営を助けることにもつながる。まさにwin-winの素敵な施策だ。

空間デザインの再定義

身近な空間だと家の中が大きく変わった。
リモートワークが基本になったので、モニターや机、椅子など作業環境を整え、長時間座っていても苦にならないような空間に再定義した。
作業スペースだけでなく、リビングも過ごす時間が増えたので、物を減らしてより快適な空間にしようと試みている。
外だと、バスや電車という交通機関だけでなく、飲食店においても空調をより意識する必要が出てきて、空間を再定義しているところも多いように感じる。ここ数年は、バリアフリーのようにバリアはあるがそれを感じさせないように手摺りをつけたりしている状況で、既存のものに対していかに空調を良くするかや座席を減らして密を避けるといった対策だ。
これから作られる建物や乗り物はきっと、ユニバーサルデザインのようにそもそもバリアがないデザインになっていくだろう。
どのようなデザインに各業界がなっていくのかはとても楽しみだ。




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