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加筆、休職期間の過ごし方

皆様、こんにちは。
桜が咲き終わり、つつじが咲き出し、新緑の季節へと移りかわっていますね。
樹々の緑が、まだまだ若い黄緑色できらきらと光に反射しています。
この季節、どのようにお過ごしでしょうか。

さて、以前、ブログに書いた休職期間の過ごし方に、適応障害について環境からのストレスとそれに対する自分のストレス反応の視点を付け加えてみましたので、書き直してみました。
休職中である方々の参考にしていただけると嬉しく思います。

休職中の過ごし方

様々なストレスから心身の不調を抱え、医師から休職する必要なある場合は診断が発行され、休職がスタートします。
このいわゆる休職期間をどのように過ごしたら良いか分からないといったお声を良く聞きます。
ここでは、「うつ病」や「適応障害」といった病気ををとりあげ、休職中をどのように過ごしたら良いか、過ごし方のヒントになることをあげていきたいと思います。

うつ病、適応障害の症状

「うつ病」・「適応障害」とは、どのような症状が出るのでしょうか。
病気の症状を知ることで、この症状は病気から起きているのだなと分かりますので、不安に振り回されなくなることへつながるのではないでしょうか。
罹患している病気の特性について知っていくことは、とても意味があることですよね。

うつ病
※厚生労働省HPとDSM-5(『精神疾患の診断・統計マニュアル』日本語版用語監修 日本精神医学会 医学書院)
厚生労働省の統計によりますと、100人にのうち約6人が罹患する病気といわれています。
うつの三大症状として、「抑うつ」・「不安」・「意欲低下」という症状が出ます。
何もやる気が起きず、不安に苛まれ自責の念の強くなり、気持ちが落ち込みとても辛い状況です。
また、うつ病の発症原因は人のよって様々であり、時には明確な出来事が分からない時もあります。
一般的には、うつの引き金になりやすい出来事として、人間関係や環境の変化、大切な人を喪う経験、脳の感情や意欲を司る部位に何らかの不調が生じている可能性や、ライフイベントの変化が考えれます。
ライフイベントの変化は、ストレス以外の楽しい嬉しいライフイベント(結婚、進学、就職等)でも、生じることもあります。

身体的症状

・食欲不振(体重減少)
・眠れない、過度に寝てしまう
・体がだるい、疲れやすい
・性欲減退
・頭痛・肩こり
・動悸
・胃の不快感、便秘や下痢
・めまい
・口が渇く

精神的症状

・無関心
・意欲低下
・いらいら感
・気分の落ち込み
・喜んだり楽しんだりが困難
・悲観的に考える
・集中力の低下(決断も困難になる)
・反復的に自殺念慮、自殺企図、または自殺する為の明確な計画

このように、うつ病は、精神・身体症状を抱えながら、無理をして社会生活を送りると、どんどん自分を追い込んでしまうことになってしまいます。周囲の励ましも時として負担になりますので、あたたかく見守ることと、ご本人はまずは休養することで安全を確保しましょう。
ある程度、心身の疲労が落ち着いてきたら、生活サイクルを整えたりを段階的におこなっていきます。

適応障害

つぎに、適応障害について説明していきます。適応障害は、「心的外傷およびストレス因関連症候群」に分類され、はっきりと確認できる強いストレスがきっかけで発症し、抑うつ感や不安、不眠等の症状が発症する精神疾患といわれています。
人によっては発症時点で、ストレスが複雑にからみあっており、何がストレスだったのか、はっきりと分からないというケースもあります。

精神的症状


・不安
・抑うつ
・絶望感
・無気力
・思考・集中力の低下
・悲壮感、焦り、神経過敏、等
※こうした精神症状から、業務中に頭が真っ白になり思考が停止してしまうこともあります。

身体的症状

・倦怠感
・不眠
・食欲不振
・動悸
・過呼吸、
・頭痛
・肩こり
・腹痛

病状が回復すると、これらの精神、身体的症状は次第に和らいでいきますが、まれに慢性化することもあります。症状を慢性化させないためにも、適応障害も、うつ病同様に初期は、基本的にはゆっくり休養することが大切です。
心身の休養を経ると同時に、ストレス要因になっている環境調整を周囲と共におこないつつ、それを受けて反応したストレス反応を整理し、自分の思考パータンに気が付いたりして、今後のストレス反応を抑えていくことも重要な治療の一つになります。
こういった時は、心理カウンセリングと併用しながらいくのも効果的です。

