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どんぐり拾いの思い出から、たったの20年の言葉と、目が見えないということに想いを馳せる

もう少し秋が深まればどんぐりが拾えるだろうか?

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秋空を眺めながらそんなことを思って少しわくわくする。

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あれも去年、どんぐりを拾いにいつもの森林公園に遊びに行った時だったかな。


今日はその日のことを思い出したので少し書いてみたいと思う。


         ***


あの日、息子と落ちているどんぐりを拾いながら、私はのんびりお散歩を楽しんでいた。


どんぐりが落ちている先に向かいながら歩いてくと、


向こうから70代くらいのご婦人が歩いて来られていて、すれ違いそう。


「こんにちは」


とお互いに会釈をして、そのままご婦人は息子をニッコリと見つめて、かわいいねぇと声をかけてくださり、なりゆきでそのまま一緒に歩くことになった。



その先に、老夫婦が並んで座って休憩していた。

そうしたら、そのご婦人が

「もっと話せばいいのにと思ってしまうのよね。」

と老夫婦を通り過ぎた後にお話された。


私は頭に?が浮かんで、ただお散歩の最中に休憩してただけだと思うけどな、どうしてそんなお話されるんだろう?


と思っていたら、

ご婦人が次のお話をされた。

そして、その時の記憶は、こうして今でも呼び起こされる。


          ***


それはどういうことかというと、

ご婦人がご結婚された頃のお話で、

ご結婚された旦那さまとの間に一人息子を授かり、その2年後に旦那さまがご病気で亡くなられたのだそう。


それから、女手一つで息子さんを育てて、

今では息子さんはご結婚され、お子さんもいらっしゃるそう。


だから先程のお話をされたようで、


「もっと話せばいいのにと思ってしまうのよね。」

という言葉は、


ご自身が旦那さまを想いながらお話された言葉なのだなと思ったら


何だか胸がジーンと熱くなった。



そして私は少し躊躇しながら聞いてみたいことを聞いてみた。

「女手一つで子育ては大変でしたね、、」


そんな、分かりきったことを聞くのもなと思いながらも、お返事を待っていると、


「それがね、子育ては楽しかったの。そりゃぁ大変なこともあったけれど、子どもはかわいかったしね、、それより今の方が刹那的と言うか、、」


と子どもさんの話をされた時の目の輝きが印象的だっただけに、その後の表情が曇っていくのがよくわかった。


どうしたのかな?と思っていたら、


「息子は結婚をして子どもも授かって、、だから逆に邪魔してはいけないというか、息子は近くにいるし気にかけてくれるけれど、目の前の生活で精一杯だと思うからね。」


「子育てはたった20年くらいだから、その後の今の方が何て言ったらいいのか、、今日も行き先を決めずにタクシーに乗り込んでしまったのよね。そしてたどり着いた先がここだったの。」


そのようにお話してくださった。


何だか私は話をうんうんと聴くのに精一杯で、何も言うことができなかったけれど、


その想いが滲むように伝わってきて、少し胸がギュッと切なくなった。



それからしばらく一緒に歩いて、今日はありがとう、楽しかったわと、先程買ったというお菓子を、子どもさんと食べてね、とくださった。


あの頃はこんなコロナが流行るとは少しも思ってなかったし、

今思うと貴重な時間だったな。



その後、バスで帰ろうかしらとおっしゃっていたのだけれど、バス停の場所が分からず、

向こうから歩いてきた男性に声をかけて聞いてみようと思った。

その方もご婦人と同じくらいのご年齢かな?と思っていると、


「ボクかわいいねー!いくつ?」


と男性の方からフレンドリーに息子にお話してくださった。


少しホッとしながら、そのまま


「ありがとうございます。」


「あの…この近くのバス停を知りませんか?」

と聞いてみると、


「あぁ、今から僕もバスに乗るところだから一緒に行きますよ😀」


と明るいお声が返ってきてさらにホッとした覚えがある。

そして、次の言葉に驚いた。


「僕ね、視野狭窄(しやきょうさく)なんですよ。今この範囲しか見えてないの。」


と、これまた明るくジェスチャーと一緒に教えてくださった。


何でも、先天的なものではなく、後天的に、つまりは、生活する中で学生時代に視界が狭くなってしまったと手短に教えてくださった。


視野狭窄はどんな病気?】
視野狭窄とは簡単に言えば視野が欠ける病気です。視覚障害の1つです。視野が欠けると言われてもピンとくる人は少ないかも知れません。実際に視野が欠けた人でも自覚するまでにはなかなか時間がかかり、気づいた時にはかなりの視野を失っていたりします。視覚障害のため、認定されれば障害者手帳を発行してもらえますが少し視野が欠けただけでは認定されるのは難しいです。




