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好き嫌い 行動科学の最大の謎

どんなことだって、決まってさいごは好き嫌い。

好きだったものが、ふとしたことでどうしようもないほど嫌いになったり、みんなが嫌いなものが案外好きだったり。そんな気分と気性とが入り交じる、とらえようがない『好み』にスポットライトをあて科学するのが本書。

そんなの分かりっこない、じぶんだってわかってないんだから。とも思いつつ、ページをめくりはじめた。

たべものの嗜好にはじまり、NetflixやAmazonのレビューの影響を解説し、好みの予測や理屈、好みの変化につぎつぎ挑戦していく。

期待どおりなら、好き

好みとは、つまり期待と記憶のことなのだ。何かをたのしみにしているときでも、それを前回たのしんだときの記憶を振り返っている

レストランで注文した、じぶんが選んだものに対して「どうだった?」と聞かれると「そうだね。わるくないよ。」と誰しもいいたくなる。じぶんが選んだものをより好きに、選ばなかったものを嫌いになる。「あっちのほうが良かったかも・・・」という不安を避け、自分の行動を正当化するような態度をとると。(どうせなら、しあわせでありたいですよね)

後からくるひとは、嫌なことばかりいう

本を買うとき。アマゾンのレビューは、けっこう参考になると思って熟読してましたが、新事実。

本の評価は一般的に時間の経過とともに否定的になる傾向がある。ある研究によれば「商品の評価が蓄積されるほど、評価は低くなっていく」

”ある研究”はこちら:Sequential and temporal dynamics of online opinion

ポジティブな評価をつけたレビューに影響されて、そんなに好きでもない人も買ってしまうから、「そんなにいうほど良くないじゃないか!」と失望した人がふえていってしまう、ということ。(なんて勝手なんだ!とおもいつつ、批判的なレビューをしたくなるきもちもわかります)

好きは、学ぶ

お気に入りの音楽は、なんども聞いているからカラダにリズムが染み付いているし、好き嫌いだってアタマにしっかり染み付いている。

多くの心理学者は、刺激ー音楽や図形や中国の表意文字などーに繰り返し接触すると「知覚的流暢性」が高まり、その刺激をより容易に処理できるようになると主張している。

好きなものはどんどん好きになるし、食わず嫌いなものは好きになる機会がどんどんなくなる。それはなんだかもったいない。(back numberばっかきいてるけど、King Gnuもわるくないかも!)

「なんかいいかも」+「どういいの?」=「好き」

はなしは芸術作品に。

絵を見ていると二重過程と呼ばれる現象が生じる。意思決定の過程で、直観的な推論と論理的な推論が相補的に展開される(略)ボトムアップ型の感覚器官とトップダウン型の認識装置のあいだで交わされる対話のようなもの

絵画をみると、じぶんの気持ちがかがみに映されるように感じる。絵にそれは限らなくて、空模様だったりもするし、人の表情も同じかも。

目や耳が刺激を受け取るまえから、アタマはあらかじめ「いいね」の準備がばっちり。朝からなにかいいことがあったからかもしれないし、なんだかいい香りがするからかもしれない。(好きなんじゃなくて、好調なだけかも)

みんないっしょが好きだし、嫌い

「日本の女子高生は、みんな同じような格好をしてるけど、よくみると少しずつちがっている」という話をきいたことがある。(本書にかいていたのかどうかは、忘れてしまいました。。)互いに似ていることの安心感を得ながらも、新鮮さや個性をだしたくなる気持ちはわかる気がする。

そんなJKの考え方は、工業デザイナーのレイモンド・ローウィが提唱した考えと共通する。新しいものの誘惑と、未知のものへの恐れのせめぎあいだ。

MAYA(Most Advanced, yet acceptable)

 きわめて先進的だが、受け入れられるぎりぎりのところ

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人の意思決定は、たいていは前提となる価値観、好きか嫌いかによって大きく左右されてしまう。だからいつも顔色をうかがって「きょうはいけるかな?」と思案し声をかけてみる。

しかし、そもそも「この人は好きだ」とおもってもらえる関係をつくっていくことのほうが、よほどいいのかもしれないなぁ。。次はナンパ士の本でもよんでみようかな。ちがうか。

ここまで読んでくださり有難うございました!おすすめの心理の本などあったら、おしえてもらえたら嬉しいです。