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「5分で書ける!うまい文章術」を読んだ感想

娘と立ち寄ったセブンイレブンで見かけた、PHP研究所の月刊誌「THE 21」。今月号の「5分で書ける!うまい文章術」という特集がふと目に留まり、買ってみることにした。

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目次をめくると、こんな感じ。

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買った後に気づいたのだけど、あくまでこのコンテンツは「雑誌のメイン特集」。ボリュームとしては計33ページと、それほど多くはない。

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厚みはこのぐらい。まとまった時間をとれない私にとっては、かえってサクッと読めそうでいいかも、とも思った。そしてやはり、昨朝のうちに全部読むことができた。本と違う雑誌のよさは、こういう気軽さにあったりする。


■概要

以下、Amazonからの引用にて概要を。

<第1部>ビジネスパーソンのため文章力養成講座
・自分で自分にツッコミを入れながらキャラクターに合った文章を書こう/山田ルイ53世(お笑い芸人)
・もう悩まない!ビジネス文書の基本&文例集/山﨑政志(山﨑技術士事務所所長)
・相手に手間をかけさせない気の利いたビジネスメールの書き方/中川路亜紀(コミュニケーション・ファクトリー代表)

<第2部>SNS時代の「読まれる文章」の書き方
・文体で読者の心をツカむ!バズる「文章図鑑/三宅香帆(書評家)
・相手本位で考えて、読み手の「不」にアプローチする/山口拓朗(アップリンクス取締役)
・元アイドルライターに学ぶ「発信力」の磨き方/大木亜希子(作家)
・文豪たちの「文章バトル」に見る真の名文の条件

なんというか、おもしろい顔ぶれである。多角的に「文章術」というテーマを攻めている。

実際に読んでみて、それがいいところだなと思った。

ひとくちに文章と言っても、自分が必要な文章・書きたい文章はそれぞれ違うし、書き方にも絶対的な正解はない。だから、バラエティ豊かな文章術に触れられる点はとてもよかった。

全体の感想としては、ボリュームの割に内容が充実していて、共感できるところがたくさんあったり、新しい気づき・学びもあった。

なかでも印象に残った内容を、いくつかピックアップして紹介してみる。


■印象に残った内容

▼三宅香帆さん

どんなときにひらがなにする?
1. 強調したいとき
2. 漢字と漢字が連続するとき
3. 手書きはあまりしないような漢字
ひらがなには、漢字よりも「ゆっくり読ませる」効果があるため、強調したい言葉に使えば、内容が頭に残りやすくなるでしょう。
読点が多いほど、親身になって話しているように読める効果があります。テンポが落ちるため、語りかけるような雰囲気になるのです。反対に、読点が少ないとテンポが速まり、一方的に報告している印象になります。

▼山口拓朗さん

SNSは、「販促ツール」などではありません!SNSは本来コミュニケーションツールです。結果的に販促につながったとしても所期の目的が違います。
セールスの決め手は相手の心を動かすことにあります。そして、心を動かすには、役に立つことが必須
“貢献の文章”を書く意識が大切なのです。常に読み手のためを思って書く姿勢は、信用の蓄積につながります。

▼大木亜希子さん

ネタ、構成、文章、写真やイラストを組み合わせ、多角的に記事を面白く演出する視点が大切です。
タイトル、小見出し、写真は、“読者ファースト”。そこで惹きつけないと、読んでもらえません。一方で、内容は“自分ファースト”。自分が読んで面白くない文章は、他人が読んでも面白くないですから。
何はともあれ、記事はひと晩寝かせる。これが、鉄則です。書き手から読み手の視点にリセットされ、編集しやすくなります。
音読は“文章の温度感のチェック”にも役立ちます。この文章は、勢いで楽しませたいのか、冷静に説得したいのか。


■編集目線で読んでも興味深い

編集目線でいいなと感じたところは、この特集での見せ方。テーマが「5分で書ける!うまい文章術」ということは、ターゲットは文章に苦手意識がある人、文章作成が必要だけどうまく書けない人、だろう。

だからこそ“とっつきやすさ”を意識している要素がいくつもあった。

たとえば、文章術の特集ながら、トップバッターはお笑い芸人の山田ルイ53世。「ツッコミ」というフレーズや、分かりやすい話を使って、なるべく“お勉強感”をなくしている

あるいは、LINEやDMなどのメッセージ画面に似せた誌面デザイン。ふだん馴染みのある見た目、会話方式だからこそ、文章ばかりではウッとなる層も、抵抗なく読めるようになっている。

図解や実例、まとめも多く、なるべく噛み砕いて書かれている。1人あるいは編集部のまとめではなく、さまざまな人に語ってもらっているのもポイント。自分の必要なページ、読みやすい部分だけ読んでもOK。それでいて、内容はかなり濃い。


■残念だったところ

残念な点を挙げるとしたら、コピーライター・梅田悟司さんのインタビューは、文章(またはコピーライティング)の話をぜひ読みたかった…!

テーマは、チーム運営に求められるコミュニケーション。

内容は表紙に書かれていなかったし、文章術の章に組み込まれているのに、開いてみて「ん?」とがっかり。なんとなく文章・言葉の話には触れているけれど、正直どっちつかずな印象。うーん。

私は梅田さんの本「『言葉にできる』は武器になる。」も読んでいるので、そういった話を期待していたんだけどな(買った理由の1つでもあった)。

あとは、特集キャッチコピーの「5分で書ける!」はちょっと言いすぎかなぁ…というのは気になったかも。笑


■お手頃・お気軽に読める文章術

いろいろ書いてみたけれど、なんてったって700円。お手軽に文章術を得るにはとてもコスパよし。サラッと読めるのに、実はかなり重要なポイント、押さえておきたいテクニックが違和感なく書かれている。

興味があれば、一度ぜひ読んでみてください。

それでは、また明日。



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