          ***


視野狭窄については、私は少しだけ知っていた。


以前勤めていたNPOで、

視覚障害者の方ご自身たちで白杖(はくじょう)👨‍🦯👩‍🦯をつくるNPOに数日実習させて頂いたからだ。


そこは


視覚障害者の方々中心の小規模作業所としてスタートした作業所で、

白杖づくりのほかにも、点字印刷小物づくりなどの作業を行なっていた。


その目的は、視覚障害者の方々が社会で安心して楽しく生活できる様な技術と精神力を身につける

視覚障害者リハビリテーション」の役割だそう。



ちなみに余談になるけれど、この時、カンボジアから視覚障害のある高校生くらいのカンボジア人の女の子が来ていた。

何でも、ダスキンが行っている、以下のサイトのダスキン•アジア太平洋障害者リーダー育成事業で日本に来たそう。


彼女は全盲だった。そしてその時、ある絵本を彼女と読んだことを覚えている。


それは

地雷ではなく花をください


という絵本なのだけど、

先程の視覚障害の方々の作業所で点字をつけたのかな?


とにかく点字でも書いてあったので、彼女も指で点字をなぞりながら読んでいた。

点字で日本語を覚えたということだよね、、凄いな。




ちょうど、この数年前、私はカンボジアに行って、カンボジアの物語を仲間と作っていて、当時の仕事先の児童養護施設の子どもたちとも読みたいと思っていた。


それが難しくなって、どうしようと悶々としていた時期に彼女と会って、


全盲の彼女が、カンボジアから日本に来て、日本語の絵本を点字で読んでいる


何だかそれがとても衝撃的で、今でも何て表現していいのか分からないけれど、とにかく当時の私にとっては本当に素敵な出会いだった。


そして彼女が住むカンボジアの地域は、日本と違って道が整備されていなくて凸凹しているし、点字ブロックももちろんないとお話を聞いたと思う。


そんな中で、日本語も学んで、日本に来て、、本当に凄い。


今彼女は何をしてるのかな?


と想像してしまう。


そして彼女とは日本語でお喋りした記憶があるし、弾んだ声色を今でも覚えている。ニコニコした笑顔が印象的だったな。

今も元気にしてるといいな。


ちなみに数日前、あるオンライン勉強会で、私が以前カンボジアに行った時にコーディネートしてくださった方がお話されるとのことで、


少し参加してみた。その日はバタバタしていて、最後の10分くらいしか聴けなかったけれど、


わぁ、○○さん懐かしいなぁ、と思いながら少しだけ話に耳を傾けていると、


何とカンボジアではつい先日、コロナの患者数が0人になったのだとか。


それは検査の有無の問題なのか、、

よく分からないけれど、とにかくカンボジアでは、コロナで日々が大変という印象ではないのだそう。



私はこの前、知っている方がオーストラリアで看護師として復帰するということを聞いたばかりだった。


その時、オーストラリアでは何度目かのロックダウンの後で、コロナが蔓延する中でのICUでの看護師復帰とのことで、何だか緊迫していたし、お互いの無事と再会を祈り合った。


だから、カンボジアのコロナのお話に、何だか国によってこんなにも違う状況なのだなぁと驚いてしまったのだった。


とにかく、コロナの終息を今は祈って私は私にできることをするしかないと思うけれど、

世界中で行きたいところに行って、会いたい人に会える日を想像してしまう。

きっとそれまでにはない気持ちで、喜びも分かち合えるのだろうなぁ、、


         ***


そして話は戻り、

先程の視覚障害者の方々の作業所では、視覚障害者の方々のお散歩に同行させて頂く機会があった。


全く見えない方もいらっしゃれば、先ほどの男性のように視野狭窄の方もいらっしゃるところで、


大体の方のお散歩中に頼りになるのは、


視野以外の聴覚などの感覚

白杖一緒にお散歩をする職員の方の声がけ

横で一緒に歩く私たちの肩

などなのだと教えていただいた。


とにかく、試しに目を瞑りながら横断歩道を渡るのも、横断歩道のこっちの音が聞こえたら歩き出す、、ということを分かっていても怖くて仕方なかった。


その時のお散歩の経験だけでも、視覚に頼れないというのは怖いと私はどうしても感じてしまったし、


後天的に視覚障害者になられた方は特にそうなのだと伺った気がする。



さらには、そのお散歩中に、視野狭窄が体感できるというゴーグルのようなものを装着して私たちも歩いた。


もう、怖くてたまらない。


足下も下を見ないと見えないし、


この状態で横からボールでも飛んできたら、、なんて思うとさらに怖くなった。


見えないってこんなに不安なんだな、、


         ***


ちなみに、後に東京へ研修に行った時には


ダイアログ•イン•ザ•ダークという真っ暗闇の中、一緒に参加したメンバーとミッションを行うという経験をした。


ダイアログ•イン•ザ•ダークのHPには次のように書いてある。

目以外のなにかでものを見たことが ありますか?
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、視覚障害者の案内により、完全に光を遮断した”純度100%の暗闇”の中で、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテイメントです。
これまで世界41カ国以上で開催され、800万人を超える人々が体験。 日本でも各地でオリジナルイベントが開催されています。


