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コロナで苦しむ活版印刷の現場をデザインで応援する




昨年3月から色々と皆さん大変な状況下にあって今年は予想外のことが沢山。
日本各地の事業者さんの中でコロナで息を吹き返した会社もありますが、殆どの現場が厳しい。その中でもかなり切迫した状況の業種の方々も出てきています。

例えばお土産関連の製造事業者さんは緊急事態宣言後は売上が98%ダウンだと言う会社さんもありました。僕らが出張で買った土産がその日の売上だった・・なんてことを聞いておどろいいたり。(今はGOTOでどうにかギリギリをさまよっている状況かもしれませんが)インバウンドが無い今は以前に比べて厳しいことに変わりはない。飲食業だけじゃなく、製造関連の方々も大変な状況。

そして、僕らの周りにいらっしゃる方々でも多い製造業の仕事は下請けがメイン。コロナの状況下でお手伝い必要な企業がどこか、僕らが何ができるのか、どうするか社内スタッフ達と話し合いました。各地数社出てきた中で、今度はどういう技術があるのか、どういう素材を持っている会社なのか、現状のお困りごとは何か、皆で共有しつつどこと何を進めていくのか、さらに打ち合わせて新たに協業企画をすすめることを決めました。

その中で、お仕事でお世話になっている大阪の印刷会社の社長さんとたまたま話す機会がありました。僕らは毎年名刺を新たにデザインして印刷をお願いしているのですが「今年の名刺はどうですか?」ということになり・・・(弊社は昨年は20年目ということと、オリンピックもあり国旗サイズに合わせて全員分それぞれ日の丸な感じでイラストデザインしてます)

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サイドは天金加工。(紙の側面に箔を付ける加工)
聖書の変色や汚れ、虫食いなどを防ぐために考案されたそうです。

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あ、僕の名刺減ってないわ・・・


で、展示会やセミナーや講演でなくなるはずの名刺は仕事も打ち合わせもリモートになり皆さんとお会いできていない現状下で年間2000枚刷る名刺が半分も減っていない。。。

そこで気づいたのは活版印刷の事業者さんは「名刺」や「ショップカード」が主たる仕事。その仕事の受注が激減しているとのことでした。

改めてスタッフと現場視察に行くことに。 

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(昔の機械は材料の使いっぷりもええ感じで、めちゃめちゃカッコイイ)

活版印刷の現場で目にするのが活版の文字の合金鋳型が並んでいます。

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普段は活躍している道具たちですが今回考えていたのは
「名刺じゃない仕事を作る」こと。

ものづくりの現場は工場。何かないのか可能性を探しにいく。


そもそもの現場の技術を見直すところからはじめました。
文字じゃない表現物は可能なのか、それにともなって合金型は作れるのか
その範囲は?機械ができる限界値は?活版の技術の領域を調べていきました。

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こうやって活版の文字の構成を組んでいく道具。

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組版する道具をみてもしかしたら活用できるのではないかなと
打ち合わせを重ねてアイデアがまとまって行きました。

どの現場にもその仕事を構成する「素材」「設備」「技術」があります。
設備や技術、技法、素材や材料を見直す。

その会社ができる事は何か?技術領域を確認する。例えばシール印刷の工場なら素材と技術構成要素は簡単に言えば「紙」と「糊」と「結合技術」。

その何かを変えることで大変な現状を大きく変えられる可能性だってある。
技術のデューデリデーション。

じゃあ活版の現場は?

文字じゃなくても良いんじゃない?

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活版の仕事の道具は殆どが文字。でも考えてみれば文字以外は見たことが少ない。
「文字じゃなくてもええよな・・・」でもどういう企画ならできるだろう?
社長とあれこれと雑談しながらどの範囲までならできます?これは?あれは?と話して行くうちにデザインの素案がまとまっていきました。

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で、ちょうど家にいることが増えてきた状況ですので、家でも楽しめるプロダクトができないか。スタッフから出てきたアイデアがまさにそれでした。


技術を再定義する。「活版文字」から「活版意匠」へ。



「部屋を飾れる紙の額縁」に。

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美術館でもらったチラシや好きなポスターやリーフレットを手軽に入れて飾ることができる紙のフレーム。お菓子など入れて誰かに送ることもできるギフト包装としても使って頂ける仕様に。

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コロナ禍の中、展示会へ出る

そこからスタッフさん総動員で一気に加速して3ヶ月でまとめて、
なんと半年で展示会に出展できることに。

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必ず持っていこうと決めていた活版印刷機をお供に来てもらいました。
現地では活版機を初めて見る方も多く、どんな仕組みで印刷できるのか興味を持つ方も商品以上に多かったような(笑

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ギフトショーはコロナ前は4,000社の出展数が
10月はなんと920社に!

出展者数はコロナで激減している中ではありましたが、かなり少ない出展者の中で大丈夫なのか出展前から費用をかけて出るには不安ではありましたが、、、

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予想を超えるバイヤーさんが沢山いらしてくださいました!
いつもより良かったのは出展者が少なかったことでバイヤーさんとぞれぞれと話せる時間が長くなり、いつも以上にきちんと時間をかけた商談ができたことが功を奏したのか反応は上々。すぐに商談が決まりました。

で、今回は額縁だけですぐに使ってもらえないだろうと思い、ウチのスタッフのグラフィックアピールも兼ねて最初から中身も制作してくれました!(中のポスター制作してくれたセメンターズのみんな、ありがとう!!)

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額縁のサイズは2種類。

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グラフィックは6種類。

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パターンは3種類。

そして真ん中をトムソンで型抜きしたあとの紙も勿体ないので、、、

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印刷工程で出る端材をスタンドになるようにオマケを付けてます!

展示会後。。。

で、、、展示会後に年末納品に向けて進めている走っている真っ最中に
活版の現場から間に合わないかも・・・という話があって、スタッフがめっちゃ焦ってました(苦笑)(いやいや!ここで逃すと次の機会が春先になるやん!!)

お願いします!間に合わせてください!!!早く!早く!
(というかこれってそもそも何でスタートしたんだっけ・・・?(苦笑)
色々とお願いしまくって何とかそれぞれ現場の皆さんに頑張っていただきました。

というわけで短期間での激走、山添社長、まずはお疲れさまです!

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というわけでまずはLOFTさんから先行販売開始します!
渋谷、銀座、神戸、梅田、福岡です。よろしくお願いいたします!

12月21日追記!!)そしてウチのオンラインストアでも販売開始です!ぜひ。

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こういうプロダクトを販売していて楽しみなのはお店で買ってくださった皆さんがそれぞれでアレンジしてくださること。僕らや工場の皆さんの想像していない使い方の可能性を感じさせてくれること。この状況下ではありますが1社でも可能性を広げていく活動を進めていきたいなと思ってます。

まずは山添印刷の皆さん、セメントスタッフのみんな、お疲れさまでした!



で、最後に少し宣伝させて頂いてよろしいでしょうか。。。。

もし、もし、もし僕らの活動を気になる方がいらっしゃいましたらぜひご覧頂けましたらと思います。(自社分析シートも入っておりますのでご活用ください)

amazonでポチって頂いてももちろん結構なのですが、よければウチのオンラインストアでで買ってくださいましたら・・・自分のサインと手形入れてますので。
(色々宣伝失礼しました!)最後まで読んで下さってありがとうございます!

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