中村成吾

塔短歌会・現代川柳 琳琅 所属。短歌・俳句・川柳・詩・花・古典・ピアノが好きです。どう…

中村成吾

塔短歌会・現代川柳 琳琅 所属。短歌・俳句・川柳・詩・花・古典・ピアノが好きです。どうぞよろしくお願いいたします。平成4年生まれ。短歌:2013年2月~・俳句:2008年4月~・川柳:2024年4月~ 私家版『歌集 瑠璃色の夏の終りを見届けながら』(2023年8月発行)

マガジン

  • noteで出会った気になる記事🌟

    noteで出会った気になる記事や読み返したい記事をまとめています。

  • 柳誌『現代川柳 琳琅』より

    柳誌『現代川柳 琳琅』に掲載された句や評をまとめています。

  • 読書のあしあと🐾

    読書記録をまとめています。

  • 歌誌『塔』より

    歌誌『塔』に掲載された歌や評をまとめています。

最近の記事

柳誌『現代川柳 琳琅』No.187(2024-7)掲載句「春の雪指の先から好きになる」

皆さま、こんにちは。 川柳をはじめました。 いろいろな団体・グループの情報を集めて検討した結果、柳誌「現代川柳 琳琅」の誌友になりました。隔月刊です。 発行所は静岡市葵区で静岡県出身の私は親近感を覚えました。 これまでも川柳はときおり作っていたのですが、手元のストックが300句を超えてきたあたりから、そろそろ選を受けてみようかなと思ったのです。 私の川柳との出会いは中野に住んでいるときに図書館でたまたま手に取った時実新子の句集を読んだことです。 それまでの私は川柳は「サラ

    • 西山ゆりこ『句集 ゴールデンウイーク』(朔出版・平成29年)

      みなさま、こんにちは。 今日は句集です。 あどがきによると著者 西山ゆりこさんは20歳から俳句をはじめて現在40歳。夢、希望、孤独、挫折をうたい、やがて母となりゆく作者。 俳人 阿部みどり女の「写生に始まり、写生に終わる」の精神を受け継ぎながらも、その俳句は写生の域を超えてリアルな言葉で読者の胸に迫ってきます。 一定の機械音があることで却って無言の空間が重々しく感じられる。 「無音」ではなく「無言」である。 主体は誰かと相対しているのだ。人間ではない何かと。 暗緑色

      • 歌誌『塔』2024年6月号掲載歌「藍の浴衣で川越行かな」

        皆さま、こんにちは。 今日の午後は大気が不安定で、落雷や雹に注意が必要だそうです。 気温も高くて外出には不向きでしょうか。 お出かけなさる方はお気をつけくださいませ。 明治17年の御歌。初夏に思い出す歌のひとつです。 「世のおおかたの人は、もうすっかり夏の心になってしまったようです。  散り果てた花のあわれを言う人ももうおりません。」 連日の暑さゆえ、私もすっかり「夏心」になりました。 午前中、久々に池袋のヤマハ楽器で電子ピアノを見てきました。 店員さんにClavinov

        • 歌誌『塔』2024年4月号作品批評(2024年6月号掲載)-後編-

          みなさま、こんにちは。 半年にわたる選歌評欄の担当も今月が最終回です。 執筆の機会を下さった塔短歌会の編集部の皆様に深く感謝しております。 それから私の拙い歌評を読んでくださった皆様にも。 それでは4月号の作品批評をどうぞ。 選者:梶原さい子 評者:中村成吾 去年は見なかった場所に南天の実がなっている。風のしわざか鳥のしわざか。嬉しい発見だ。 雪の白が南天の赤をよりいっそう際立たせる。無駄のない言葉の運びが読んでいて心地よい。 事情があって今年は帰省しなかった。ずっ

        柳誌『現代川柳 琳琅』No.187(2024-7)掲載句「春の雪指の先から好きになる」

        マガジン

        • noteで出会った気になる記事🌟
          10本
        • 柳誌『現代川柳 琳琅』より
          1本
        • 読書のあしあと🐾
          10本
        • 歌誌『塔』より
          24本

