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たまに歌を詠む

文字が好きだ。

文字が連なった言葉が好きで、言葉が連なった文章が好きで、文章が連なるブログや本が好きだ。

すごくすごく若い頃に、小説を書いていた。ずっと恋の話ばかりを書いていた。(実に私はよく恋をしていた)お下がりのワープロや、やがて携帯電話にぽちぽちと打ち込むこともあったけれど、それ以前には原稿用紙を買い求めて鉛筆で書き狂っていた。

あれはまさに、書き狂っていた時代だと思う。手元に道具がなかったこともあるけれど、僅かな小遣いで、趣味に使う原稿用紙を買う子どもなんていうのは、その善し悪しはさておき狂っている。

それはともかく、ただひたすらに書き狂っていて、しかし完結したものはきっと無かったように記憶している。


今、たまに歌を詠んでいる。

果たして正しく短歌になっているのか、その要件を満たしているのかは怪しいものだけれど、それでも五七五七七に納まる歌は、毎回きちんと五七五七七に終着する。それが心地好い。

当たり前のことだ。五七五七七に納めようと、五七五七七の歌を詠むのだから。


けれども毎回きちんと心地好いことには、きっと何か理由があるのだろうな。

私の歌はいつも、終着するけれど完結しない。(たとえば恋のように)きっとそこに、何かがあるのだろうな。

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