そしてそこのスタッフの方は視覚障害者の方もいらっしゃり、そのミッションに同行してくださるのだけれど、

もう暗闇のエキスパートと拍手してしまったくらい、暗闇においての視覚障害者の方の感覚の鋭さを実感した。


ちなみに私はここでも怖くて仕方なかった。もう、一緒にミッションをする方々との信頼関係を試されるような、、暗闇の中、本当に私は怖くて、最終的に気持ち悪くなって離脱したくらいだった。


そして私以外にも途中離脱した子がいた。


そのくらい真っ暗闇の中でのミッションはいつもとは違う状況で、私にとっては辛いものだった。


途中で視野を失う


ということは、言葉では表せないような想いなんだろうな、、


これは体感からの想像でしかないけれど、

毎日がこんな世界だったら、、と思うと、本当になんて言っていいのか分からない。


         ***


だから、公園で出会った男性が明るく教えてくださった、過去の視野の中途障害のお話は、その当時どんな想いで、それをこうしてお話されるまでにどんなご経験をされてきたのかな、、と


少し想像を巡らせてしまった。


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その後、ご婦人と男性は一緒にバス停に向かわれた。


何だかホッとしたし、

私にとってはいつもと変わりない公園でのお散歩のはずだったのだけれど、


この日の記憶は何だかよく思い出される。


当たり前だけれど、

色々な世界が、みなさんの中には広がっているのだなぁと、ほんの20分くらいの会話の中で教えて頂けたような、私にとってはとても貴重な時間だった。


今となれば、色々と考えを巡らすきっかけも頂けた時間だったなとも感じる。


         ***


そして、子育てはたったの20年くらいというご婦人の言葉と、あてもなくタクシーに乗り込んだという言葉と表情、、


あぁ、私も今は目の前のことで精一杯だけれど、


いつか息子が私の手から離れた時にも、自分で楽しめるというのか、打ち込めるというのか、


そうしたことを今から少しずつ見つけておきたいな、、



ちょうど1年前くらいに


何だか目の前のことで精一杯だった私だったのだけれど、それでも、、とそんなことを漠然と感じていたのだった。


今、どこに芽が出て、すくすくと育ってくれるかはまだまだわからないけれど、


何となく種まきをしている気分なのだ。


息子が私の手から離れた後の人生を少しだけ想像しながら、


私にとってのライフワークも、少しずつまた育てていけたらいいなと、


本当に少しずつではあるけれども、


そうした想いもあって、


また世界一周したいなとか、学習の困りごとのICT 活用の勉強をしていきたいなと考えている気もする。


私は瞬発的に動くことがあまり得意ではないし、今は色々な働き方もあるから、色々今から調べたり模索しながら、

動きたい時に柔軟に動いていけるように準備はしておきたいと思っている。


そして今まで自分一人でできたことってどのくらいあるかな?と思うと、


特に仕事もチームプレイだったと感じるし、


これからやりたいことも仕事にしていくのなら、どんな環境で働くかも今後はとても大切なことなんだろうなと思うので、


自分の大切にしたいことを大切にしながら、できることをマイペースに穏やかに、できればニコニコしながらできるといいのにな


と今は思っている。


おそらくこれから少しやることも増えて、環境も変わっていくので、余計に目指す方向性を考えているのだとも思うけれど、

とにかく最近は眠たくて眠たくて、、笑


夏バテしないように、身体も休めながらやっていきたいなと感じる。


みなさん、夏バテは大丈夫ですか?


みなさんもどうぞご自愛くださいね🙌🏻😌


そして、どんぐりがいつ拾えるかなとまた考える。

ちなみに、こちらは椎の実で、

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去年は椎の実でクッキーを作るというイベントで、息子は美味しそうに椎の実のクッキーを食べていたな。


そして、これはそこで息子に早く帰ろうと言われながら拾った枝や紙粘土で作ったクリスマスのグッズ🎄

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これにリボンをかけて、、

あれから1年間飾りっぱなしの我が家です、、笑


秋が過ぎればもうクリスマスに年の瀬、

今年も残す所3か月なんて早いですね😌


息子とのどんぐり拾いが今年も楽しみです。(私の方がかもしれませんが。笑)


今日も長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました☺️


少し私の思い出話しでした🌰🤏


それではみなさんにとってもよい一日になりますように🙌🏻🍁


【追記】

フォロワーのグレイさんがダイアログ•イン•ザ•ダークのある動画を教えてくださいました!

もう泣きました、私は😭

こんな経緯でできていたなんて、、

みなさんもよかったらご覧になってみてくださいね😌🙌🏻

グレイさんありがとう💓




私のnoteの中身

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一緒に生まれた家族の死をきっかけに、人生を楽しんでやりたいことやろうと過ごしてきた私の日常や思い出を、優しさの伝染を心がけて記事にしていきます☺︎今の夢は子どもに絵本を書くことです。あなたから頂いたサポートは優しさにかえて記事にしたり夢を叶える為に使わせていただきます☺︎