また、うつ病と適応障害の違いは症状の程度にもあります。「適応障害」はあるストレスが原因になっていることから、離れると比較的症状が落ち着きます。
一方「うつ病」はストレスから離れても、中々改善しません。従って、うつ病は時には投薬といった医療的ケアが必要となります。

休職期間の段階

休職中は、これらの症状を理解し、精神・身体的症状が慢性化しないように、休職期間の段階に合わせて生活していけるといいですね。

また、勤務している方は傷病手当金について、自分は該当するか?いつから振り込まれるのか?といったことも、会社に事前に確認しておきましょう。

そして、会社と予めの連絡方法を決めておくと良いでしょう。
恐らく決まった期間に(2週間に1度、1か月に1度)、もしくは受診したタイミングで連絡するという決まりがある会社もあり、会社の規定もあると思いますので、誰に、どのタイミングで、電話?対面?メール?といった連絡手段を、事前に明確に決めておきましょう。
そして、会社へ連絡した際、特に上司と話さないといけない場合は、緊張も手伝いご自身の状態や状況を良く伝えがちですが、ありのままの現在の状態・状況を伝えましょう。
かもみーる心のクリニックのHPのコラム欄にも、「休職から復職に至るステップ」が紹介されていますので、そちらも併せてご覧になって下さい。

・休養期

前述のように「うつ病」や「適応障害」は心身にとって辛い症状が出ますので、充分な休養をとり、心身の回復を優先させましょう。
疲れたら無理しないで心身を休めるといった感じです。
この時期はやるべきことをしない期間にしましょう。
自分の健康的な要素を高めるために、「深呼吸」や「身体の力を抜く」といった事もセルフケアとして、意識的にとり入れてみましょう。
この時期はやるべきことを無理にせず、疲れたら無理しないで心身を休めるという期間にしましょう。
自分の健康的な要素を高めるために、「深呼吸」や「身体の力を抜く」といった事もセルフケアとして、意識的にとり入れてみましょう。

・リハビリ期

休息により心身が休まり、回復の兆しがみえてきましたら、少しずつ生活の中での活動量を増やしていきましょう。
また、ここは生活のリズムを調整する時期になります。適度な運動をし、睡眠リズムを整えるようにしましょう。
季節の景色をみながら、散歩するというのもいいですね。お一人で出かけるのが心細い場合は、ご家族についていってもらうのも良いでしょう。
具体的には、カフェでお茶する、図書館に行ってみるといった事は気軽に取り組みやすいでしょう。
また、適応障害の場合は環境に対する自分のストレス反応が限界を超えると発症するということがあるので、環境によって生じたストレスとそのストレスを自分の中でどう対処してきたのかといった事も丁寧に整理してみましょう。
こういった作業は頭の中で考えていくと、なかなか整理しにくいので、書き出す方がスムーズにおこなるでしょう。
こういった作業は、カウンセリングを利用するといいのかもしれません。

・調整期

生活リズムが安定し、睡眠、食欲が安定してきているようならば、更に在勤・在学していた時の生活サイクルをイメージし生活を整えていきましょう。
復職を検討している方は、保健スタッフ等に業務量・業務時間の調整を相談する時期にもなるでしょう。
会社に産業医がいる場合は産業医にも、自分の心身を率直に相談しましょう。
ついつい「頑張ります。」「元気です。」「大丈夫です。」と言ってしまいがちですが、ここはよく自分の心身の状態を観察・把握し、率直に現況や自身の気持ちを伝えていけるといいですね。
               
この一連の時期は焦ってしまいがちなので、頑張りすぎないことと、無理をしないことが大切です。
大切な決断はこの時期におこなわず、結論を急ぎすぎないということも安全な方法です。
また、一連のこの時期を過ごす上で、定期的な受診とカウンセリングが有効です。休職中は早く仕事に戻らないと、とか焦りから、急いで自己判断をしてしまいがちですので、主治医のアドバイスを受けながら、お薬を服用している方は量を調整しながら服用しましょう。

