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自然に、片付ける(陶芸家三宅直子さんの点前座にも水屋にもなるキッチン・後編)

気のせいだったのかと思うほど一瞬で終わった梅雨が、気を使ってもどってきてくれたようでほっとしています。あまりの猛暑にサーキュレーターを1台増設した大宮区土手町のリンクス・ホリより、茶と家プロジェクト担当わたぬきです。

茶の湯とともに暮らす方のご自宅にお邪魔して、お茶を一服点てていただき、支度や片付けなどを見せていただく連載「お茶を一服、いただけますか」第三回。
前回に引き続き陶芸家・三宅直子さんのキッチンからお送りします。
収納やお仕度を見せていただいた第一回、お茶を点てていただいた第二回はこちら↓

お片付け

清める、乾かす

ワークトップ(調理台)にモノがないため、一時乾燥のスペースになります

ペニンシュラキッチンのワークトップとコンロをお点前スペースに見立てた直子さんのお茶空間。
片付けは隣のシンクに流せますので愉快なほどスムーズでした。

鉄瓶、水指の水をシンクに空け、茶筅や菓子切、茶巾も清め、ワークトップやコンロの上で自然乾燥。
茶碗もシンクの中で清め、壁面のワークトップで壁に寄せて乾燥。

お茶碗は壁に沿わせて

仕舞う

そして次のご飯のお仕度をされる前に、乾いたお道具からしまっていきます

前編でご紹介した茶道具専用の戸棚に収納

中編のインタビューで伺った失敗譚で、「お道具を使用後すぐにしまったために貫入にカビが…」という悲しいお話がありましたが、
焼き物も半日~1日しっかり乾燥させれば安心です。

直子さんの収納と言えば、こちら、お気づきになりましたでしょうか…?

イソギンチャクみたいなこの子

個人的に目から鱗だった収納方法なんですが、
これ、乾ききった茶筅を、さかさまにした茶筅直しの中に立たせているんです…!

茶筅と茶筅直し

茶筅直しは濡れている茶筅がすぼまらないように、穂先の中に入れてぐっと広げるようにしてつかうんですが、乾いてからも入れっぱなしにしてしまうと茶筅の柄が割れる原因になってしまいます。
なので毎日使用しないときなどは茶筅と茶筅直しは別々にしまうことが多いんですが、場所を取りますよね。
それが直子さん式になるとこう。

こう

コンパクト かつ 安定感もあって合理的。
そしてなんとなくかわいい。
随所に快適にするアイデアが詰まっていて素敵です。


以上、陶芸家三宅直子さんの水屋にも点前座にもなるキッチンでお茶を一服いただきました。
直子さん、大変ありがとうございました。

まとめの学び

  1. 道具は使いやすく、ひとところにまとめておくべし

  2. 使いたいものは、目につくところに出してテンションを上げるべし

  3. 目隠しのないオープンキッチンは、工夫次第でお茶空間になる

  4. 高さのある道具(ここでは水指)は空間を引き締め、結界を作る

  5. 使用後の道具はとにかく乾かしてから、定位置へ

n studioオープンアトリエ

東京都町田市南成瀬の直子さんのアトリエ[「'n studio(エン スタジオ)」では、陶芸制作の場として毎月オープンアトリエを開催されています。

・毎月第1・3金曜日 または 第2・4金曜日
・9:30-12:00 または 14:00-16:30
・会費 ¥5,000/月
・土代(釉薬・焼成費込み) ¥1,000/800g
・入会金 ¥5,000
・JR横浜線「成瀬」駅より徒歩約15分
・お問い合わせ: mail@e-n-studio.com

おわりに

第一回ということで、大変手探りの取材でしたが、快くご対応いただき直子さんには心から感謝を申し上げます。記事作成においてもたくさん書かせていただきたいことがあり、分量が膨らみ時間もかかってしまいました。
取材させていただいたのが5月だというのに、もう7月…

しかし書きながら私自身がとてもたのしく学ばせていただくことができました。
本当にありがとうございました。

次回以降はもう少しギュッとまとめることを意識しながら、
毎月一件の更新ができるよう取り組みます。

引き続きご覧いただけたら幸いです。

文:わたぬき 絵:わだのぞみ

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