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「if-thenプランニング」で勝つための習慣をつくろう‼

 もっと強くなりたい、もっといい結果を出したい!と日々考えながら過ごしている選手のみなさん!目標を達成するには、練習・トレーニングを毎日積み重ね、フィジカルを強化し、体調を整え、自分と向き合い、さまざまな知識を取り入れ、、、、、などなどやることはいっぱいですよね!

それらは、1日や数日では身につかないので、何度も何度も繰り返して身につけていくものだということは、誰もがわかっていることだと思います。
でも、何度も何度も繰り返すつまり『習慣化』するって結構難しい!3日坊主で終わることもたくさんあったと思います。

そんな人にぜひ知ってほしいのが今回紹介する「if-thenプランニング」別名「条件型計画」です。

これはコロンビア大学ビジネススクール副所長で社会心理学者のハイディ・グラント教授が提唱したテクニックです。このテクニックは、スポーツだけでなく、勉強、ビジネス、ダイエットなどなど日常生活でも応用できるので、めちゃくちゃ役立ちます。

今回は、if-thenプランニング提唱者のハイディ・グラント教授の著書「やってのける」をメインの情報元として、その方法や効果をまとめてみました。


if-thenプランニングとは

では、早速if-thenプランニングとは何かをお伝えします。

「もし(if)~~~であれば、その時(then)~~~をする。」

を考えておくことです。


えーーーーー!!簡単すぎやしませんか??とちょっと疑った方々!その通りです!!それが習慣を作るために大事なんです。シンプルにすることで、脳に余計なエネルギーを使わせない。つまり自制心の浪費を防いでくれることがポイントです。グラント教授は、

達成したいことの難易度を問わず、シンプルな計画を立てて取り組むことで成功の可能性は飛躍的に高まる

と言っています。シンプルだからこそ、良いんです!

if-thenプランニングの事例はこんな感じですね↓

・全体練習が終わったら、腕立てと腹筋を50回やってから帰る
・月曜日・木曜日は、家に着いたらすぐ着替えて30分間ランニングする
・スーパーマーケットでは、お菓子コーナーには行かず、果物を買う
・試合に負けたら、家に着いたらご飯を食べながら試合の動画を見る
・夜寝る前に、必ず今日の気づきをノートにまとめる
・ミーティングでは、1回以上発言する


ほんとにシンプル!!ちなみに、if-thenプランニング作成時の重要なポイントはこの4つです。

①できる限り『具体的に』達成したいことを決める 
例:×筋力を向上させたい 〇腹筋を毎日50回やりたい

②ifは「時間」と「場所」を具体的にする 

③目標達成の過程にある障害物を明らかにしておく

④if-thenプランは紙に書き出す

です。


なぜif-thenプランニングは効果があるのか

 グラント教授は、目標達成のために行動し続ける『習慣化』には3つのポイントがあると述べています。

①決めた行動をする『機会』を、逃さず捉えること

②望ましくない行動を抑制すること

③目標達成に悪影響を及ぼす感情・思考への対処すること

そうそう。これができないから3日坊主だったんだよな、、、って納得。
で、if-thenプランニングはこの3つのポイントを確実におさえることができるのです。それは人の脳の働きに理由があります。

目標達成するための行動を、いつ、どこで実行するかを決める(計画する)ことで、脳内でその条件と行動が脳内で強く結びつくようになります。そのうち脳が「if」を見つけに行くようになり、次にとるべき行動が自動的に生じるようになることがわかっています。つまり、脳はシンプルな計画を立てることで、ifが発生したとき、どんな行動を取るのか迷うことなく実行できるようになるんです。

ifが設定されているから、①にある機会を逃すことがなくなる!脳が迷わず実行できるようになるから②・③の望ましくない行動・感情が入る余地がなくなる!ってことですね。


テニス選手を対象にした研究結果

 if-thenプランニングに関わる研究はあらゆるジャンルで進められてきました。そして、結果はお菓子を食べる量を抑制することができた、体重を減らすことができた、学生が課題を提出する割合が向上したなど、ポジティブな結果を示しています。


このような、習慣化を促す効果はもちろんですが、スポーツ選手のパフォーマンスを上げる効果をもたらすif-thenプランニングの研究結果もあります。

<研究>
テニス選手を対象に、次の試合でプレー中に不安や緊張を感じた場合、どう対処するかについて計画(if-thenプランニング)を作成させた。
 ■例:緊張していると思ったら、深呼吸をする
計画をつくった選手は計画を作らなかった選手に比べて、試合ではるかに高いパフォーマンスを見せた。(コーチ・チームメイトの評価)

このように、選手が試合にあたってパフォーマンスを高める為の準備として、if-thenプランニングを活用することも効果的ですね。
一例ですが、こんな感じ↓で設定すると良いと思います。

<if>不安になったとき <then>ポイント間ジャンプして力を抜く

<if>リードされたとき <then>高いスピンボールを多く使うようにする

<if>マッチポイントを迎えたとき <then>リターンはストレートを狙って先手を取る

まとめ


みなさん、早速実行したい「if-thenプラン」が頭に思い浮かんでいるのではないでしょうか!ぜひすぐに書き出してみてください!一気にたくさんのことはできないので、優先順位をつけてまずは3つ以内を設定して今日から実行ですね!

余談ですが、私がif-thenプランニングについて考えていた時、学生を指導していた際に目にした素晴らしい実例を思い出しました!

高校3年生のA選手は競技も全国トップクラス、勉強もしっかり両立していました。後輩のB選手はなかなかテストで良い点数が取れず、テニスは頑張っていたのですが、勉強で苦戦していました。ある時B選手が、A選手に


「テスト期間中は練習してから、テスト勉強すると眠くなっちゃうんですよ、、、眠気に勝てなくて、やらなきゃいけない勉強の範囲ができなくなるんです。。。」


とぼやきました。するとA選手は

「自分も、勉強中眠くてしょうがない時あるよ。でも眠くなったら、その場で30回腹筋をするようにしている。そうすると眠気が飛んで勉強がはかどるよ。やってみ。」
 
これ、まさに天然で、if-thenプランニングしてますよね!!
しかも、このプランは、「勉強するために眠気を飛ばす」+「競技のパフォーマンスを上げるための腹筋を強化している」という二つの効果をもたらしているではありませんか!

良い結果を出している人、良いパフォーマンスを出している人は、本人が意識せずとも、自分の目標を達成するための『if-thenプラン』が出来上がって習慣になっていることを思い知りました。。。

とはいえ、いまそれができていない人も、嘆く必要はないです!
すぐにif-thenプラン設定して、勝つための習慣づくり実行していきましょう!

<参考>
・ハイディ・グラント(2013)やってのける
・Heidi Grant(2011)Nine Things Successful People Do Differently.Harvard Business Review

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