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C10イギリスの農場に初出勤

初出勤の日は快晴です。ありがたいことです。初日が雨だと、モチベーションが下がってしまいますからね。手持ちの食糧もほとんど残っていないため、適当にサンドイッチを作ってお弁当にしました。すると、朝食用の食べ物がなくなってしまいましたが、まあいいです。食べ物はあります。ただし食べる時間が遅くなるだけです。自分で納得しました。誰も文句を言う人なんていません。それに、農場に出勤する緊張であまり食欲もないです。バックパックからくたびれたスーパーのビニール袋を取り出して、お昼ご飯を包みました。作業中にのどが渇くだろうから、水道水をアルミの水筒に詰めました。ドアを出ると、明るいイングランドの朝の太陽が昇ってきています。

農場への道をしっかり覚えているわけではありませんが、「なんとなくこっちだったよな…」というかなりいい加減な方向感覚で歩き始めました。とにかく広い農場のようで、かなり歩いてもまだ農場敷地内のリンゴ畑が続いています。囲い込み運動で地主が農地を占有したという歴史を高校のときに習ったことを思い出します。すれ違う人もいません。実は正直ホッとしています。というのも、向こうから誰か歩いてくるとすれば、ずいぶん手前からその姿が見えるわけで、緊張した状況でどう挨拶すればよいのか戸惑ってしまうかもしれないと心配だからです。もちろんイギリスなのだから「グッドモーニング」でいいはずですが、ちゃんと発音できるか急に自信がなくなります。

今までは英語が母国語ではない人たちと英語で会話をしてきたので、まあなんとか通じるだろうと高をくくって話をしていましたが、ここは英語の本家本元です。労働許可証を発行してくれたおばちゃんも、農場のボスもとても聞きやすい英語を話していました。それに比べて私の個性的な英語の発音は、かなりダウングレードです。そんなことを考えながら歩いていると、いきなり後ろから「グッ、モーニング」という挨拶が聞こえました。自分も反射的に「グッドモーニング」と答えました。その男性は颯爽と自転車で私を追い抜いて、見る間もなく過ぎ去っていきました。今まで後ろから追い越しざまに挨拶される経験なんてなかったので、かなり新鮮な経験でした。かっこいいと思いました。それでなんとなく肩の力が抜けて、未経験の緊張感もずいぶん和らぎました。

農場に到着すると、先に来ていた他のアルバイトたちがすでに作業を始めていました。ボスに挨拶をし、指示を受けてから作業に加わりました。初日は主にリンゴの収穫と整理作業です。思ったよりも体力を使いますが、広々とした青空の下で働くのは気持ちがいいです。昼食の時間になり、サンドイッチを取り出して食べました。簡素な食事ですが、新鮮な空気の中で食べると格別です。

午後の作業も順調に進み、夕方には疲労感とともに達成感を感じました。初日の仕事が終わり、農場を後にして帰宅の道を歩きます。行きと同じ道を通りますが、朝とは違い、夕焼けが美しい景色を彩っています。イギリスの田園風景は本当に絵になりますね。

家に帰ると、すぐにシャワーを浴びて汗を流し、さっぱりしました。夕食には、昨日の残りのミートパイを温めて食べました。体を動かした後の食事は美味しく、すぐに眠りに落ちました。明日も頑張ろうと思いながら、静かに眠りに落ちました。


イギリス人が古いものに固執する理由

イギリス人が古いものに固執する理由は、いくつかの要因によります。まず、イギリスの歴史と伝統が深く根付いていることが挙げられます。イギリスは長い歴史を持つ国であり、多くの文化的・歴史的遺産を誇っています。このため、古い建物や家具、日用品などに対して強い愛着を持つ人が多いのです。

次に、品質と職人技の重視が関係しています。古いものには、現代の大量生産品にはない手作りの良さや細部へのこだわりが詰まっています。イギリスでは、伝統的な職人技が尊重されており、古いものはその証とも言えます。これにより、古い家具や建物が丁寧に保存され、使われ続けることが多いのです。

さらに、持続可能性とエコロジーの観点からも古いものが好まれます。古いものを大切に使い続けることで、新しいものを頻繁に買い替える必要がなくなり、資源の節約や環境保護に貢献できるという意識が広まっています。イギリス人は、このようなサステナブルな生活スタイルを好む傾向があります。

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