        記事

          歌誌『塔』2024年4月号作品批評(2024年6月号掲載)-前編-

          みなさま、こんにちは。 今日は朝から雨。草木が喜んでいるようです。 それでは4月号の作品批評をどうぞ。 選者:梶原さい子 評者:中村成吾 行きも帰りも真っ暗。私たちは生きている間のみわずかに光のもとに生活する。 一連の中には「微笑みつつ母に要らぬと言はれた日産まれてごめん生きててごめん」という歌もある。人によって置かれている境遇によって暗さは異なる。 そういえば、「産まれ落ち」るという表現があるが、産まれることをなぜ「落ちる」というのだろうか。天界から落ちるイメージがあ

          歌誌『塔』2024年4月号作品批評(2024年6月号掲載)-前編-

          歌誌「塔」創刊七〇周年記念特集:公募エッセイ「言葉はそのまま光となりぬ」

          みなさま、こんにちは。 今日こちらは雲ひとつない好天です。 私の所属している歌誌「塔」は創刊70周年を迎えました。 これを記念して4月号では特集が組まれています。 その中のひとつに公募エッセイがありました。 次の3つのテーマのうちひとつを選んで、末尾に自作の一首を添えて提出するというものでした。 ①わたしの最初に載った一首(入会して最初に「塔」に載った歌を挙げること) ②わたしが塔に入った頃 ③わたしの作歌現場 私はテーマ①を選びました。 ふだんは塔誌の短歌を通して会

          歌誌「塔」創刊七〇周年記念特集:公募エッセイ「言葉はそのまま光となりぬ」

          歌誌『塔』2024年5月号掲載歌「お姫さまのやうな名前の」

          みなさま、こんにちは。 初夏の風。今日はいまのところ湿度も低くて快適です。 昨夜から『DIE WITH ZERO:人生が豊かになりすぎる究極のルール』という本を読み始めました。 ずっと気になっていてそのままにしていたのです。 カバーの端に「人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ」と書いてあります。 最近、部屋の観葉植物が新しい葉っぱを次々と出しています。 冬よりも夏ほうが好きなようです。 水もたっぷりとあげなくては。 それでは『塔』2024年5月号の掲載歌。梶原さい

          歌誌『塔』2024年5月号掲載歌「お姫さまのやうな名前の」

          歌誌『塔』2024年3月号作品批評(2024年5月号掲載)-後編-

          みなさま、こんにちは。 今日は暑いですね。 いま洗濯乾燥機を回しているのですが、室温も少し上昇しています。 今回、題詠四季(9月号)に初めて投稿してみようと思います。 葉書も買ってきました。 それでは3月号の作品批評をどうぞ。 選者:梶原さい子 評者:中村成吾 冬空から湖に飛来するコハクチョウの軌跡を「光の筋」と表現したところに掲出歌の眼目がある。 コハクチョウの白、冬という季節の白、これらと相俟って一首全体が美しく白基調にまとまっているように感じる。 湖の上に浮かぶ

          歌誌『塔』2024年3月号作品批評(2024年5月号掲載)-後編-

          歌誌『塔』2024年3月号作品批評(2024年5月号掲載)-前編-

          みなさま、こんにちは。 今日は早朝4時に目が覚めてそこから朝散歩。 涼しくて静かで心地よい朝でした。 そして本日は文学フリマ東京の開催日。 久々に見に行こうかと思っていたのですが、あいにく家の排水管清掃が入ってしまいました。 業者の方がお見えになるので、在宅していなければいけないのです。 おとなしく本を読んでいます。 それでは3月号の作品批評をどうぞ。 選者:梶原さい子 評者:中村成吾 週末くらいは何か美味しいものを食べたい。 ふだんは手の出ない寿司にしよう。 とは

          歌誌『塔』2024年3月号作品批評(2024年5月号掲載)-前編-

          日下野由季『句集 馥郁』(ふらんす堂・平成30年)

          みなさま、こんにちは。 今日は『句集 馥郁』という本を見ていきましょう。 本書は日下野由季さんの第二句集で、第42回俳人協会新人賞を受賞されました。俳誌「海」の編集長をなさっています。 俳人の大木あまりさんが栞文を寄せています。大木さんの「どのページをめくっても、透明な句に出会うことができる」という一節が本書を象徴していると思います。とても素敵な句集です。こういう本はめったに出会うことができないので貴重です。 外に出て金木犀のかおりに出会うと、秋の深まりを実感します。

          日下野由季『句集 馥郁』(ふらんす堂・平成30年)