定期的な受診で、一人では気持ちがいきづまってしまいがちな時期を、他者の知恵をもらいながら過ごしていけるといいですね。

日常生活でおこなえるセルフケア

【身体編】
睡眠をととのえる
決まった時間に起床し、明るい光を浴びましょう。太陽の光を浴びると、網膜が光を感知し、セロトニンが分泌されやすくなります。セロトニンは睡眠の質を良くし、眠気を促すメラトニンを生み出すので、睡眠の質も良くなります。

身体機能の維持
筋肉を動かすことは、抑うつ傾向が減少するとのこともいわれていますので、生活の合間に歩くことやスクワットを取り入れていけるといいですね。

ヨガは身体のみならず「マインドフルネス」的思考を保持しつつ、今ここの自分の呼吸や身体の変化をみながらアサーナ(体位)をとっていきますので、心の落ち着きもえられます。
また、あまり動かずにいると、筋力が落ちてしまうので、日常生活の隙間に気軽に出来るストレッチ動画を使ったヨガなどの運動を、無理なく取り入れていけるといいですよね。

【こころ編】
ネガティブな思考をコントロールする作業
不安なこと、辛かったこと等をノートに書き出し、自分の気持ちを外在化してみましょう。
書き出すことで、自分の気持ちを客観的に把握できるようになり、頭の中でネガティブな思いがぐるぐると回ることを防げます。
同時に、悩んでいる自分から一歩距離をおき、客観的な視点を確保できるので、自分の思考パターンに気が付けたり、この時どういった行動をしていたら、ストレス反応が低減出来たのかな?といった事を思考することへもつながるでしょう。

また、あまりにネガティブな思考にはまってしまい身動きがとれない感覚をもつ時は、ストレッチ、軽い運動をおこない身体を動かすことで、意識がすっきりします。
これは、身体を動かすことに精神が集中し、悩みから心が一旦離れることができるからです。
更に、身体を動かすことで、やる気が出てくるといった科学的根拠もあります。

・深い呼吸で「いま・ここ」に意識を向ける

悩んでいる時は、とかく浅く呼吸していることが多いです。
つとめて深い呼吸(まず、口をすぼめて糸を吐くように力強く、次に鼻から吸う、これを5分ほど繰り返す)をおこなうことで、ネガティブな思いから適度な距離をおけるようになり、気持ちも落ち着ついてきます。
そして、「いま、ここで起きていること」へ集中しましょう。
ここでのポイントとしては、ネガティブな思いが浮かんできた時に、排除しようと思わないことです。
「自分はそういったネガティブな思いをもっているのだな。」とありのままを眺める感じです。
それによって、悩んでいる自分とそこから一歩距離を置いて観察している自分が出来て、ネガティブな主観にぐるぐると巻き込まれにくくなります。

また、深い呼吸は自律神経をととのえる作用もあります。
ストレスが強い時に優位になる「交感神経」、リラックスしている時に優位になる「副交感神経」は拮抗していますので、深呼吸によってバランスを保てるようになります。
そんなメカニズムを知ると、深呼吸は一人で手軽に出来て、効果絶大です。
 

おわりに


最期に逆説的に考えますと、休職中とは、病気をとおして自分と向き合い、自分を知りる途端にあるのかもしれないということです。
自分という存在はこの世に一人しかいない、かけがえのない存在です。
自分を優しく労わること、ストレスな出来事が起こった時に柔軟性をもって考えられるようになったりと、そのような「気づき」が、今後の生きていく力になるかもしれません。
先ほど書いてように、「病」とはネガティブな側面だけではなく、「病」をとおして、様々なこと知ることができます。

何か無理をしてきたこと、考え過ぎ自分を追いつめ、更には自分を責めてしまうといったこともあったかもしれません。

過去の出来事を整理していきますと、治癒とは、以前の状態に戻るのではなく、思考に柔軟性をもち、以前の自分よりもパワーアップした自己へと変容していく必要な過程だったなと気が付く日も訪れるかもしれません。

どうかお一人で、抱え込まずに、周囲の人とつながりながら、知恵を出し合い自己確認しながら、その人らしく生きていけますように願っています。
 


 
 
 



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