オメガ3のすゝめ
オメガ3とは
摂取が必要な必須脂肪酸です。
脂肪酸は大きく言うと飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、不飽和脂肪酸はさらにオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸などの多価飽和脂肪酸とオメガ 9脂肪酸などの一価不飽和脂肪酸に分けられます。
オメガ3脂肪酸には、海洋性オメガ3脂肪酸である青魚に含まれるDHAやEPA、くるみ、アマニ、エゴマなどに含まれる植物性オメガ3脂肪酸である α-リノレン酸(ALA)があります。
オメガ3の効果
オメガ3脂肪酸はさまざまな健康上の効果を提供するだけでなく、運動パフォーマンスの強化にも大きく影響を与えます。
これは、オメガ3脂肪酸が運動中に筋肉への血行を促進するためで、より多くの酸素が筋肉に運ばれることで脂肪が燃焼されエネルギー源につながる為です。
さらに、オメガ3脂肪酸はワークアウト後の回復も促進します。
オメガ3脂肪酸には抗炎症性という特性があり、炎症を抑えて疲労を防ぐ効果があります。
有酸素運動と魚油の摂取は、血中コレステロール値に影響を与えることがわかっています。
悪玉コレステロールの低密度リポタンパク質 (LDL) が高いと冠動脈心疾患のリスクが高まり、善玉コレステロールの高密度リポタンパク質 (HDL) が高いとリスクの低減につながることが証明されています。
例えば、2004年に実施された研究では、10人の健康な若年男性にオメガ3脂肪酸のサプリメントを4週間摂取させて、60分間のトレッドミル運動をサプリメント摂取前と後に実施してもらいました。
この結果、オメガ3脂肪酸のサプリメントを摂取しているだけで、善玉コレステロールのHDL値がじ高くなり、これに運動と併せると悪玉コレステロールのLDLが低くなることがわかりました。
オメガ3脂肪酸の抗接着性と抗炎症性などの特性から、オメガ3脂肪酸は身体的な健康状態と身体組成を向上させる働きをすることが明らかになっています。
オメガ3系脂肪酸に多く含まれるEPAとDHAなどは、体内では合成できないため食品から摂らなくてもならない必須脂肪酸です。
EPAには、血液を固まりにくくして、動脈硬化と心筋梗塞を防ぐ効果があります。
日本人を対象とした研究でも、血液中のEPAの割合が高い人ほど、心筋梗塞や脳梗塞を発症しにくいという結果が出ています。
最近の研究では、糖尿病リスクを下げる効果があることも分かってきています。
オメガ3が不足すると
・ドライスキン(乾燥肌)
若々しく潤いのある肌を守る秘密のひとつがオメガ3脂肪酸で、細胞膜構造に自然に見られるものです。
しかし、これが不足すればするほど、肌は乾燥します。
また、オメガ3は肌が健康な栄養素を吸収し有害な排出物を放出するのを助けて、健康的でツヤのある肌に見せてくれます。
・ハリのない髪
肌の細胞に見られるオメガ3は髪の毛包にもあって、光沢とツヤのある髪を作るために重要な栄養素です。
オメガ3は髪に栄養を与えて成長を促し、同時に抜け毛につながる頭皮の炎症を抑えてくれます。
ベジタリアンやビーガンの人でオメガ3が欠乏していると思ったら、ナッツやシード類、植物油、豆類、大豆製品、葉物野菜をたくさん食べ、オメガ3のサプリを摂取することも考えてみよう。
・脆い爪
爪が柔らかく、むけてきたり割れたりして脆いのはすべて、体が正常に機能していないサインが外に現れたもので。オメガ3不足かもしれません。
フィッシュオイル(魚油)など動物性のオメガ3のほうが、植物性のものより体は吸収しやすいことが多くの研究からわかっているので、出来れば食生活にフィッシュオイルを取り入れて下さい。
・ 不眠症
オックスフォード大学の研究で、オメガ3を多く摂取している人のほうが睡眠の質が良いことがわかっています。
しかし、ベッドタイムのあまり直前に摂ると覚醒させてしまうので、オメガ3は夜ではなく朝に摂るようにして下さい。
・集中力の欠如
オイリーな魚をたくさん食べたりオメガ3のサプリを摂取したりしないと、集中力が欠如することがよくあります。
多くの人は、オメガ3の1日の必要量を摂取するだけで集中力が改善することがわかっています。
・倦怠感
普通の倦怠感には多くの原因がありますが、オメガ3不足もそのひとつ。
メリーランド・メディカル・センター大学によると、倦怠感はオメガ3欠乏が根本にある場合によく見られる症状ですから、脂肪酸をたっぷり含んだ食事をすれば、エネルギー値向上に役立ちます。
・関節痛
フィッシュオイル由来のオメガ3脂肪酸は抗炎症物質としても有効ですから、関節痛のある人にはとても重要です。
十分にオメガ3を摂取して、細胞組織や関節が破壊されて炎症を起こすプロセスを止めましょう。
オメガ3の摂取量
オメガ3脂肪酸は1日の摂取目安量として、成人男性の場合2.0g~2.4g、成人女性で1.6g~2.0gの摂取が推奨されています。
DHAやEPAは、必要な栄養素であるため、一度に大量に摂取するよりも、毎日こまめに1gを目標に摂取することをお勧めします。
オメガ3の過剰摂取
EPAは脳梗塞や心筋梗塞など、血栓(血の塊)で血管が詰まって起きる重大な障害を避ける目的で使いますが、副作用もあります。
血液が固まりにくくなるため、出血するとすぐには止まりません。
1日3g以上の摂取では注意が必要です。
手術や出血を伴う歯科治療を受けるときは、医師などに相談して数日前から服用を中止しましょう。
オメガ3を効率よく摂取するには
DHAやEPAを摂取するには、魚介類から摂取する方法と、市販されているサプリメントで摂取する方法とがあります。
魚介類から得るには、油を多く含むいわゆる青魚などから摂取することが必要ですが、特に刺身など生食により、効率よく摂取することができます(マグロトロで2~5切れ、ハマチで3~5切れ)。
魚が苦手な方や魚を食べる機会が少ない人などは、サプリメントで摂取するのも一つの方法です。