20階建て木造オフィスビルで、都心をウッドチェンジ
世界最古の木造の建物って、何かご存じですか?
それは、奈良にある法隆寺です。
マンションとか借りる時に築年数ってみると思いますが、その表現を使うと築1400年です。
木造建築の耐久性が如何にスゴイかって事を法隆寺が教えてくれます。
"木造"って鉄筋コンクリートに比べて弱そうに見えますが、強いんです。
そんな一度作れば1400年持つ木造建築ですが、都心のど真ん中に地上20階建ての木造オフィスビルに本社を構える企業が現れました。それが、東京海上グループです。設計は三菱地所が携わります。
木造のオフィスビルですので、そこで働く人達は、常に木の温もりを感じながら、仕事が出来るので満足度が上がります。
実は既に他社で実績がありまして、名古屋にタマディックという企業のビルがあります。ここは地上7階建てですが、ここで働く人の満足度はかなり高いそうです。
(8階にはサウナもあるそうです)
そんな人に優しい木造オフィスビルですが、人だけでなく地球にも優しいのが特徴です。
いくつか列挙すると・・・
再生可能な資源(木)である為、地球資源への影響がない。
林業活動を含めた森林の循環に貢献できる。
炭素(二酸化炭素)を長期間固定する事(閉じ込める事)が出来る。
最後の固定するについて補足しますと、樹木は光合成の時に、空気中の二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出します。一般的なイメージだと「光合成は二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出してくれる」という感じだと思います。
じゃぁ、吸った二酸化炭素をはどこに行ったかというと、二酸化炭素のうちの「二酸化」の部分は酸素になって外に出ます。そして、二酸化炭素のうちの「炭素」は、樹木の中に留まります。さらにこれが木材になっても木の中に留まります。
つまり、木造ビルのように木材を大量に使った建築物を作るという事は、大量の炭素を閉じ込め続ける事になります。
ちなみに「木を伐っていいんだっけ?」の話がありますが、これは大きな誤解となっています。木を伐ってその場所を別の何か(例えば農地等)にする事が問題で、木を伐って、また植えれば問題ないです。
(ただし、生態系レベルの話になるとまた問題の質が変わってくるので、どこでバランスをとるかという話にはなります)
日本の木は、現状「伐らなすぎ」という状態で、適度に伐りながら森林を保全していく必要があります。
林野庁では「ウッドチェンジ」というのを掲げていて、特に都心の鉄筋コンクリートな無機質な状態を、木を取り入れる事によって、人にとっても、森林にとっても、地球環境にとっても良い状態を目指しています。
日本は国土の2/3が森林で、世界で森林率3位の国です。
森林と上手く共存する世界が作れれば、日本は変わると思います。
今回の木造オフィスビルも、その代表例だなと思います。
私も木造のオフィスで仕事したい^^
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