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終活でも就活でもなく、死に活

(我が家の断捨離ストーリー③)

私の住んでいるマンションで、電気系統の一斉工事が入ることになり、今朝は早くから業者の人が訪ねてきた。断捨離の真っ最中で散らかり放題の各部屋を目にして仰天している業者さんに対して、私は「今、親の死に活をしているところなんです。足元にお気をつけくださいね」と伝えた。業者さんは、はっきりした物言いに苦笑していたが、やがてこらえきれずに爆笑に変わった。
「終活」というと、若い人は「就活」のことだと誤解するので、我が家でははっきりと「死に活」と言うことにしている。それで相手の笑いを誘わなかったことはない。「死」という言葉を明るくあけっぴろげに口に出すことで、人は皆、不思議と笑顔になる。私の親がいつか人生を終える瞬間も、こうしてみんなで笑いあっていたい。そう心から願っている。だから、今から明るく死と向きあう練習を始めているのだ。色々あった人生も最期は笑って終えたい。そして工事業者さんのような赤の他人にも、その笑顔をお裾分けできたら、世の中ハッピーが増えるかも。そんな気がしている。

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