          歌誌『塔』2024年4月号掲載歌「水面(みなも)にさくらの花びらひかる」

          みなさま、こんにちは。 連休の方も多いと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。 それでは『塔』2024年4月号の掲載歌。山下泉選です。 「シロツメクサ」いわゆる「四つ葉のクローバー」でおなじみの草花。 白詰草と書くのは、江戸から明治にかけて、輸入品の詰め物(衝撃緩衝材)として用いられていたことによります。植物図鑑などを参照するとだいたい書いてある通説ですね。 「餃子の満洲」は父から教えてもらって知りました。埼玉県の川越に本社があります。 学生時代に住んでいた町の隣駅にお

          歌誌『塔』2024年4月号掲載歌「水面(みなも)にさくらの花びらひかる」

          歌誌『塔』2024年2月号作品批評(2024年4月号掲載)-後編-

          みなさま、こんにちは。 今日は初夏の風。 四月号の歌評原稿を書き終えたら外に出る予定です。 写真はやまぶきの花です。 選者:梶原さい子 評者:中村成吾 古本を買ってひらいてみると書き込みがあった。うわ、書き込みがあるよ…と落胆するか、どれどれ何が書いてあるんだ…と愉しむか。主体は後者のようだ。歌集や句集では作品の頭に丸印がついている古本にお目にかかることが多い。気になる言葉に波線が引いてあったり、たまに自作と思われる歌が横に書き添えてあったり。味のある古本に出会うと少し

          歌誌『塔』2024年2月号作品批評(2024年4月号掲載)-後編-

          歌誌『塔』2024年2月号作品批評(2024年4月号掲載)-前編-

          みなさま、こんにちは。 ここ最近、一気に気温が上がってきました。 街中には半袖の人も。 写真は「みぞそば(溝蕎麦)」の花です。 それでは2月号の作品批評をどうぞ。 選者:梶原さい子 評者:中村成吾 「やはらかな群れ」という把握が、子と向き合う主体の実感を読者に伝えてくれている。 短歌では「愛している」などと言わなくともしっかりと伝わるものだ。 そして、下の句では主格を入れ替えたリフレインが展開されている。 永井陽子の「ゆふぐれに櫛をひろへりゆふぐれの櫛はわたしにひろはれ

          歌誌『塔』2024年2月号作品批評(2024年4月号掲載)-前編-

          熊野御前(ゆやごぜん)―なれしあづまの花やちるらむ―

          みなさま、こんにちは。 好きな花の香りは?と聞かれたときに、みなさまは何を挙げるでしょうか。 私がまずに頭に浮かぶのが「藤の花」です。郁々たる藤波は晩春の象徴だと思います。 さて、私のふるさと、豊田町(現磐田市)に行興寺という古寺があります。 かつて豊田町池田の地は、旅人の行き交う東海道の宿場町であり、天竜川の渡し場がありました。 なお、天竜川とは、水源の諏訪湖(長野県)から愛知県、静岡県を経て太平洋へと注いでいる一級河川です。 今日は私が学生時代に書いた熊野御前に関する

          熊野御前(ゆやごぜん)―なれしあづまの花やちるらむ―

          アーリング・カッゲ『静寂とは』(辰巳出版・平成31年)

          みなさま、こんにちは。 今日は珍しく海外の方の書籍です。 著者Erling Kagge(アーリング・カッゲ)氏は、世界で初めて三極点(南極点、北極点、エベレスト山頂)に到達した世界的に有名なノルウェーの冒険家とのことです。1963年生まれ。 なお、本書の原タイトルは『SILENCE IN THE AGE OF NOISE』です。 本書は、この命題の答えを見出すための”33の試み”が綴られたエッセイです。 さて、今日はエッセイ(essay)という言葉について少し考えてみよ

          アーリング・カッゲ『静寂とは』(辰巳出版・平成31年)

          歌誌『塔』2024年3月号掲載歌「小窓をあけて鳥語を聴きぬ」

          みなさま、こんにちは。 昨年の夏に私家版『歌集 瑠璃色の夏の終りを見届けながら』を作成しました。先日、日本現代詩歌文学館(岩手県)に寄贈したところ、受理していただきました。現在、一般書架に配架されております。書誌番号はB10931274。自分の書誌レコードが作成されているのは不思議な感じ。嬉しいけれど。 それでは『塔』2024年3月号の掲載歌。小林信也選です。 休日は予定がないほうが好き。本も休日も余白が大事。

          歌誌『塔』2024年3月号掲載歌「小窓をあけて鳥語を聴きぬ」