人生をたとえるなら?
最近、仕事を終えた夕暮れ時にandymoriの曲を聴いています。
2014年に解散したバンドですが、俳優の菅田将暉がファンということで最近また話題になっていました。
その一曲『夢見るバンドワゴン』の歌詞に、
「しかしあいかわらずブルースは続いている」
という一節があります。人生をブルースにたとえるように、憂いや悲しみを抱えながら前に進んでいる感じが好きな一節です。
人生は冒険、人生は旅、人生は紙飛行機、人生は修行・・・
人生観を反映して十人十色。面白いですね。
では、自分の人生をたとえるなら?
このご時世、そんなことをちょっと考えてみるのも良いかもしれません。
この“人生をたとえる“というのは、最近出会った本(おすすめ!)の中でも、“比喩をつくる力”として紹介されています。
そこで、前回に引き続きダニエル・ピンク著『ハイコンセプト』から、“比喩をつくる力”について紹介します。
コンセプトの時代に成功する3つのタイプの人
"類推力、つまり、ある物事を他の観点からとらえることにも長けている必要がある。言い換えれば、次の3つのタイプの人は成功する可能性が大だということだ。それは、「境界を超えられる人」「発明できる人」「比喩をつくれる人」である。"〈ダニエル・ピンク〉
この文章の中で“比喩をつくる”ということが触れられています。
著者はこの3つのタイプの人が「情報の時代」の後にやってくる「コンセプトの時代」に成功すると明言しています。
このうち最初の2つの力「境界を超えられる」「発明できる」については、イメージしやすいと思います。
例えば、マルチな能力を生かして幅広い分野で活躍する人、異なるジャンルの組み合わせから生まれた商品やサービス。様々な異色のコラボ。これからの時代を生き抜くアイデア。
この10年を考えても、成功事例に溢れています。
残る1つ “比喩をつくる力“が、特に今後更に求められてくるのではないかと私は思っています。
”比喩をつくる力”とは?
“全体をしっかりとらえ、共感を生む表現をつくる力”
と言えると思います。
本書から引用すると以下のように説明されています。
”「比喩」すなわち、あるものごとを別の観点で理解することも、「調和」の大切な要素である。
(中略)豊かな時代には、斬新で人を惹きつけるものを考案し創造できる人が、最も多額の報酬を得ることができる。だからこそ比喩を作れる能力が不可欠なのだ。
(中略)比喩的想像力は、他者と共感できる関係を作り、経験を分かち合う上で必要不可欠なものである。”〈ダニエル・ピンク〉
難しい言い回しですが、
”巧みな比喩”は全体をしっかりとらえる力があってこそ表現できるもので、想像力、創造力をもって表現された”比喩”は共感を生む、と言っています。
ここでふと、近年流行っている「デザイン思考」に近いのかな?と思い、改めて調べてみました。
「デザイン思考」とは、“デザインに必要な思考方法や手法を生かして、ビジネス上の問題を解決するための考え方”で、デザイン的なアプローチを取り入れたフレームワークとのことです。
正直なところ、この「デザイン思考」、いまいちピンと来ません。
企画開発の場面では、このような思考法を利用するよりも、
「その商品(サービス)は、誰にとってどんな風にうれしい?」
ということを、様々な“全体”(社会環境、深層心理、感情、愛着、人間関係、世代の繋がりや壁、お財布事情・・・)について想像力と創造力をもって考え抜いて、発想し、カタチにしていく感じなのかなぁと思っています。
ですので、この“比喩をつくる力”という方がピンと来ます。
例えば、愛称をつけるセンスがずば抜けている人が周りにもいますが、そういう人はブランドづくりのセンスもあります。
発想の仕方はそれぞれですが、とにかく物事をしっかり捉えているし、うまく表現していると思います。
自分の人生をたとえると?
ずば抜けたセンスも才能もない自分は、日々悩んで、七転八倒です。
ですが、七転八倒も承知の上。
でこぼこ道を行くワゴンだと思います。
ワゴンに乗って、様々な空模様の下、ワクワクを忘れず進んでいきたいと思っています。
・・・まとまり無く、表現しきれていないので、もう少し考えます。。。
最後に、本書から。
”豊かさのおかげで物質的な癒しを得られても、結局は人生を比喩的にどうとらえられるかということがはるかに大切なのだ。たとえば、自分の人生を「旅」と考えるのと、「ネズミが回す踏み車」と考えるのではずいぶん違う。”〈ダニエル・ピンク〉
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